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先日の↓のブログの続きなんですが、
▶『ツボクサエキス』主成分の化粧品…?韓国でも問題視される「◯◯エキス」、疑惑の表示法について
成分表記が誤っているのではないか?と指摘していた『アピュー マデカソ美容液』について、
本日、公式ホームページ・Twitterなどで正式に成分表示及びパッケージの誤表記がアナウンスされました。
対応としてとても早かったなと思います。
返金もなさるということですし、あとリリースには製品の回収については記載がなかったので問い合わせたのですが、
公式Twitterさんから以下のご返答を頂きました。
お問い合わせありがとうございます。該当製品につきましては自主回収をさせていただくこととなっております。
— A'pieu Japan (@apieu_japan) February 19, 2021
何卒宜しくお願い申し上げます。
今回の一件はTwitterで凄いバズっていたのを僕が発見してしまったことから端を発したのだと思いますが…。
パッケや成分の誤表記は絶対回収なので、
同情を禁じえない部分もございます…😅
もし製品をご購入になった方は返金対応もしてくださるとのことですから、
破棄はなさらないようにしましょう。
◎成分誤表記の内容について
それで、今回の騒動によって実際の成分が明らかになったのですが、
実際の中身はこんな内容になっていました。
結構シンプルな構成になっているのは確かですが、、
まぁ皆さんが感じたように
「思っていたより結構成分入っているな!」
と思いました😅
なんせ僕の予想では、
製品表面に書いてあった内容が
「Centella Asiatica Leaf Water 99.99%」
(結局これも誤表記だったらしいが)
だったので
「ツボクサ葉水、マデカッソシド」
とかだったのかなと思っていたからです。
ツボクサ葉水はエキスが若干溶けた水みたいな成分なので、
主成分としての配合は可能なんですよね。
マデカッソシドが純度の高い粉末で原料が売っていれば
この表示も不可能ではないかなと考えていました。
しかし蓋を開けたら
<誤表記>
ツボクサエキス、マデカッソシド
<正規表記>
水、ツボクサエキス、1,2-ヘキサンジオール、エチルヘキシルグリセリン、マデカッソシド、カルボキシメチル-β-グルカンNa
だったとのこと。
正直これは、だいぶ想像の斜め上の成分になっていました😅
◎主成分はほぼ「水」…?エキスの配合量は実はかなり微量の可能性
まず、元々は「ツボクサエキス99.99%」と書いて販売していたのですが、
実際の成分は「水」がやはり主成分となっていました。
そして、「ツボクサエキス」はその次に記載されていますね。
化粧品の全成分表示というのは、配合されている成分の多い順に記載する、
というルールがありますので、
一見するとこの表示であれば「ツボクサエキス」が高濃度で入っているように見えなくもありません。
しかし、これはエキスの特徴を知っていないと分からないかもしれませんが、
エキスというのは本来「粉末」で販売されている原料でもなければ、
その主成分は「BG」とか「エタノール」などの溶剤なのです。
つまり、「エキス」を高濃度で化粧品に配合する場合、
ほぼ必ずその溶剤成分が「エキス」そのものよりも高濃度で配合されることになります。
この化粧品の成分であれば恐らくは「1,2-ヘキサンジオール」がその溶剤成分に該当すると思うのですが、
本来はこちらの方がエキスよりも濃度は濃いはずなので、前に表示されていないとおかしいのですよね。
でもあることをすれば、全成分表示のルールに則って、この成分の順序を逆にすることができます。
何かというと、それは「エキスを薄く入れる」という方法です。
化粧品成分表示はたしかに高濃度のものから順に書いていきますが、
「1%以下の濃度の成分は成分表示の順番を任意に入れ替えても良い」
というルールもあります。
つまり、本来主成分のはずの1,2ヘキサンジオールの溶剤成分が1%に満たない程度の濃度にしておけば、
もっと濃度が薄いツボクサエキスと順番を入れ替えて表示することが可能、ということです。
ちなみにこれは全然ずるい方法とかそういうわけではなく、
濃度による順番の任意表示を利用して、エキスの表示順番を前の方に書くのは
化粧品の全成分表を作る上ではまぁよくある手法なんですよ😅
そもそもエキス系原料は、メーカーの推奨濃度に従えば基剤成分が1%以上入る濃度で配合することはほとんどありません。
エキスなんて0.1%とか0.01%とか、実際にはそのくらいの配合量が普通ですし、
(原料そのものにエキス分は1%くらいしか入っていなくて、化粧品にはそれをさらに1%程度添加する感じ)
エキスの配合量としては常識の範囲内なんだなぁと思った次第です。
◎「意図的に添加されている成分がある」のは何故なのか?
