ウォータープルーフマスカラのクレンジングについて | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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当ブログでオススメしているメイククレンジングは、

『コメヌカ油』『アルガンオイル』などの植物油脂をベースとしているものです。

さらに一般的な植物油脂よりもビタミンEなどの抗酸化性物質の含有が多く、

また皮脂の構成と近い「オレイン酸」という脂肪酸がメインとなっている油脂を推奨してます。



油脂系クレンジングの特徴は、

・オイルなのでウォーター系クレンジングよりメイクの溶解性に優れる。

・比較的湯で流しやすく残留しにくい。


・皮脂と類似の構成のため残留しても皮脂の変わりとして働く。
(必要以上の脱脂を行わない。)

などがあります。

植物油脂なのでなんとなくイメージが良いっていうのもありますけど(^_^;)


デメリットとしては

・原価価格がやや高い。

・残留した油脂が酸化する懸念がある。
(なので基本はW洗顔推奨です)

・強力すぎるメイクやマスカラには対応出来ない。

などがあります。



特に『ウォータープルーフのマスカラが落とせない』という情報は

かずのすけは当初想定していなかったものなのですが、

多くの読者様からご意見として頂いてました。


なるほど盲点だったなぁと思いながら伺っていたのですが、、

今日はこれについて少々考察してみたいと思います。





まずクレンジングオイルのメイク落としの機構は基本的に

『油に油を溶かす』

という作用によるものです。


界面活性剤はあくまで水で流せるようにするために配合されています。

「クレンジングオイル」と「界面活性剤」



油は油に溶けやすいよね。

ということで、メイクは油に溶けやすいのです。


ウォーター系のクレンジングはそれとは違って界面活性剤の乳化作用だけでメイクを落とそうとするので、

界面活性剤の配合量が増えますし思うほどの洗浄効果はありません。

そしてクリームタイプはちょうどオイル系とウォーター系の中間くらいになります。


オイルの一種である油脂であれば、

油分が基本であるメイクのクレンジング力はかなり高いということになります。


しかしウォータープルーフマスカラは、

『水に溶けにくい』、つまり基本は油性のはずなのに

油脂系クレンジングでは落としにくいというのです。


なんということでしょう…。





そこで少しウォータープルーフマスカラの成分を調べてみたところ、

ちょっと興味深いことが分かりました。


↓にいくつかウォータープルーフ系のマスカラの成分を載せました。



イソドデカン、トリメチルシロキシケイ酸、ジステアルジモニウムヘクトライト、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、炭酸プロピレン、水添ポリイソブテン、ナイロン-66、アルガニアスピノサ核油、ツバキ種子油、カニナバラ果実油、スクワラン、ローヤルゼリーエキス、PTFE、ジステアリン酸Al、イソステアリン酸グリセリル、ポリメチルシルセスキオキサン、(メタクリル酸ジエチルアミノエチル/HEMA/メタクリル酸パーフルオロヘキシルエチル)クロスポリマー、シリカ、タルク、酸化鉄、酸化チタン

イソドデカン、ポリエチレン、パルミチン酸デキストリン、加水分解コラーゲン、パンテノール、トコフェロール、BG、クオタニウム-18ベントナイト、トリメチルシリルプルラン、水、炭酸プロピレン、酸化鉄

水添ポリイソブテン、シクロペンタシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、ミツロウ、合成ワックス、パルミチン酸デキストリン、パラフィン、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、カルナウバロウ、キャンデリラロウエキス、ワセリン、ナイロン-66、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン、トコフェロール、フェノキシエタノール、酸化鉄、タルク、シリカ、酸化チタン

イソドデカン、ジメチコン、イソ酪酸酢酸スクロース、ジステアルジモニウムヘクトライト、トリメチルシロキシケイ酸、炭酸プロピレン、レシチン、(プラスマイナス)酸化鉄、酸化チタン


イソドデカンマイクロクリスタリンワックス(C8.9)イソパラフィン、ミツロウ、ジステアルジモニウムヘクトライト、カルナウバロウ、水、炭酸プロピレン、(ステアリン酸アリル/VA)コポリマー、レシチン、(エチレンジアミン/ダイマージリノール酸ステアリル)コポリマー、コメデンプン、ポリラウリン酸ビニル、ポリメタクリル酸Na、プロピルパラベン、PEG/PPG-17/18ジメチコン、水添ホホバ油、ポリクオタニウム-10、シリカ、バンテノール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、水溶性コラーゲン、ブチルパラベン、エチルパラベン、(+/-)酸化鉄、グンジョウ、酸化チタン、マイカ、酸化クロム、水酸化クロム、マンガンバイオレット、コンジョウ



メーカーなども含めかなりランダムで調べたのですが、

パッと見ただけでもかなりの共通点があることが分かります。


これによるとウォータープルーフマスカラの基本成分は以下の2種の成分のようです。

・炭化水素油
(イソドデカン・パラフィン・水添ポリイソブテン等)

・ワックスエステル
(マイクロクリスタリンワックス・ミツロウなど)


特にイソドデカンが非常に多いですね(^_^;)



実は『油』というものには色んな種類があります。

詳しく話すとその構造特性に由来しているのですが、

簡単に言えば油には

・構造特性がちょっと『水』に近いもの

・構造特性が『水』とは全く異なるもの

があります。


ちょうど↓の様に、

例えば「油脂」は比較的水寄りの油で、


「鉱油(炭化水素油)」は最も油っぽい油です。

 

 

画像→http://www.detergent.jp/kaisetsu2/02surfactant/0101wateroil.htmlより引用



(ちなみにこの画像には載ってませんが、エステルワックスもかなり油っぽい油になります。)




これらの点から考察すると、

つまりウォータープルーフマスカラは

特に油の性質を強く持ったオイルを主成分として作られているため、

比較的水と馴染み易い油脂などのオイルでは溶かしにくい


ということになりそうです。


オイルはオイルでも性質がかなり違っているということですね^^;




またマスカラとなると油状の状態ではなく固化した状態になるので、

これを溶かせるとしたら同じ鉱油系・エステル系のクレンジングオイルか、

専用のリムーバーが必要になります。

(ちなみに専用リムーバーは以下のような成分のものが多いです。確かに鉱油とエステルワックスが主成分となっていますね)

イソヘキサデカン,トリエチルヘキサノイン,ミネラルオイル,(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー,イソドデカン,BG,アルキル(C30-45)メチコン,オレフィン(C30-45),トコフェロール,スクワラン,ツバキ油,ローズヒップ油,オタネニンジン根エキス,ローヤルゼリーエキス,プロピルパラベン
→鉱油の一種
→エステルワックスの一種


単なるメイク剤のように薄い膜程度であれば油脂でもある程度落とせるのかもしれませんが、

固まったものとなるとさすがに落としにくいのでしょうね。



そもそも油脂は「皮脂」に多く含まれている成分なので、

油脂に溶けるマスカラだと汗などで取れてしまいますもんね…;

それじゃあいかに水に溶けなくても意味がありません(^_^;)



ただ鉱油系のクレンジングは脱脂作用などが非常に強いので、

やはり基本的にはあまりオススメ出来ないです。

こういうクレンジングだとお肌がとても乾燥してしまいます。



そういえば最近ではウォータープルーフでも

「水には溶けないけどお湯には溶ける」

というものも出てきているようで、

必ずしも鉱油系など強力なクレンジングを使わなくても

落とせるマスカラはあるみたいですね。
(ただ使い勝手がどうなのかは存じませんが…;)


肌の負担を考えると、

そういうクレンジングしやすいマスカラ・メイクの方がオススメしやすいように思います。




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