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最近は『リキッドタイプ』に限りファンデーションの成分解析も受け付けるようにしています。
というのもリキッドタイプのファンデーションは成分の構成の仕方が「日焼け止め」や「下地クリーム」のそれとほとんど同じだからです。
違いがあるとすると、濃い肌色の顔料が入っているかどうかということですよね。
ただこういう顔料って実は凄く少量でかなり濃い発色になるので
皮膚刺激とか単純な使用感を左右する成分のベースにはあまり関係してこないのです。
(実際ファンデーションの顔料は成分表示ではいつもほぼ最後尾に書かれています。)
なのでリキッドファンデーションの成分評価は
下地などと似たようなロジックで刺激性と簡単な使用感については解析可能ということになります。
まぁメイク用品として1番大切な「発色の仕方」とか「光沢感」とかそういうところまでは中々判断しにくいのですが…。
なんといっても成分の名前だけでは粉体の粒径や形までは分かりませんからね(^_^;)
『とにかくメイク用品もお肌に負担の少ないものを選びたい』
という場合には参考になるかと思います。
ということで、
ファンデーションについてはかずのすけ自身まだまだ勉強不足なところもあるのですが
今日はそのような観点で見る場合の、
「敏感肌向けのファンデーションを選ぶコツ」
についてお話してみたいと思います。
◎「パウダー」と「リキッド」ならばどっちが敏感肌向けか?
これは、おそらくですがやはり『パウダー』の方が敏感肌に向いていると思います。
理由は以前
の記事でも触れているのですが、
化粧品成分の皮膚刺激を考慮する上でとても重要な要素として
「成分と皮膚との接触面積の広さ」
というものがあります。
簡単にいえば、
皮膚と触れる面積が大きいものほど皮膚の状態に干渉しやすいため、
皮膚との接触表面積が広くなる『リキッド』タイプのファンデーションは『パウダー』のタイプより皮膚への負担が生じやすい
と考えることができます。
これはとてもミクロな話ですのでイマイチイメージが湧きにくいかもしれませんが、
パウダーは大抵球状の形をしているので
皮膚と付着するとパウダー同士の隙間は皮膚と触れ合わず接触表面積が減るのです。
しかしリキッドは液体のベース剤が入っているため、
その液体が皮膚表面にベッタリ密着してしまい、接触表面積が大きくなります。
リキッドのベース剤に皮膚刺激になる成分が入っていれば、その分負担も増えます。
結果として、
例えば似たような皮膚刺激成分が入っているパウダーとリキッドであれば、
皮膚に触れる表面積が広い方、
つまりリキッドタイプの方が肌への負担が大きくなるだろうことが予想できるわけですね。
なのでご自分が敏感肌であることを自覚している場合は、
リキッドとパウダーならばリキッドは避けた方が良いと言えます。
逆にパウダーに関しては敏感肌の方でも比較的楽観的にアイテムを選べると思います。
…とは言え基本的には下地を挟んで塗るのがファンデーションですから
低刺激の下地を使用すればその分皮膚への負担は抑えることが可能です。
◎低刺激のリキッドファンデを選ぶコツは?
それでも「パウダー系よりリキッド系の方が好きだ」という方も居られるでしょうし、
メイクの仕方によってはパウダーのみではダメだという場合もあるかもしれません。
(そのへんはかずのすけはよくわからないのですが;)
その場合、リキッドファンデを選ぶコツはやはり日焼け止めや下地の選び方と同じポイントで選びます。
具体的には、
▶ベース剤(成分表上位のメインの構成成分)に皮膚刺激のある成分が入っているものは避ける
例えば、「エタノール」や「DPG」、「PG」「ペンチレングリコール」「ヘキサンジオール」などの保湿成分は高濃度配合になると敏感肌には皮膚刺激があります。
特に多いのは『エタノール』なので、まず成分を見て上位に入っていないかを確認しましょう。
ちなみに「アルコールフリー」と書いているものはエタノールを配合していないという証です。
対してメインの保湿成分に「BG」や「グリセリン」を配合しているものは
敏感肌への負担を配慮しているものと言えます。
皮膚刺激が生じにくい成分ですので、積極的に探しましょう。
▶「紫外線吸収剤」フリーのアイテムを選ぶ
これも下地や日焼け止めと同じで、
出来れば敏感肌の方は「紫外線吸収剤フリー」とあるものを選んだ方がいいです。
紫外線吸収剤は紫外線吸収の際に周囲に熱エネルギーを発するので、
それによって皮膚の水分が蒸発して乾燥を誘発したり、皮膚刺激が生じたりします。
