白く健康な「歯」を維持するために…『歯磨き粉』の化学成分と正しい選び方(その②) | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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今日は歯磨き粉の選び方、第二弾の記事になります!!

 

前回記事はこちらからお読み頂けます(^_^)ゞ

 

白く健康な「歯」を維持するために…『歯磨き粉』の化学成分と正しい選び方(その①)



前回では用途に合わせて歯磨き剤を選ぶべし、というお話と、

 

発泡剤や研磨剤の見方についてお話していました。

 

 

今回は告知した通り、

 

その他の歯磨き剤の選び方で重要な

 

『有効成分』のお話を中心にしていきたいと思います!

 




◎歯磨き剤の正しい選び方その③…『有効成分』の種類と効果を把握しよう!


前回の記事の冒頭で、

 

現在市販されている歯磨き剤のほとんどは『医薬部外品』

 

というお話をしていたと思います。

 



医薬部外品とは、普通の化粧品とは異なり

 

『有効成分(薬用成分)』というものが配合されており、

 

その歯磨き剤が持っている効果はこの有効成分の種類によって決まっている

 

ということを知っておくと便利です。

 

 

 

例えば前回記事で紹介した商品の有効成分を見てみると、

 

 

ガムには「薬用成分」という部分に

 

・フッ化ナトリウム(フッ素)

・塩化セチルピリジニウム(殺菌剤PCP)

・グリチルリチン酸2K(抗炎症剤GK2)

 

などの成分が記載されています。

 

 

つまりガムの持っている作用は「フッ素の効果(これは後に詳述)」と「殺菌作用」と「抗炎症作用」との三種類ということになります。

 

こんな感じで効果の名前をざっくりと書いてくれていると分かりやすいですよね。

 

 

ただ一般にはこうではなくて、

 

 

オーラ2のプレミアムステインクリアはこんな感じで、薬用成分として

 

・PEG-8

・モノフルオロリン酸ナトリウム(フッ素)

・酢酸トコフェロール(ビタミンE)

・イソプロピルメチルフェノール(IMP)

 

と記載があるものの、効果がどういうものかは書いてありません。

 

市場にはどちらかというとこっちのタイプの方が多いと思います。

 

 

歯磨き剤の成分表示ルールとしては効果を書く必要は別にありません。

 

 

ただ消費者としてどんな成分なのか軽く書いておいてくれると嬉しいですよねf(^^;)

 

 

 

…そういうわけで、この有効成分の名前と効果を一覧にしたものを作りまして、

 

 

これも「秒でわかる!最強の家事」に載せてあります。

 

 

 

「PEG-8」は溶剤の一種で、歯に付着したヤニ汚れやステイン汚れを除去する成分になります。

 

つまり洗浄力を高める成分ですね。

 



「酢酸トコフェロール」は上の画像にはなぜか書かれていないのですが、

(本当は僕が作った資料には載せているのですが、多分スペースの都合で削られてしまった可能性が…;;)

 

よく知られた血行促進作用の成分で、歯周病予防の効果があります。

似た作用の成分としては「ニコチン酸トコフェロール(VEN)」もあります。



「イソプロピルメチルフェノール」はこれも有名な殺菌剤ですね。

口内の菌の繁殖を抑制・殺菌することで歯周病を予防します。

 

 

 

 

と言うふうに、それぞれの歯磨き剤には特殊な効果を持った「有効成分(薬用成分)」が配合されているので、

 

この成分の種類と効果をある程度把握しておくと便利です!

(上の表を参考にしてもOK!)

 

 

 

◎「知覚過敏予防」の成分は使用に注意!?

