油脂は朝も使える?紫外線対策になる?まつ毛伸びるって本当?用途別お勧めは?…油脂にまつわるQ&A | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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今日は昨日のブログを上げた際に頂いた【油脂】にまつわるいくつかの質問や、

 

これまで頂いてきた質問等の中で頻出だったものをまとめて色々解説してみたいと思います。

 

 

わかりやすいようにQ&A形式でお送りしたいと思います(^^)ゞ

 

 

 

まず基本事項として

 

【油脂】というオイルやその他の油分について解説した動画がこちらです。

 

 

もし油脂やエステルなどの種類がまだ分かっていないということであればこちらの動画でおさらいをお願いいたします!

 

 

 

では本題に移って行きましょう!

 

まず最初の質問はこちらです。

 

 

 

Q.油脂は朝に使ってもいいでしょうか?

 

A.屋内活動が主であればOK、屋外活動が多い場合は避けるのが無難!朝に使用するなら酸化しにくいオイルを。

 

 

「スキンケアの一環として油脂を朝に使用しているのだけど、油脂は酸化しやすいということで心配です…。」

 

ということで何件か類似のご質問を頂きました。

 

 

 

最近はオイル美容が盛んですし、油脂を主成分にした美容オイルも人気です。

 

 

 

しかし昨日のこちらの難しい記事を読んで気になった方も居られたかもしれませんね。

 

オレイン酸などの「不飽和脂肪酸」を含む油脂は毛穴に悪い?【油脂をスキンケアに使用するコツ】

 

 

油脂は酸化して過酸化脂質を生じたり、分解して不飽和脂肪酸を生じるので

 

場合によっては肌荒れの原因になることもある…。

 

という話をこれまでも何度かしてきたと思います。

 

 

 

質問に対しての僕の返答としては先程のAの通りで、

 

屋内活動が主であれば朝でも油脂の塗布は可能です。

 

これは、昨日のブログにも記載したように

 

皮膚上での皮脂の酸化等は屋内生活では1日程度では大した影響はないからですね。

 

 

 

積極的に紫外線を浴びたりしなければ、朝でも油脂をスキンケアに使ってもOKです。

 

 

 

ただし、こちらに示すように

 

 

 

紫外線を浴びる屋外生活の場合ではかなり条件が異なり、

 

数時間の紫外線暴露でも油脂がどんどん酸化していくので

 

屋外で過ごす時間が長い場合は朝の油脂の塗布は極力避けましょう。

 

 

 

 

ちなみにこの際、「日焼け止め等を重ねたら油脂の酸化を抑制できるか?」

 

という質問も頂きました。

 

 

確かに何も塗らないよりは圧倒的に酸化を抑制できると思います。

 

 

しかし油脂分が多ければ多いほど酸化のリスクは高まりますし、

 

日焼け止めはあくまで紫外線の影響をいくらか低減しているに過ぎないため

 

完全に遮断しているわけではなく

 

油脂の酸化は少しずつでも起こってしまいます。

 

 

 

ですので、日焼け止めを塗ったとしても推奨できる方法ではありません。

 

 

 

 

 

もし、朝にもオイルを使用したい場合

 

酸化しにくい油分で代用すると良いと思います。

 

 

 

 

酸化しにくいオイルのオススメどころとしては

 

エステル系の「ホホバ油(クリアホホバ油)」か、炭化水素系の「スクワラン」がありますね。

 

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いずれもサラッとしたオイルなので、油脂と似たような使い方ができると思います。

 

ちなみにホホバ油には精製度合いの低めの「ゴールデンホホバ油」もありますが、

 

こちらは若干酸化の懸念があるためどちらかと言うとクリアがオススメ。

 

 

 

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ワセリンも一応酸化はしませんが、ペースト状の油分なのでテクスチャー的に油脂の代用として使用するのは難しいかもしれません。

 

 

 

 

 

Q.ラズベリーシードオイルなどが紫外線防止効果があると聞きましたが、油脂を紫外線対策に使うことは可能でしょうか?

 

A.絶対にできません。紫外線が当たる環境での油脂の使用は可能な限り避けましょう。

 

 

 

これも結構聞かれるのですが、

 

「ラズベリーシードオイル」などの油脂が紫外線防止効果があるなどとネット上で言われているのは

 

ハッキリ言ってガセネタです。

 

 

 

詳しくは昨年以下のようなブログを書いているので気になる方は読んでみて下さい。

 

絶対NG!「植物油脂」で日焼け対策??何でもかんでも天然だから良いというわけじゃない

 

 

ラズベリーシードオイルに限らず「油脂」は紫外線によって酸化する際に紫外線を吸収します。

 

本来の紫外線吸収剤はこの際に変質したり、肌に対して危害を与える成分に化学変化しないもののみが認可されていますが、

 

