実験してみた!【アタックゼロvsアタックネオ】新旧洗浄力対決!その意外な結末…。。 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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お待たせしました!アタックゼロ記事の第二弾となります!

 

前回記事はこちら↓から(^_^)

アタック新作【アタックZERO】を化学的に解説!成分の安全性や従来品との違いについて


アタックの新作商品である「アタックゼロ」の成分について解説しました。

 

 

まぁ結論としましては「主成分など細かく変わってはいるが、成分的には従来品の【ウルトラアタックネオ】と大きな性能差は見られない」というものになりました。

 

 

 

ちなみにコメントでもあったのですが、

 

あくまで「ウルトラアタックネオとの差はない」ですが、

 

「ウルトラアタックネオ抗菌EXパワー」とは全然性能が違います。

 

 

ウルトラアタックネオ抗菌EXパワーとどのように違っているのか?については、

 

敏感肌に「酵素」&「抗菌」は注意?! 洗濯用洗剤の酵素や漂白剤の働きとデメリット 

 

こちらの記事が参考になると思います。

 

 

アタックゼロは漂白剤が入っていないので、その分繊維負担等は少ないものの抗菌作用などはあまり高くないと考えられます。

(抗菌洗剤を超えた…と謳ってますが、その辺は成分的には賛同しにくいです。苦笑)

 

 

 

 

それで、

 

前回記事のラストでも貼っているのですが、公式としては

 

アタックゼロは従来品(ウルトラアタックネオ)より洗浄力が高い!

 

と公言しているんですね。

 

 

例えば↓こちらの日経トレンディさんの記事でも

 

洗濯の常識を変える 花王「アタックZERO」のマーケ戦略

 

 

ウルトラアタックネオとの比較がされています。

 

 

公式ホームページでは従来品を「ウルトラアタックネオ」とは書いていないですが

 

実際に色んな発表会とかではアタックネオを名指しして比較実験をしているんですよ。

 

 

image

 

それで、実験結果では、ご覧の様に

 

従来品(アタックネオのことと思われる)とアタックゼロでは洗浄力が雲泥の差!

 

のように宣伝されています。

 

 

 

他にも洗剤の残りが全然違うとか、

 

imageimage

 

 

皮脂の臭い残りが違うとかいろいろやっています。

 

image

 

 

 

 

で、これだけを見ると「アタックゼロすげー!」と思うんですが、

 

 

 

 

ただこれまでアタックネオを頻繁に使用してた僕からするとですよ

 

 

この結果には大きな疑問を抱きます。

 

 

 

 

だって、そもそもウルトラアタックネオってめちゃくちゃ洗浄力が高いんですよ。

 

消臭力だってめちゃくちゃあるし、泡切れだってAESメインにしてればそんなに悪いなんてことは考えにくいんですよね。

(実際洗っててそんなに臭い残ってたことはないし、こんなに泡残ってたことはありません;)

 

 

 

また前回でも書いた様に、洗剤成分から考察するとそこまでの差が出るとは思えないのです。

 

 

 

なので、今回は

 

この公式のやっている実験は本当に信憑性があるのか?

 

ということを確かめるために

 

かずのすけも実際に実験をして検証をしてみました。

 

 

 

◎【アタックネオvsアタックゼロ】新旧洗浄力対決!実験のやりかた

 

 

 

実験のためにまず汚れモデルを2パターン用意しました。

 

image image

 

左が綿100%のタオル地に汚れを付けたもの、右がポリエステル100%の布きれに汚れを付けたものです。

 

 

綿の繊維とポリエステルの繊維では汚れの付きやすさが結構違っていまして、

 

ポリエステルは油性の繊維なので油分の吸着性が強いんですね。

 

だから親水性繊維の綿に比べて油汚れが落ちにくいのです。

 

実は今回のアタックゼロでは「ポリエステル(化繊)への油汚れがよく落ちる」という特性の製品になっているのだそうです。

 

 

それも実際に見てみたいので綿とポリエステルの両方で検証します。

 

ちなみに公式の実験では綿をサンプルにした実験はやっていないので、

 

綿製品を主体に着ている人にとってはこちらの方が重要だと思います。

 

 

 

汚れは、実生活でつきやすい食べ物汚れ皮脂汚れ油脂類をベースにした汚れなので

 

image

 

エクストラバージンオリーブオイル(下側の黄色い部分)と、

 

桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」(上側の赤い部分)を使いました。笑

 

 

主婦の皆様はよくご存じだと思いますが、、

 

この『ラー油』って、実はめちゃくちゃ落ちにくい汚れなんですよね…。

 

油そのものよりもトウガラシに含まれる赤色の色素(カロテノイド)が落ちにくいので

 

難溶性汚れとして利用出来るかなとチョイスしました。

(ちなみにカロテノイドは酸化すると色が消えるので紫外線(天日干し)や漂白剤で綺麗に落とせますよ!)