 

 

ここでちょっとした捕捉事項なのですが、

 

虫歯予防の成分は後述するので飛ばしまして

 

いくつか留意事項のある成分があるのでその点について捕捉しておきます。

 

 

まず僕的にはあまりオススメとは思っていない有効成分があるんです。

 

 

代表的なものとしては

 

『知覚過敏予防』の二つの成分。

 

・硝酸カリウム

・乳酸アルミニウム

 

なんですけど…。

 

 

後者は比較的マシかな?とは思うものの、

 

実は前者は「麻酔剤」として用いられている成分なんですよ。

 

 

 

ちなみにこの成分が用いられている有名な製品というと例えば

 

『シュミテクト』

 

などがあります。

(他にもいくつかあります)

 

 

麻酔剤ということはつまり「刺激を感じにくくしている」に過ぎないわけで、

 

実際には痛みは起こっているし、知覚過敏が治るわけでもなりにくくなるわけでもないんですよ。

 

一応「知覚過敏予防」という効果にはなっていますが、

 

ぶっちゃけこれは予防というよりは「対症療法」で、

 

痛みは出てるけどそれを有効成分の効果で誤魔化しているだけです。。

 

 

 

「知覚過敏」は虫歯とか歯の欠損とかで歯の神経の近くまで損傷を受けると、様々な衝撃や温度変化などで痛みを感じてしまう症状なわけですが、

 

この治療中などに一時的にこういった製品を使って、

 

徐々に治療して知覚過敏が起こりにくい状態にしていくという条件であれば

 

問題なく利用できると思います。

 

 

しかし、

 

単純に知覚過敏が痛いからと言って、歯科医院にかかることなく

 

こういった麻酔剤で痛みを誤魔化し続けるようなことになると

 

痛みが感じにくくなるため気付かぬうちに虫歯が深刻化してしまう懸念もあります。

 

 

 

今ではこの知覚過敏予防の成分は誰でも気楽に市販品を購入できるようになっていますが、

 

本来は歯科医師の監督ありきで使うべき成分なのではないか?と僕は感じています。

 

 

 

ちなみに理由はよく分かりませんが、僕はこの成分が入っている歯磨き剤を使用すると、

 

舌がビリビリと痺れてしまって全く使い物になりません…(苦笑)

 

粘膜が弱い人は使えないかもです。

 

 

 

◎「止血剤」や「殺菌剤」も留意事項あり!

 

 

 

あと「ε-アミノカプロン酸」「トラネキサム酸」は歯周病予防成分の一種なのですが、

 

これは『止血剤』なので、

 

血栓などが出来やすい体質の方は注意が必要だと思います。

 

 

 

 

 

あと『殺菌剤』もちょっとだけ注意して欲しくて、

 

あまりに殺菌剤が多く入っているものは粘膜刺激も懸念されます。

 

 

特に「塩化ベンザルコニウム」かなり毒性の強い殺菌剤なので、

 

極力口に入れるのは避けたいところ…。

(幸い最近の歯磨き剤の有効成分ではあまり見ませんが。。)

 

 

 

それと殺菌剤は特定のものを長く使っているのであれば、

 

歯磨き剤を変更する際には同じ成分が入っているものを探した方が良いです。

 

 

例えばガムは「塩化セチルピリジニウム」しか入っていないのですが、

 

別の歯磨き剤に変更するときに「イソプロピルメチルフェノール」のものに変える

 

一時的に口内環境が乱れる可能性があります。

 

 

殺菌剤はそれぞれ殺菌できる菌類に得意不得意があるため、

 

別の種類に変えると菌の生育環境が色々変化してしまうのです。

 

 

また一般的に殺菌力は

 

塩化ベンザルコニウム>塩化セチルピリジニウム>>イソプロピルメチルフェノール

 

なのでこの殺菌力の差が著しく開いてしまっても口内環境の悪化が起こりえます。

 

 

 

なのでできるだけ似た成分のものを継続的に使用した方が無難と言えるでしょう。

 

(かずのすけは現在は塩化セチルピリジニウム入りのものを普段使いするようにしてます。)

 

 

 

◎「虫歯を予防」する有効成分…【フッ素】の効果と実際の毒性について

 

 

そして、歯磨き剤の有効成分を語る上で外せないのが【フッ素】と呼ばれる成分についてです。

 

 

↑こんな感じで、現在では「フッ素配合」ということをわざわざアピールするくらい歯科衛生業界では重要な成分と考えられている成分です。

 

 

この成分は何をしてくれているのかというと、

 

【虫歯を予防する】という効果が認められている希少な成分です。

 

 

近年まではこの「虫歯を予防する」という作用はフッ素にのみ認められていた効果で、

 

実際にフッ素が市場投入されてから市民の虫歯罹患率が著しく低下したというデータがあるため

 

