高級コスメに「医薬部外品」が多い理由 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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これまでも散々

「高級コスメには高いお金を出してまで買う価値なんて無い」

というお話をしてきましたよね。


先日も

高級コスメにお金をかけるくらいなら美味しいご飯を食べるべき

という記事を書きまして、かなりの人気を頂きました。

気づけばかずのすけの人気記事ランキングでごく最近の記事にも関わらずいきなり第三位に入り込んでいます^^;

なかなか凄いことです…笑

(一位も二位も2年近く前の記事ですからね^^;)



こちらの記事でも言っているように、

高級コスメの価格の殆どは宣伝広告費であり

コスメそのものには肌を外から明らかに美しく変えるような効果は無いのです。

化粧品はあくまで皮膚表面上を整える商品であって、

外から塗った化粧品成分が肌の一部になることはなく

そんなものにお金をかけるなら実際に肌の一部になっている食べ物にお金を使ったほうが断然お肌のためになるのです。



これは絶対に間違いありません。







しかし実際に高額化粧品を使用していて、

「やっぱり高いだけはある!」とか「やっぱりこれじゃないとダメ!」

というような感想を持ったことがある人も実際にいるのではないかと思います。



何かよくわからないけど、

その高級コスメを使っている時は本当にお肌の調子が良い…

そんなふうに感じてしまう化粧品も実際にあったという方も居られるのではないでしょうか…。




本稿のメインテーマはこのカラクリについてです。





◎高額化粧品のほとんどは「医薬部外品」



「化粧品」「医薬部外品」

の違いをみなさんはよくご存知でしょうか?


これは旧薬事法で↓のように区別されていました。

 

 