 

 

 

汚れ量は綿布が0.3mLずつポリエステル布が0.2mLずつ付けています。

 

 

 

そして洗浄液は各洗剤をマイクロピペットで5mLずつとり、

 

image

 

水道水(家庭で実際に使用するのは水道水なので精製水は使いません)を加えて100mLにします。

 

image

 

これで約20倍に薄めているのですが、

 

洗剤の適正量としてはいずれも水30Lに対して洗剤10gなので十分過ぎるほど濃い濃度になっています。

 

どっちも界面活性剤濃度は58%と56%とあまり変わらないため、同じ濃度で良いと思います。

 

 

 

洗浄試験はマグネティックスターラーを使って、約30秒間回します。

(回転力は1000RPMで固定)

 

image

 

マグネティックスターラーは↓こんな感じでビーカーの中に小さいマグネットが入っていて

 

磁石の力で攪拌してくれるポピュラーな実験用機具です。

 

花王さんの実験でも用いられています。

 

 

(ビーカーの中に↓小さいマグネットが入っていて、磁力で回転する仕組み)

image



というわけで、これで準備完了です!(^_^)ゞ

 

image





◎【アタックネオvsアタックゼロ】洗浄力対決!…『綿』の汚れ編


ではまず従来品の『アタックネオ』綿の布を洗ってみます。

 

 

終わったら↓こんな感じです。

 

 

この後しっかり洗剤が切れるまですすぎをしまして、軽く絞って脱水しました。

 

汚れ落ちの結果が↓こんな感じでした!

 

image

 

まぁご覧の通り、実験中から大体分かりましたが

 

オリーブ油の汚れはしっかり落ちているものの

 

ラー油汚れはやはりかなり残ってますね。



なんか花王さんの実験の「従来品」と似たような結果に落ちついている気もします。




では次に、肝心の『アタックゼロ』綿布汚れに対する洗浄力を実験してみます!

 

 

 

 


あれ……(苦笑)

 

image

これは洗浄後の写真ですが…(^_^;)

 

 

同じようにしっかり濯ぎをして、絞って脱水したものがこちら↓。。

 








……


え?



あんまり変わんなくないですか??





というより…。。。

 




僕の目にはウルトラアタックネオの方が多少よく落とせてるように見えます…(゚-゚;)





結論としては、

 

ウルトラアタックネオとアタックゼロ、

 

綿の油汚れに対してはどっちもあまり変わらない

(むしろアタックネオの方が若干落とせているように見える…)

という結果です。苦笑




◎『化繊(ポリエステル)』の汚れに対しては…!?



しかしね、

 

ほら、元々アタックゼロはポリエステルなどの化繊に対してよく落とせるような設計をしたという

 

公式の設定もありますからね。

 

綿への洗浄力はそんなに変わらないけど

 

ポリエステルへの汚れはアタックゼロの方が覿面に落とせるということかもしれません!\(^o^)/

 

 

だって↓これですよ?これ!!

 

image

 

「これが、アタックZEROのゼロ洗浄(キリッ)」


ですからね!

 

うん。



そんなまさかね。

 

まさか、、…そんなわけないじゃないですか…。

 




というわけで気を取り直してポリエステル布への汚れの実験をしてみましょう!\(^o^)/

 

 

同じようにまずアタックネオから洗ってみます。

 

(すいません、なんでか動画のデータが破損してたのか途中で音が消えてます;)


しっかり濯いで、脱水後がこちらです↓。

 

image

これもやはり、オリーブオイル側は結構落とせるものの、

 

ラー油汚れが落ち切りませんでした。

 

 

当社従来品はあんまり落とせませんもんね。

 

 

 

というわけで真打ち登場!

 

アタックゼロさんの真の実力をしかと拝見しましょう!!

 

 

それ!

 

 

 

ん…???

 

 

洗浄後↓とりだしたもの

image

 

…(^^)




これをしっかり濯いで、脱水したものがこちらです!

 

image








……







…………え、






あんまり変わんなくないですか????(二回目)





ていうか




これもアタックネオの方が若干落とせてません…?(^_^;)


元の汚れの形が元々違うので広さで比較するとあれなんですが、

 

薄さで比較してもウルトラアタックネオの方が落とせているように僕には見えます。

 

 

 

 

 

まぁかなり微妙な差ではあるので重要ではないと思いますが、

 

どちらにせよこの汚れモデルに関しては

 

ポリエステル汚れに対してもどっちもあまり変わらない

(むしろアタックネオの方が若干落とせているように見える…)


という結果になっています。




◎アタックゼロは本当に『ゼロ洗浄』なのか?



