「まつ毛美容液」で危害急増!?偽医薬部外品や表示違反など、悪質な商品を見分けるためのポイント | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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こちら、昨日の大きなニュースです。

 

 

 

国民生活センターが『まつ毛美容液』の危害が増加している件について注意喚起したというもので、

 

一次ソースはこちらになります。

 

まつ毛美容液による危害が急増!-効能等表示の調査もあわせて実施-

ちなみにホームページは実際の発表資料を掻い摘まんだもので、

 

まつ毛美容液による危害が急増! -効能等表示の調査もあわせて実施-(PDF)

報告書本文は↑こちらになります。




詳しい内容はこれを読んで頂くと分かるのかなと思うのですが、

ただ、例のごとく国民生活センターの発表資料はちょっとお堅いので

 

 

今日は皆様の代わりにかずのすけがこちらの資料を読みましたので、

 

もう少し状況が分かりやすいように色々な裏事情等も含めて解説をしていきたいと思います!

 

 

 

 

ちなみに、こちらの一件に関して個人的な感想を最初に述べておくと、

 

「いつの間にか思ってたより酷いことになっているな…」

 

という感じでした。苦笑

 

 

 

それでは本題に移っていきましょう。

 

 

 

 

◎「まつ毛美容液」の危害とは?問題が起こり始めた時期・頻度は?

 

 

 

まず発表資料に目を通すと1番最初に目に付くのがこちらのグラフで、

 



国民生活センターは「PIO-NET」というシステムを使って消費者の危害情報を集めているのですが、そこから算出されたグラフですね。

 


これはまつ毛美容液の危害件数のみをピックアップしたもので、

 

危害報告が増え始めたのは2015年ごろからのようです。

 

そして2018年にはまさに「急増」という感じで、3年前の30倍以上の報告数になっているんですね。

 

 

ちなみに2019年は4件のみと、少なく見えますが

 

実はこの集計は年度ごとの集計で、さらに集計タイミング5月31日までだったため、約2ヶ月分しか反映されていないのです。


つまり今後さらに増えていく可能性が十分あります。




また、例えば2018年の281件という1番多い件数も

 

国民の人口を考えれば少ないと見ることも出来るかもしれません。

 

 

 

ただ、そもそも危害が発生したからといって国民生活センターに逐一報告する消費者ってそんなに多くない(むしろ超少数派)なので、

 

この数はあくまでも氷山の1角でしかありません。

 

実際にはもっともっと多く発生しているうちの一部がこれなんですね。

 

 

ちなみに、発表資料には↓こんな資料もあり、



全体の危害報告数のうち、「化粧品」の危害数を各年毎に集計したものです。

 

2018年を見ると、化粧品は全ての危害数でも1819件です。

 

そのうち281件…実に15%以上がまつ毛美容液の危害だったというのですから、

 

 

これは大変な頻度と言えると思います。

 

そもそもまつ毛美容液自体が比較的マイナーな種類の化粧品ということも考慮すると、

 

危害発生率は現在の化粧品種類の中ではダントツの可能性があります。

 

 

実際それまでは危害件数ランキング2位に落ち着いていた化粧品が2018年に1位に返り咲いた(実はこの前年までは化粧品が1位だった)原因がまつ毛美容液の危害数増加だったんですね。

 

 

 

2018年に何が起こったのかは正直僕の方では調査仕切れなかったのですが、

 

単純な予想としてはそれだけまつ毛美容液を使う消費者が増えたか、

 

もしくはめちゃくちゃ売れてる商品にリスキーなものがあったか、

 

あとはSNSなどで危険な商品が拡散したなどが考えられると思います。





今回の発表資料では「どの商品で危害がどれだけ起こったか」などは分からないのが少し残念ですね。

 




◎「まつ毛美容液」のリスクの実態



そして、実際にまつ毛美容液でどのような危害が発生しやすいのか?というと、

 


「皮膚障害」が80%と圧倒的に多いですね。

 

目の周囲の皮膚がただれたり腫れたりということが一般的のようです。

 

