2012年7月1日、千載一遇のチャンスで敢行した大分県探索。これまでに記事にしているのは、大坪の沈下橋、大石峠隧道、育英橋、妙現宮の参道橋、小城隧道、元畑隧道、丸塚隧道、岳切隧道、九人ヶ塔隧道。
今宵ご紹介するのは、時系列では岳切隧道の前、通りすがりに見つけた物件。
国道387号を北上中に…
こんな景に出くわしたら、停まらざるを得ない。現在地コチラ。
めっちゃわかりやすい、新旧並列。ここはノーマークだったので、嬉しい驚きだった。
まずは、現道のトンネル。
扁額には「和田平トンネル」とあった。昭和後期~平成初期くらいのやつかな?
ありがたいことにちゃんと銘板があって、
「1986年3月」と。ビンゴだった。
しかしこの苔の付き方、なんかアーティスティックですな…。
続いて、この旧道のブツ。
路肩は欠損、ガードレールで封鎖と、すっかり廃オーラが充満している。
コンクリートポータルだが、洞内は素掘りのよう。
この幅員では離合は不可能。まあ時代の流れには逆らえなかった、ってことか。いつごろの隧道なんだろうな。
ところで、上の写真で隧道の「おでこ」にめっちゃ小さな扁額が付いているのがおわかりだろうか?
ズームしてみると、
やはり「和田平隧道」。
しかし、なんでこんなに小さい扁額にしたのか?このレベルだと、こことこの4ヶ月に見た木之實隧道くらいしか記憶にないかも。他あったかな?
素掘りの洞内は、
モルタルで補修されている。
ここだけ見ると、通行量極少の現役隧道みたいだが、反対側坑口に見えている「黒いわだかまり」が、強烈にそれを否定している。あれは…?
接近してみると、
崩落ではなく、土砂が放り込まれている状態のよう。廃化に伴い、通行止め措置の一環として行なわれたんだろう。
土砂の山の向こうは、
なんじゃあこりゃあ。
抜けた瞬間激藪なんてのはままあることだが、洞内からすでにこんなに繁茂するとか、これまた珍しい気がする。
わたくし、一応スラックスはいてんだけれども…(笑)。
なので、抜けた先の状態を見て
これ以上は無~理~!となったのだった。…まあ、過去記事をご覧になれば察していただけると思うが、もうだいぶ汚れてたけどな(笑)。
振り返って正対。
こっちにも、めっちゃ小さな扁額が付いてるな。
充分満足した。
帰ってから調べてみたら、この旧隧道はすでにTunnel Webさんが採り上げておられた(記事)。こんだけ目立つんだから当然ですな。そちらによると、1953年竣工、延長82.0m、幅員5.50mなのだとか。
ならばここ、旧々道もありそうですな…。
以上。