普段使いのメイクの場合別にそこまで高い紫外線防止効果は必要無いので
敏感肌の方は散乱剤オンリーのものを選ぶのが懸命です。
▶メインの油分はシリコーンやエステル油など、安定性の高いものを使っているものを選ぶ
ファンデーションは皮膚の1番外側に塗るものですから、
紫外線や空気中の活性酸素種などに最も晒されやすいと言えます。
なので特に安定性の低い油分を主成分にしたものは、
酸化などの影響を受けて皮膚に刺激になる物質を生成してしまう可能性があります。
たとえば美容オイルとして有名な『油脂』などは、
基礎化粧品やクレンジングなどに利用すると良い成分ですが
酸化安定性が低いものがあるためメイクの基剤としては不的確です。
対して安定性の高い油分と言うと、1番ポピュラーなのは「シリコーンオイル」です。
これは紫外線や活性酸素などの影響ではまず変質することがありません。
非常に安定性が高く、またパウダーなどの分散媒としても優秀です。
ちなみに成分名の頭に「シクロ」という単語が付いているものは『環状シリコーン』と呼ばれる種類のもので、
時間経過で油分が蒸発していく性質を持つため、皮膜が蓄積しにくいオイルとして知られています。
いわゆる「ノンコメドジェニック処方」という、コメド(毛穴詰まり)ができにくいものの多くはこの成分が使われています。
サラサラ系でベタつきの少ないリキッド&蓄積しにくいものを希望される場合は是非探してみてください。
あと有名なのは「合成エステル」も油分としては非常に安定性が高いです。
どれもシリコーンよりベタつきにくくサラサラ系のものが多いですね。
環状シリコーンと組み合わせて軽い質感のベースを作るときに使われてます。
これもオススメですよ。
▶「精油」・「香料」・「タール色素」などアレルギーになりやすいものも避ける
まぁ香料については難しいですが、
天然植物性香料の『精油』などはやはり避けたい成分です。
これも物によっては紫外線などと反応して肌に有害な物質を作る場合がありますし、
精油は量が増えると皮膚刺激が大きくなります。
一種類程度なら良しとしますが、複数種類入っているものは要注意です。
オーガニック系とかによくあるので気をつけましょう。
あと『タール色素』という色素も注意が必要です。
これは成分そのものに刺激があるわけではありませんが、
皮膚の表面のタンパク質に吸着してアレルギーの原因となる場合があります。
ただ体質によって色素が合ってたり合ってなかったりするので、
使ってみて問題無ければ継続利用可能です。
成分表には「赤色○号」「青色○号」みたいな感じで書いてありますので、
例えば合わなかった口紅等はその色番を覚えておくと今後合わないものを避けられます。
あとこれは稀な話ですが、
白色顔料や紫外線散乱剤として利用される「酸化亜鉛」という成分が金属アレルギーの方には合わないことがあるようです。
酸化亜鉛は本来は安定な成分なのですが、
大量に汗をかいたときなどに稀に起こるそうなので心当たりのある方は注意してください。
▶できるだけ皮膜が残りにくくクレンジングしやすいものを選ぶ
リキッドファンでは物によってはかなり強力な皮膜を形成するタイプもあります。
強い皮膜形成をするメイク剤は強いクレンジングが必須になるため
長い目で見ると皮膚への負担が嵩む原因となります。
理想的には敏感肌の方は落としやすいファンデーションを選んで、
優しいクレンジングで簡単に落とせるようにした方が良いと言えます。
またこの辺の成分の選び方については以下記事を参考にしてください。
→クレンジングは必要? 日焼け止めの『落としやすさ』を見分けるコツ
そういう意味では「パウダー」は皮膜形成するベース剤が無いので、
総じてクレンジングしやすく肌への負担になりにくいということでもありますよね。
ということで、
まだまだファンデーション系には勉強不足な面も多いのですが
現時点でかずのすけの語れる範囲で敏感肌向けのアイテムの選び方について紹介しました。
ご覧の通りパウダー系の話がほとんど出来なかったのですが…、
今後もう少し薀蓄を増やして記事にまとめられたら良いなと思っています。
あと、重ねて言いますがこの選び方で判断出来るのは、
あくまで「肌への負担」という点が第一です。
実際の発色加減とか感触などについては評価しきれませんので
その点についてはよくよくご理解くださいませm(_ _)m
以上、皆様の商品選びの参考になれば幸いです!
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