ただ、中には「目に混入して角膜潰瘍ができて手術した」というケースや「ものもらい」「充血」などのケースもあったようです。

また、まつ毛を伸ばしたくて使ったのに、逆に「まつ毛が抜けてしまう」という切ないケースも…。



なぜこういった危害が発生しやすいのか、



まずまつ毛美容液というのは↑のような容器に入っていて、

 

ブラシやチップが付属しているものが多いですよね。

 

 

ポイントとしては「目粘膜に近い部位に使用する」ということと、

 

「皮膚に触れたブラシやチップを容器に戻すため雑菌が繁殖しやすい」

 

という2点がまず言えますよね。

 

 

 

 

これ、知らない人も多いのかもしれませんが、

 

まつ毛美容液は基本的に目の粘膜に触れてはいけないものなんですよ。

 

 

 

基本は「まつ毛のみに塗る」ものであるはずなのですが、

 

 

メーカーの使用推奨で「まつ毛の生え際」とか「まつ毛の根元」とかに塗るように指示されているものもあるのが実情です。

 

 

これを考えるとこの商品で「粘膜に触れない」なんて現実的に不可能なわけで、

 

理想としては粘膜に触れても大丈夫なように設計されているべきです。

 

 

しかし実際にはそういった設計が組まれているものが少ないか、

 

目粘膜を想定した安全性試験をちゃんとしていない製品があるなどの問題がありそうです。

 

 

 

 

 

またチップやブラシを皮膚に付いた状態で容器に戻すことで、

 

容器内で雑菌が繁殖してしまい、

 

繁殖した菌の固まりを目の周りに塗ってしまっている

 

なんてことも考えられるでしょう。

 

 

 

さらにそれを想定して防腐剤を多めに配合する処方が多いと思うので、

 

これが原因で目粘膜に刺激が出たり腫れの原因になったりする可能性も高そうです。

 

 

 

使い方が悪いと言われればそれまでですが、

 

こういう化粧品なのですからメーカー側もそれを十分考慮して製品化する必要があると思います。

 

(そもそもこういう商品を作ること自体僕はあまり賛成していませんが…)

 

 

 

ちなみに発表資料では皮膚科の先生が「植物エキスやエタノール」が怪しいという内容を書いているのですが、

 

僕としては植物エキスやエタノールよりもまつ毛育毛効果の美容成分(ペプチド等)など特殊な成分や、

 

先ほど書いた防腐剤の濃度等の方が影響は大きそうだなと考えています。

 

 

 

 

◎「まつ毛美容液」全般的にリスキーだが、全てが悪いわけでもない?

 

 

そして、

 

今回国民生活センターが「まつ毛美容液の危害が急増している」という発表資料を出したわけですが、

 

この発表から消費者が受け取る印象を考えて見ると

 

『まつ毛美容液全部が危険ということなのか?』

 

という感想を覚える人が多いのではないかと思います。

 

 

 

実際のところ、

 

発表資料をじっくり読んで見た感じから察するには

 

 

国民生活センターの訴えたい内容としては

 

「まつ毛美容液は商品やブランド問わず全般的にリスキーだからみんな注意してね」

 

というメッセージを込めているのではないかと僕は受け取りました。

 

 

つまり概ね↑で述べている第一印象通りのメッセージなのかなと思います。

 

 

というのも、

 

国民生活センターのこれまでの発表の仕方を色々見ていると

 

特定の製品に危害報告などが集中している場合はその商品や類似商品だけを特筆して報告するんですね。

 

 

しかし今回は、特定ワードで検索した人気商品などをかなり無作為に選んで調査しているので、

 

つまり危害報告はどれかの製品だけに固まったものではなく

 

「まつ毛美容液」全般に広く分布したものであった可能性が非常に高いと思います。

 

 

 

だからまつ毛美容液を使う場合は、ブランドとかメーカーに関わらず注意して使うべきと言えるでしょう。

 

 

 

ただし、

 

 

 

商品として「明らかに悪質なもの」というのもやはりありまして、

 