油脂の場合はその後過酸化脂質などの肌にとって害のある成分に変わってしまうため

 

吸収剤としては認められていません。

 

 

 

さらに、この紫外線の吸収量が多い油脂=紫外線で酸化しやすいことを意味しているため、

 

紫外線吸収効果の高い油脂はかえって肌にとって危険度が高いということになります。

 

 

 

日焼け止めの代用として使用できる植物油脂は一切存在しないので、

 

紫外線が当たる環境での油脂の使用は可能な限り避けることを徹底しましょう。

 

 

 

Q.ファンデーションなどに油脂を混ぜてツヤ肌を作るメイク方法がありますが、やってもいいでしょうか。

 

A.1つ目に同じく、屋内使用なら基本OK、屋外に出る場合は油脂ではないものを使用しましょう。

 

 

こちらも1つ目の質問と同じ回答です。

 

屋内であれば紫外線等の影響はないので、油脂でも大丈夫です。

 

ただし屋外では紫外線の影響で酸化してしまいやすくなるため、

 

もしオイルをファンデーション等に混ぜる場合はクリアホホバ油やスクワランなどを使いましょう。

 

 

 

なお、オイルをファンデーションに加えると、当然よれやすくなりますのでその点は注意。

 

 

 

Q.油脂をまつ毛に塗っていたら伸びてきた気がするのですが…。油脂にはまつ毛を伸ばす作用があるのでしょうか?

 

A.油脂にまつ毛の育毛効果はありませんが、まつ毛に油脂を塗布することでまつ毛が切れにくくなって見かけ上伸びたように見えることはありえます。

 

 

 

これは先日こちらのTwitterで解説した内容です。

 

 

 

 

元ツイートは「まつ毛にヒマシ油を塗っていたら伸びてきた!」という内容だったのですが、

 

もちろんまつ毛にヒマシ油を塗ったところで毛が実際に伸びるなんて科学的な根拠はありませんし、メカニズム的にも考えにくいです。

 

 

 

しかし、実際にネットとかで調べてみるとヒマシ油だけでなく、いくつかの「油分」をまつ毛に塗布することでまつ毛が伸びた!と実感している人って結構いますね。

 

 

これはツイートでも解説しているように

 

「まつ毛の切れ毛」を防止することによって見かけ上伸びたと錯覚しているのではないか?

 

と僕は考えています。

 

 

 

 

これはどういうことかというと、

 

髪の毛も同じですが、人の毛というのは一定の「脂質」を毛髪内部に蓄えており、

 

この脂質が毛髪の強度や耐摩耗性を左右していると考えられています。

 

 

 

髪の場合はシャンプー等で油分を除去したら、その後トリートメント等で油分を補給して強度を保つのが一般的ですが、

 

まつ毛では、例えばアイメイクオフの際に脱脂しても、その後油分を補給する人はとても稀です。

 

 

 

特にウォータープルーフマスカラのアイメイクリムーバーはとても脱脂力の高いクレンジング剤なので、

 

まつ毛も油分を相当奪われてしまいます。

 

 

そのような状態で日々アイメイクを行ったり、ビューラーなどでダメージを与えれば当然切れやすくなっていき、どんどんまつ毛が短くなっていきます。

 

 

 

油分を塗布することでこれを緩和して、

 

まつ毛が途中で切れずに元の長さまで伸びるようになったとしたら、

 

多くの人にとってはそれは「まつ毛が伸びた」と感じるのではないでしょうか。

 

 

 

 

世間一般のまつげ美容液は危害報告も増えており、

 

「まつ毛美容液」で危害急増!?偽医薬部外品や表示違反など、悪質な商品を見分けるためのポイント

 

あまり好ましい製品ではないと僕は考えておりますので

 

 

このようにまつ毛に油脂やその他の油分を塗布するだけならリスクも少ないのでオススメです(^^)ゞ

 

 

 

ちなみに、油分の種類はあまり関係なくどのオイルでも一定の効果があると思います。

 

 

強いて言うなら、保護効果の高いワセリンや、

 

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毛の脂質と類似の脂肪酸(エイコセン酸)を含有する「ゴールデンホホバ油」などが良いかもしれませんね。

 

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ちなみに、まつ毛にオイルを塗布すると油性のウォータープルーフマスカラは問題なく使えますが、

 

お湯落ちのフィルムタイプのマスカラは上手く乗らなくなると思いますので注意して下さい。

 

 

 

 

Q.ヘアケアに油脂は使えますか?使うならどれがオススメですか?