しかし、不思議な話ですが、
先日のブログでは
「韓国ではエキスの表示の際にその原料由来の基剤成分などは書かなくても良いルールになっている」
という話をしたと思います。
(ただし韓国でも問題を指摘されているグレーゾーンのルール)
だから、
韓国ではエキス原料の基剤などを省略して「ツボクサエキス、マデカッソシド」という表示で実際に売っていたもの(これは一応韓国では適法)を、
日本向けに販売したときに成分表示を直し忘れた(これは違法)から現在のような事件になった…
と僕は推理していましたね。
でも、、、
実は今回明らかになった正規表示の内容を見ると、この推理は正しくないかもしれないんですよね。。
この製品って原産国は韓国ですから、
少なくとも誤表記のものは韓国では問題ない成分ということですよね。
(というか多分、韓国で販売されているものをそのまま販売している?)
でも、
例えば
「エチルヘキシルグリセリン」は防腐剤代用成分で、これもちょっと怪しいのですが最悪原料由来成分と考えることはできたとしても、
『カルボキシメチル-β-グルカンNa』
というのは【増粘剤】の一種でして、
これは製造の際に意図的に添加しないと先ず入らない成分なんですよ。
明らかに意図的に加えている成分が存在しているのにも関わらず、
メーカーは長くこれを「エキス99.99%」として販売していたということでしょうか…。
製造メーカーはこれを入れていることを絶対に把握しているはずですし、
韓国側のルールにおいても原料由来でないものは成分表に書かなければならないはず。
…という感じで、正規表示の内容がとても不思議です。。
◎韓国では「エキス主成分」と言いながら別途添加した成分の表示も隠している製品が流通している可能性がある…?
これをどういう状況になっているのかを考えてみると、これしか思いつかないのですが…。
つまり、
韓国では現在「エキス主成分」という化粧品が流行っているらしいのですが
その際に上で言っているようにエキスの原料由来基剤成分などを隠すだけでなく、
増粘剤や防腐剤など、その他意図的に添加した幾つかの成分も一緒に隠しているメーカーがあるのではないか?
ということです。
今回見つけたのはこれ一個ですが、こんなのは本当に氷山の一角だと思います。
かずのすけ@kazunosuke13
今回の一件はあくまで氷山の一角で、海外原産の化粧品は成分表示ルールが違っているため日本だと考えられない成分のものが実際にかなり多く流通してる可能性があります。EUのものなども多少違いますが、特に韓国産の化粧品は多い印象です。「エキ… https://t.co/rM9PcSeURC
2021年02月19日 14:03
実際こないだも指摘しましたが、
↓このワンシンってやつも表示不備ですね。
全成分に「水」が書いてありません。
もしかしたら他にも何か成分を隠している可能性があるとも見ることができます。
こんな感じでエキスにかこつけて成分を隠している製品が他にもある可能性が出てきてしまうと、
なんだかアピューとかミシャとかだけじゃなくて韓国コスメ全体のイメージが下がってしまうなと感じます。
僕自身韓国コスメの品質が低いとは思っていませんが、
こういうふうに、輸入化粧品あるあるの表示不備は本当に多い印象があります。
ヨーロッパとかだとむしろ日本より厳しいので、
ヨーロッパ産の化粧品の表示を日本語にそのまま訳したとしても我々が損することはほとんどないと思います。
でも今の所韓国は日本より結構ゆるいので、
向こうの表示のまま入ってくると本当は知りたい成分が隠されてしまっていたり…
なんてことも普通に起こりかねません。
今回は運よく僕の目に入ったので注意できましたが、
そうでない製品の方が多いでしょうし、こんなの専門家でしか見抜けない内容ですからね。。
特に韓国コスメの問題点が浮き彫りになったひとつの事件だなぁと感じました。
もちろんちゃんとルールに則っっている良い韓国コスメもたくさんあると思いますので、
それは念押ししておきたいと思います。
というわけで今日は以上です!
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