非常に強力な虫歯予防成分ということで様々な歯磨き剤に広く利用されています。

 

 

 

ちなみに「フッ素」とは言いますが、

 

実際にはフッ素そのものが入っているわけではありません。

 

 

フッ素という成分自体はとても強力な毒ガスで、歯磨き粉なんかに入れて良いはずがありません(^_^;)

 

 

歯磨き剤に入っているフッ素は

 

・フッ化ナトリウム

・モノフルオロリン酸ナトリウム

・フッ化スズ

 

という三つのフッ素系成分のいずれかで、

 

どれも類似の作用を持ちます。

(すべて「フッ素」と同じ略称で呼ばれます)

 

 

 

食べ物とかを食べると口内の菌が食べ物を分解して酸性物質を作ります。

 

この酸性物質が歯の表面のエナメル質(主成分はリン酸カルシウムなど)を溶かしてしまいます。

 

これが「虫歯(う蝕)」と呼ばれるもので、

 

簡単に言うと人の歯は酸で溶けます。

 

上記の「フッ素」は、この溶けたエナメル質を補強して、酸に溶けにくくし、エナメル質の再石灰化を促進することができます。

 

 

 

 

この様な作用から非常に有用な成分と言えます。

 

 

 

 

ただ、実は「フッ素」はあまり身体に良い成分とは言えないという弱点があります。

 

 

実際にフッ素系成分の毒性値を調べてみると↓こんな感じになっていまして

 

 

経口毒性は300mg/Kgを下回ると一応毒物ということになりますし、

(数値上は全部毒物扱い。苦笑)

 

実際に「中毒基準値」というものが決められていて、

 

フッ素重量換算で各成分とも5~10mg/kgを一度に摂取してしまうと中毒を起こす懸念があるとされています。

 

 

 

なので、「フッ素は毒性が強いから危険!」というようなことを言う人もかなり多いです。

 

 

 

まぁ、実際にそういう懸念のある成分であることは間違いではありません。

 

 

 

 

 

ただし、

 

例えば成人の場合どのくらい摂取したら実際に毒性が生じるのか?というのを計算してみると

 

中毒基準は5~10mg/kgなので、

 

50kgの成人の場合250mg~500mgを一度に摂取すると中毒が起こる計算です。

 

 

例えば現在のフッ素の平均配合量である1000ppm(0.1%)を指標にして、

 

チューブ一本100gとすると、

 

チューブ一本に含まれるフッ素の量は100g×0.001(0.1%)で、およそ100mgです。

 

 

つまり、単純計算だと

 

一度に歯磨き粉のチューブを2.5~5本丸呑みすれば

 

中毒になるかもしれない!ということになるわけです(^_^;)

 

 

 

まぁ普通に使ってたらそんなこと起こるはずはないですよね…(苦笑)

 

 

 

なので、フッ素自体が中毒基準値が設定されている有毒物質であることは間違いでは無いものの、

 

その毒性は通常の利用法であればまず発現することはない、と断言できるくらいの微々たるものなのです。

 

 

だから僕的にはフッ素の毒性についてはそんなに気にしなくても良く、

 

虫歯を予防するためには非常に有用な成分だと考えています。

 

 

 

 

◎毒性のない虫歯予防成分…【薬用ハイドロキシアパタイト】について

 

 

しかし、実際利用上では大した毒性がないとはいえ、

 

確かに粘膜が弱い人とか小さいお子さんの場合はやはり気になってしまう気持ちも分かります。

 

 

そこで、そんな方に朗報なのが

 

現在では「毒性が全くない虫歯予防成分」が開発され、既に実用化されています。

 

 

 

それが何かというと、

 

【薬用ハイドロキシアパタイト】

 

と呼ばれる成分です。

 

 

薬用ハイドロキシアパタイトは何かというと歯の表面の【エナメル質】の主成分そのものなんです。

 

 

なのでこの成分を歯磨剤に配合することで、

 

歯そのものと合体して歯表面の微小欠損を充填したり、再石灰化を促進する作用があります。

 

 

さらに、薬用ハイドロキシアパタイトは全く無毒性というデータがあります。

 

 

現在では虫歯予防成分は従来の「フッ素」か、この「薬用ハイドロキシアパタイト」かの二択で、

 

フッ素の毒性がちょっとでも気になる!と言う方は

 

この薬用ハイドロキシアパタイトを選ぶと安心でかつ虫歯予防も可能です。

 

 

 

ちなみに薬用ハイドロキシアパタイトを市販ではじめて実用化したのが、

 

image

 

この【アパガード】シリーズです。

 

 

薬用ハイドロキシアパタイトの作用についてもこんな感じで説明してくれています。

 

image

 

これは実際に厚労省より効果が承認されていますので、信用してOKです!