使い方如何によってはどの商品であっても多少なりともリスクはあるのですが

 

特にこういう明らかに悪質なものはそれだけ商品の内容も良くない=リスクが大きい可能性が高いと思います。

 

 

 

なので、どういう商品が実際に「明らかに悪質」と言えるのか

 

そこも詳しく解説してみたいと思います。

 

 

 

 

◎まつ毛美容液に「医薬部外品」は存在しない!?【薬用まつ毛美容液】は例外なくNG

 

 

国民生活センターが今回調査した商品をまとめた資料が以下です。

 

 

これには名称とかが書いてなかったりしたので、

 

↑この資料をさらにコンパクトにまとめ直したのが↓こちらです。

 

 

 

20商品色々集めて、化粧品の分類や薬機法上の表示違反等をまとめたものだったんですね。

 

 

具体的に何が言いたい資料なのかというと、

 

これらが示す問題点は主に二つあります。

 

 

 

 

 

一つが、

 

「偽医薬部外品問題」

 

です。

 

 

 

 

これが個人的にものすごく驚いたものでした。

 

「いつの間にかこんな酷いことに…」と思ったのはまさにこれです。

 

 

この↑5つの商品(実際市場にはもっと沢山ある可能性あり)は、

 

はっきり言って非常に悪質な商品です。

 

 

 

なぜかというと、

 

まず「まつ毛美容液」という化粧品には、

 

【医薬部外品】は存在しません。

 

 

 

「医薬部外品」については先日も説明しましたが、

 

簡単に言えば、普通の化粧品よりもある程度の効果効能を持つ商品群のことです。

 

「薬用化粧品」=「医薬部外品の化粧品」です。

 

 

 

医薬部外品には特定の効果効能を持つ「有効成分」が配合されていて、

 

長期的に使用することで、ある程度の予防効果や改善効果を期待することができます。

 

 

 

ただし、「医薬部外品」は国の認可を得る必要があり

 

その商品形態自体にも厳密な規定があります。

 

 

そして現時点でその商品形態として「まつ毛美容液」は医薬部外品には認められていません。

 

 

 

ですから、

 

「まつ毛美容液」の医薬部外品というものは、存在そのものが悪質と言い切れます(^_^;)

 

 

このような商品が少なくとも5商品もあるというのですから驚きです…。。。

 

 

これ、どのようにして国の審査を通したのかというと、

 

 

まずメーカーはまつ毛美容液であることを伏せて

 

「頭髪用の育毛剤」としてこの認可を得ていたようなのです。

 

 

これをちゃんと審査しない行政も行政で別の問題があると思うのですが、

 

そもそもこんなアクロバットなことを考えるメーカーがまず大問題ですよね。

 

 

 

 

資料中に専門家の先生の意見が載っているのですが、

 

そもそも頭髪用の育毛剤は皮脂の分泌が多く粘膜も遠い部位であるという前提で作られているものです。

 

つまり有効成分も浸透しにくいという前提で作られているため、

 

非常に成分自体が刺激的だったり粘膜に触れると危険な場合が懸念されます。

 

 

 

 

普通は「医薬部外品」というのは「国が一定の安全性を認めた化粧品」ということになるのですが、

 

まつ毛美容液で医薬部外品になっているということは、

 

もはや逆に危険ということになります。

 

頭皮に浸透できるくらいの強い成分が配合されていることの証明ですからね。

 

 

 

ですので、「医薬部外品」のまつ毛美容液なるものはその時点でアウトです。

 

こんなものは絶対に使うべきではありません。

 

(ちなみに頭髪で効果があるからといってまつ毛で効果があるとは限りませんのでこの点も注意すべきです)

 

 

 

 

◎広告表示・薬機違反が横行?【育毛】【まつ毛を育てる】などはNGワード!