というわけで実際に洗ってみたんですが、

 

やはり僕の成分的な予想通りで洗浄力にそんなに大きな差は見られませんでした。

 

むしろ今回使った汚れに対してはネオの方が若干上なんじゃないかと思えるような結果です。

 

 

 

しかもね、これ動画では分からないですし、

 

「臭いセンサー」はさすがに持っていないのでお見せ出来ないんですけど

 

実は臭いの残り方が、アタックゼロは半端ないです(笑)

めっちゃラー油の臭い残ってるよ!?!?\(;;^o^)/

 

 

なんなら試験して三日目ですけどまだ臭ってます。。

 

 

 

そんで実はネオは全然臭ってないんですよ。

 

 

これは洗浄後から全然違いました。

 

洗浄直後は多少残ってましたが、今はほぼ感じません。

 

 

なので、

 

ラー油の臭いに関してはネオの方が臭わない。間違い無く。

 

みんな同じ実験やってみれば分かります。絶対!!

 

 

 

 

まぁ公式は「皮脂の臭い」みたいなことを言っているので、

 

その辺は分かりませんよ。皮脂の臭いはめっちゃ落とすのかもしれません。

 

ラー油は全然落としてくんないけど。笑

 

 

 

 

あと、

 

 

実はこの洗浄力試験なんですけど

 

僕はやる前からこの結果が出ることがなんとなく分かっていたんです。

 

 

 

大きな理由がありまして、

 

実はアタックネオって「弱アルカリ性」の洗剤なんですよね。

 

image

 

 

それに対してアタックゼロは「中性」の洗剤なんですよ。

 

image




前回の結論でいう成分的な差がほとんど無いならば、

 

pHがアルカリ性に偏っている方が、当然洗浄力は高くなるんです。

(もっと薄くすると、ほとんど同じにより近づくと思いますが)

 

 

同じ成分で中性対弱アルカリやれば当たり前に弱アルカリ側が洗浄力上がるし、消臭力も上がるはず。

 

 

だから実験やる前から分かる結果ですこれ。




つまり、この時点でいくつかの汚れに対してはネオよりゼロの方が落とせてないし、消臭力も低い。

アタック史上最高の洗浄力も消臭力もこの時点で嘘になりますよね。

 

 

 

はっきり言うと、

 

『ゼロ洗浄』はどう考えても言い過ぎです。

 

これまで通り、

 

多少の汚れは残るし、臭いも残るし、洗剤も残っていると思います。

 

 

 

 

 

そもそも洗剤というのは、

 

全ての基質、全ての汚れに対して洗浄力を最大にするということは出来ません。

 

 

どこかの性能を強めると、どこかの性能が弱まるんです。

 

これをどのようなバランスに収めるのかが重要なのであって全部求めることは出来ないんです。

 

もしかしたらゼロの方がネオより落とせる汚れがあるのかもしれません。

 

 

でも、

 

ウルトラアタックネオは洗浄力方面に関しては既にかなりのレベルに達していた洗剤なので、

 

家庭用洗剤としてこれを遙かに凌駕する洗剤を作るのは現状無理なんですよ。

 

 

公式が今回の実験で一体の何の汚れを使っていたのかははっきり言って不明ですが、

 

皮脂や食品等の普通の油汚れであればネオだってちゃんと落とせます。

 

どう考えてもあんなに残るはずがないです。

 

(この時点で実験のやり方等に様々な疑念が残ります)

 

 

 

 

製品としては、ゼロはネオと比べて大きく劣るわけではないですし

 

デザインもよくなったしワンハンドプッシュなどの機能性面も良いと思う。

 

 

でも、この公式がやって見せている比較実験は

 

これまでの従来品をあまりに必要以上に貶めすぎてはいませんか?

 

 

十分良い商品だったんですよ。ウルトラアタックネオは。

 

その恩恵を受けていた人は沢山いたし、

 

愛して使っていた人も沢山いたはずで。

 

 

 

あとこれは商品を作っているからこそ思うんですが、

 

自分でプロダクトを作るとその商品のことを自分の子どものように感じるんですよね。

 

なぜアタックネオは生みの親にこんなに貶されなきゃならないんだろう。

 

それが本当にもどかしすぎて…。。

 

 

僕は洗剤オタクなので、なんだかこの宣伝の仕方は凄く気に入らなかったな…。

 

 

という、非常にもやっとしたものが残りましたね今回は。





まぁ最後オタク心が爆発してしまいましたが(苦笑)、

 

今後アタックネオは廃盤になりますから、

 

似たような製品としてはどんな事情があろうとアタックゼロを使わざるをえないわけで(^_^;)

 

 

なんだかこんな思いを抱えながら使って行かなきゃならないというのは非常に気持ちが乗らないんですが、

 

まぁ製品としてはこれまでとあまり変わらないので…、、

 

ウルトラアタックネオで満足していた方は普通に問題無くご利用頂けると思います!(多分。苦笑)



うん!

 

というわけで今日は以上です。笑



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