 

 

 

それで、これまでよく調べずに「薬用ハイドロキシアパタイトと言えばこれ!」と思って、

 

こちらのアパガードプレミオを使っていました。

 

 

ただ、アパガードプレミオは発泡成分が「ラウリル硫酸ナトリウム」なんですよね(>_<;)

 

(薬用成分に「薬用ハイドロキシアパタイト」もあります!)

 

これがかなり苦手で、、あまり使用頻度が高くなかったんですよね。。。

 

 

 

 

しかし、先日Ayakoさんのお宅でランチ会をした時に同席していた石田さんに色々話を聞いていて、

(石田さん、デンタルケアについてめちゃくちゃ詳しいんです…!!笑)

 

こちらの「アパガード リナメル」を教えて貰ったんです!!

 

 

 

 

有効成分も発泡剤も超理想的な歯磨き剤がここにありました…!!!\(ToT;)/笑

 

image

 

発泡剤は「ラウロイルグルタミン酸Na」というアミノ酸系界面活性剤で、とてもマイルドな成分です。

 

研磨剤に硬すぎる成分は入っていないです。

 

有効成分は「薬用ハイドロキシアパタイト」配合で、

 

殺菌剤もそんなに入っていないしガムと同じ塩化セチルピリジニウムだし、

 

注意が必要な特殊な有効成分もありません!!

 

 

す…素晴らしい…。。。

 

最近はもっぱらこっち(リナメル)を利用しているので、

 

プレミオさんはスタメン漏れしてしまいました。ごめんなさい…;;笑

 

 

 

ただ使ってみた感じ、やはり泡立ちはあまり良くないですので、

 

そういうものだと思ってじっくりブラッシングしましょう(^^)ゞ

 

 

 

◎薬用ハイドロキシアパタイトは「強研磨後のアフターケア」にもオススメ!

 

 

あとこれも重要な話なのですが

 

前回のお話で出てきた「アルミナ」などが入っている強研磨の歯磨剤のアフターケアに、

 

この薬用ハイドロキシアパタイトを使うのがとてもオススメです!!

 

 

 

というのも、

 

強研磨剤で歯の表面を磨くと、確かに汚れは落ちるのですが

 

やはりエナメル質をかなり削ってしまいます。

 

エナメル質が削られると歯が脆くなるだけでなくその部分がより汚れやすくなってしまうため

 

研磨して綺麗にしたは良いもののまたすぐに汚れてしまうという悪循環に陥ります。

 

 

 

この悪循環を避けるために、

 

表面を強く研磨したらその後エナメル質を補充する=薬用ハイドロキシアパタイト入りの歯磨剤を使用することで

 

歯の表面の汚れの付着をある程度予防することが可能になります。

 

 

 

僕は普段からフッ素も使いたい派なのでガムを使うことが多いのですが、

 

強研磨した後には必ずアパガードで補強をするようにしています。

 

 

また、ぶっちゃけ虫歯予防にはフッ素と薬用ハイドロキシアパタイトの併用が1番効果的だと僕は思っているので、

 

ガムで磨いた後にトリートメント的にリナメルを塗布するような感じで使うことも多いです。

(実際にはメカニズム的には使う順序は逆の方が良いかもしれません!)

 

 

 

◎成分を参考に自分に合った歯磨き粉を探そう!

 

 

というわけでその①に引き続き

 

今回は「有効成分」に着目して解説してみました!

 

ちょっと難しい内容も含みましたが、

 

皆さんの歯磨き剤選びの参考になれば幸いです(*^-^*)ゞ

 

 



 

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