 

 

 

次の問題は、

 

通常の【化粧品】のまつ毛美容液においても

 

広告表示法や薬機法違反が横行し過ぎているという点です。

 

 

↑こちらの表を見て頂くと、

 

国民生活センターが通販で購入できる人気商品を集めたところ

 

広告表示や薬機法に違反していることが確認されたのが15商品中9商品ありました。

 

問題なしだったのはわずか6商品

 

 

中には大企業の商品も含まれているのに気付く方も居られると思います。

 

 

 

 

で、例えばどのような表示内容が良くないのかというと

 

 

まず分かりやすいのが【育毛】【まつ毛を育てる】などの表現です。

 

 

他には【まつ毛を生やす】【発毛を促す】や、

 

【まつ毛を修復する】【まつ毛を再生する】など。

 

広告表示的に「ビフォーアフター写真」ももちろんダメです。

 

 

 

 

「え!ダメなの!?」

 

 

と思った方も多いかもしれません。

 

 

 

 

 

実はまつ毛美容液はまつ毛を伸ばしたり、生やしたり、発育を促すような効能を持たせてはいけないし、そういった効果を標榜してもいけないことになっているんです。

 

 

 

そもそも先ほども言ったように「まつ毛美容液」はただの「化粧品」ですので、

 

そういった薬効的な効果を持っていてはいけません。

 

 

当然このような効果を示唆したり、消費者に誤解を与えてもいけないことになっているのです。

 

 

 

つまり

 

こういった効果を商品パッケージや広告ページなどに記載していればそれはルール違反になります。

 

 

 

小さいメーカーで薬機に疎いところが知らずにやっているケースも無いとは言えないですが、

 

まともなメーカーであれば薬機や広告表示のチェックはちゃんとするはずですので、

 

特に大きなメーカーの場合はわざとやっている(指摘されたら直せば良いという考え)可能性もあります。

 

 

僕としてはこういうルールを無視している商品はできるだけ手に取るべきではないと思いますし、

 

 

そもそも本当に毛が伸びるような成分を入れているとしたら、

 

先ほども言ったように粘膜に近い部位に使用する化粧品ですのでリスクもかなり増えると思います。

 

 

 

 

極力ちゃんとルールに従っている優良なメーカー・優良な商品を選びましょう。




◎まつ毛美容液はあくまで「化粧品」!リスキーな商品や使い方には特に気を付けて



というわけでこちらが国民生活センターさんの発表情報を僕なりにまとめ直したものです。

 

  • まつ毛美容液の危害が全体の15%を占め、昨年は報告数ピーク
  • 目粘膜に近く、雑菌繁殖しやすいため皮膚障害や目障害などが相次いでいる
  • メーカー・ブランド問わずまつ毛美容液全体的にリスキーな傾向あり
  • 「医薬部外品」のまつ毛美容液は例外なく悪質商品なので注意
  • 化粧品のまつ毛美容液でも広告表示・薬機ルール違反が横行中
  • ルールに則った安全性の高い商品を選びましょう



こういう話をすると、「まつ毛美容液を使う意味はあるのか?」となってしまうと思うのですが、

 

 

僕としては「本当のまつ毛美容液」って毛髪のトリートメントと似たようなもので、

 

アイメイクとかクレンジング等で失った水分や油分を適切に補給することで

 

「まつ毛を切れにくくする」ものであるべきと思っています。

 

 

 

まつ毛って髪の毛と同じなので、

 

水分や油分などが流出するととても切れやすくなりますし、

 

まつ毛パーマとかビューラーなどを使っているとどうしてもダメージが蓄積してしまうので

 

そういうのを補修・保護してあげるものなのではないかと思っています。

 

 

切れさえしなければ見かけ上長く残るので、実質的に伸びたと感じることも出来るでしょう。

 

 

 

なんだか根元から伸ばすことにばかり注目していてどんどん怪しげな商品が増えている気がするので、

 

もう少しメーカーも利用者も別の視点を持つべきなのではないかと思うのですよね。





以上、今回のまつ毛美容液についての発表資料についてかずのすけなりのまとめでした。

 

 

あともう少しこの件についてお話したいことがあるので、

また今度ぼやき記事を書きたいと思います。



では今日はここまでです!


 

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