このように、

医薬部外品は化粧品と医薬品の中間に位置する商品で、

人体への生理的作用が確認されている「有効成分」を規定量配合していることを厚労省等から認められた商品のことです。


これによって『医薬部外品』に登録されたコスメは、

化粧品登録のコスメでは言えない「効果・効能」を宣伝しても良いことになっています。




たとえばただの『化粧品』では「ニキビを抑えます」という文言を箱やパッケージに書くことは出来ませんが、

ニキビを抑える成分を入れたことを認められた『医薬部外品』であれば、

パッケージや箱に「ニキビを抑えます!」と堂々と書く事ができるのです。


医薬部外品には医薬品のような有効成分が配合されているので、

実際に肌に影響を与える効能を有する場合が十分にあるということなのです。





そしてこれが意外と知られていないことですが、

高級コスメの多くはこの『医薬部外品』に登録されています。



そのため、その中には本当に効果を実感できるコスメがある、というのは間違いではないでしょう。





◎「医薬部外品だから高級」はウソ


しかしこういった話も聞きます。

「高級コスメが高いのは、医薬部外品に登録されているからだ」

という風に販売員さんに説明されることがある、と。


確かに医薬部外品は化粧品とくらべて効果を期待できる商品ですし、

医薬部外品に登録するのにはいくらかお金がかかるのは事実です。


ですから確かに、

「医薬部外品だから高い」

という説明には説得力があるようにも感じますね。



ですが実際には医薬部外品にしたからと言ってその価格がいきなり3倍や5倍にもなるなどということはありえません。

医薬部外品の商品はドラッグストアでも普通に売っていて、

例えば「薬用」と書いてある商品はすべて医薬部外品なのですが

薬用シャンプーだって価格は普通のシャンプーとそう変わりませんよね。


実際には化粧品を医薬部外品にしたと言っても価格に乗るのは数百円程度のもので、

万単位の価格がする理由には一切なりません。


もしちょっと効果がある商品が欲しいなら、

ドラッグストアで医薬部外品を探して購入すれば

「ちょっと効果を感じる化粧品」

を買うなんて1000円2000円あれば事足りる話なのです。


※ちなみに医薬部外品を探すときは、成分表示のトップに「有効成分○○」と書いてるものを探しましょう。



◎『成分を隠せる』というメリット


さらに効果効能を謳えるというメリット以外にも、

医薬部外品に登録すると「全成分表示をしなくてもいい」というメリットが発生します。


化粧品登録の商品は必ず全成分表示を載せるルールになっており、

さらに成分表は配合順に並べなければなりません。


しかし医薬部外品の場合はその必要が無く、

「有効成分」のみ記載すれば法律上はOKということになっているのです。



しかし通常のドラッグストアで販売しているような医薬部外品の場合は、

消費者に配慮するため全成分表示のルールに準拠している場合が基本です。


なので普通は医薬部外品でも成分順に並んでいるのですが…。


ですが高級コスメの場合はこれがほとんど成分順になっていないのです。



というのは、

高級コスメラインというのは各社の最も主力の商品です。

最も主力ということは、

その商品の成分内容が他社に知られると不利に働くことも多いわけですね。


さらに最近では僕みたいな成分オタクが増えてきており、

そういう人にも成分内容を簡単に読めなくすることで

『どういうものかわからない』

という高級コスメの神秘性を保持しているのです。



そのためコスメメーカーにとって医薬部外品に登録することは

いわば商品の情報を消費者やライバル会社に伝えないための「隠れ蓑」であり、


効果効能以外にもこの点でとても大きなメリットがあるといえます。




◎高級コスメを使い続けると他の化粧品が使えなくなるカラクリ


さらに医薬部外品のコスメは、

下手に使用すると医薬品のような「副作用」が出てしまうことがあります。


これは2013年の白斑化粧品にあった事件に見てもよくご存知だと思います。


しかし実はこの副作用を上手に利用すると、

消費者に「この化粧品じゃなきゃダメだ」と思いこませることも不可能ではありません。



そして実際に幾つかのコスメブランドではこの方法でリピーターを獲得しているケースもあると思います。




その方法とは、簡単にいえば

「ほぼすべての化粧品ラインを医薬部外品に揃え、かつ有効成分として殺菌成分や抗炎症成分を配合しておく」

というものです。



殺菌剤については

使い過ぎは禁物!「殺菌剤」の効能と注意点

でも扱っていますが、


殺菌作用の化粧品を使い続けると皮膚常在菌が滅菌されて肌の正常状態が崩れます。

その結果、肌の天然の殺菌機能が失われ、

殺菌剤配合の商品を使用しなければ肌の調子を保てなくなり

別の化粧品に移ると一気に肌荒れ…

という結果になってしまうこともあります。


これは非常に顕著な変化が現れるので、とても深刻ですが…




しかしこれが例えば「抗炎症成分」だった場合、

殺菌剤ほどの急激な変化は現れませんが


抗炎症成分の多くはグリチルレチン酸系の「擬似ステロイド剤」です。

この場合のステロイドというのは肌の健康を司る「副腎皮質ホルモン」を指す言葉で、

医薬品のステロイド外用薬は肌に塗布することで副腎皮質ホルモンと同様の効果を発揮して肌の炎症を強力に抑えることが出来ます。


しかし副作用としてその副腎皮質ホルモンの自主的な分泌を阻害してしまうため、

これも重度まで行くとステロイド薬無しでは肌の健康状態を維持できなくなってしまうわけですね。


このような副作用は、擬似成分のグリチルレチン酸系抗炎症成分にも

もし過度に使用すれば起こりえると言えます。


プラセンタエキス/グリチルリチン酸2Kの「ステロイド様作用」について


とは言え、

上の記事にもあるようにいかな医薬部外品といえど基本は化粧品ベースの商品
ですから

経皮吸収作用などはとても低く


1~2種類ならこういう成分の入った化粧品を常用したとしても

特に副作用が現れるということは考えにくいです。


しかし

洗顔・クレンジング・化粧水・乳液・クリーム・美容液、、

5個も6個も同じ抗炎症成分の医薬部外品を重ねたとしたら…


ステロイド的な副作用が出たとしてもなんらおかしくないわけです。



実際にいくつかの高級コスメではこういった化粧品が見られ、


使った側からすれば抗炎症剤の効果によって肌の調子が良くなるように感じますし、

さらにフルラインで使い続ければ、

副作用で他の化粧品に変えると肌が荒れるため「この商品じゃないと駄目だ」という錯覚を起こすのです。
(というか抗炎症剤を使わないから荒れる)


いわば「有効成分依存症」と言ってもいいかもしれませんね。


このカラクリを知らなければ、

こういった高級コスメはとっても肌に効く化粧品だと消費者は思い込みますし、

メーカー側からすればその効果でお客さんが他社に流れるのを防げるというわけですね。


ある意味win-winの関係といえばそうなのですが、

医薬部外品の高級コスメの多くは非常に高額ですし、

実は同じような効果のもの(同じ有効成分の商品など)をもっと安く購入するくらいは

成分知識をいくらか持てば十分可能なのです。



さらに知らず知らずのうちに有効成分依存症にさせられていたとしたら、

それはとても理不尽なお話だと思います。




とは言えこれは全く他人事ではなく、

化粧品の成分と医薬部外品とその有効成分のなんたるかをよく知らなければ、


誰しもが陥ってしまう可能性のある非常に身近な問題とも言えるでしょう。





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