 

A.油脂よりも、酸化しにくいクリアホホバ油、ゴールデンホホバ油などがオススメです。

 

 

 

先程も申し上げたように、

 

「毛髪」はある程度の脂質を保っていないと強度や耐摩耗性が低下してしまいます。

 

 

そのため、油分の補給としてピュアオイルをヘアケアに用いる場合があります。

 

ちなみに日本では古くからヘアケアに油脂の「ツバキ油」などを使う文化がありますが、

 

性質的には油脂のピュアオイルをヘアケアに用いるのは僕はあまりオススメはしていません。

 

 

 

理由としては、重ねて言うように油脂は酸化分解を受けるオイルで、

 

髪などの繊維の束状のものにオイルを塗布すると表面積が増えて、より紫外線などに晒された際に酸化しやすくなってしまうからです。

 

 

 

そのため、ヘアケアに使用するオイルは極力酸化しにくいものを選ぶべきです。

 

 

一応油脂の中にもアルガンオイルやマカデミアナッツ油など比較的酸化しにくいものはありますが、

 

 

それよりも髪の脂質と類似の組成を持つ「ホホバ油」が最もオススメだと僕は思います。

 

 

多少の不純物を含んでいるので若干の酸化の懸念はありますが、

 

毛髪との馴染みの良さなどを加味するとゴールデンホホバ油が一番良いと思います。

 

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酸化が気になる場合はクリアホホバ油でも良いと思います。

 

 

Q.スキンケアにオススメの油脂と、使用の適正量を教えて下さい。

 

A.かずのすけの推奨はマカデミアナッツ油と、馬油やアルガンオイルも良いと思います。適正量は「全顔に1~2滴」です。

 

 

スキンケアに使用する油脂は、

 

皮脂の構成と類似のものがオススメです。

 

自然界で入手できるもので皮脂に近しいものだと「マカデミアナッツ油」「馬油」などがあります。

 

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希少なパルミトレイン酸を多く含んでおりお肌の柔軟効果が高いのが特徴です。

 

 

マカデミアナッツ油は液体ですが、馬油はペースト状なので、使い勝手はそれぞれ違います。

 

他にもアボカド油やアルガンオイルなどもスキンケアに適していると言われています。

(ただしいずれも高額なので、マカデミアナッツ油や馬油が入手しやすいと思います。)

 

 

 

使用の適正量は、全顔でも「1~2滴程度」と少なめに使用するのがコツです。

 

こちらが1滴程度の写真です。

 

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プッシュでいうと1/5プッシュくらいの少量です。

 

 

自分の皮脂がどのくらいあるか?を考えると、明らかにテカテカになるほどの皮脂はあまり良くないので、

 

表面にうっすら油膜が残る程度が良いと思います。

 

 

スキンケア用の化粧品に配合される際も、多くて1~2%程度ですので、

 

ワンプッシュたっぷりを肌に塗るのは多すぎの場合が多いと思います。

 

 

油脂は多く塗布してしまうと酸化や分解などのデメリットが出てきてしまいますので

 

くれぐれも付けすぎないように注意しましょう。

 

 

 

 

Q.油脂のピュアオイルをクレンジングに使うのはどうですか?

 

A.メイク落ちはあまり良くないですし、肌に残る油分が多く、肌荒れの原因になるリスクもあるので万人に勧めるのは難しいです。

 

 

オリーブオイルのピュアオイルなどでクレンジングをする人もいると聞きますね。

 

この場合は界面活性剤の入っていないオイルなのでお湯では流せませんからティッシュやタオルなどで拭き取り、その後ダブル洗顔などを行うのが流れになると思います。

 

 

ただ、界面活性剤なしの場合は油分がかなり肌に残ってしまうため、

 

ダブル洗顔でしっかり洗う必要がありますし、

 

拭き取りの際に肌に負担が生じる可能性もあります。

 

 

また単一の油脂はメイク落とし効果があまり高くないので、落とし残しなども生じやすいです。

 

薄化粧の時は問題ないですが、ある程度しっかりメイクした時はちゃんとクレンジングを使ったほうが良いと思います。

 

 

 

クレンジングに入っている界面活性剤は非イオン系の刺激のないものですし、

 

ハッキリ言ってそこまで神経質になって避けるほどのものでもないです。

 

確かに炭化水素油系のクレンジングオイルだと油分の性質上洗浄力がとても高くなってしまいますが、

 

油脂系ならそんなことはないので、、

 

使用の快適さを失ってまでやることではないのかなと僕は感じます。

 

個人的には正しくクレンジングとして処方されているものを使用するほうが良いと思います

 

 

 

 

◎油脂にまつわるQ&Aでした!

 

 

 

というわけで、最近頂いていた油脂にまつわる質問とその回答をまとめてみました!

 

何か気になることが他にもあるかもしれませんので、

 

その際はコメントで是非質問をよろしくお願いいたします!

 

 

 

では本日は以上です!(^^)ゞ

 

 

 

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