公会計の動向 -80ページ目

都知事の海外出張の透明性向上が図られる

 2月20日付け日本経済新聞朝刊39面の「都知事の海外出張、入札で契約、総額抑制(ピックアップ)」は、東京都が、都知事の海外出張に、競争による契約方式を導入すると19日に発表したと報じる。これまでの1社指定の契約方式から、複数の旅行会社に見積もりを出させ、最も安価な社に発注する方式に変えるとか。海外出張費の総額を抑制するのが狙いで、知事の出張概要と成果をインターネットのホームページ(HP)上で公開することも決めたとのこと。

最低制限価格を引き上げる動き

 2月21日付け日本経済新聞地方経済面3面に「実質公債費比率、「11年度16.7%に低下」――県知事、入札基準も見直し」の記事。

 記事は、村井仁・長野県知事が20日に始まった県議会代表質問で、18年度で20.1%と全国で最も高い県財政の実質公債費比率が「2011年度に16.7%に下がる」との見通しを明らかにし、また、県発注工事の一般競争入札で失格となる基準を引き上げて、建設業者の経営悪化に対応する方針も示したと報じる。昨年秋に就任した村井知事は、前県政で導入された一般競争入札制度について「公金を有効に活用できる」と今後も維持する考えだが、現行制度では入札で失格になる基準価格が予定価格の75―80%と低く、建設会社が仕事量を確保するために採算を度外視した低価格で落札するケースも増えていると記事は伝える。建設業者から改善を望む声が多く寄せられているため、県は失格基準価格を80―85%に上げ、これ以下の低価格で落札されるケースをなくすとか。競争性を維持しながら、極端な不採算工事が出る事態を防ぎ、建設会社に配慮する考えと記事は伝える。


 制度上はダンピングの弊害防止に低入札価格調査制度があるんだが……。

全市町村へ一般競争入札の導入を要請へ

 朝日は2月18日に「全市町村に一般入札 総務・国交省要請へ」を掲出。
 記事は、福島、和歌山、宮崎3県の知事が官製談合事件に絡んで逮捕されたことを受けて、地方自治体の入札制度改革を検討していた総務、国土交通両省が、すべての市町村に一般競争入札の導入を求める方針を固めたと報じる。談合などの違法行為をした企業に対する指名停止期間の上限の延長なども含めた談合防止策を近くまとめ、関連政省令の改正などにより、19年度からの実施を各自治体に促すと記事は伝える。自治体の入札改革は、経済財政諮問会議(議長・安倍首相)が昨年11月、自治体の談合防止策を急ぐよう求めたことを受けて、総務、国交両省と埼玉県など8自治体でつくる入札契約適正化連絡会議が1月から協議していたもので、19日の最終会合でまとめる報告書の素案によると、「すべての自治体で一般競争入札を導入する」とし、すでに導入済みの全都道府県と全政令指定都市のほかに、全市町村でも導入を求めることとしたとか。両省の調査では、昨年4月現在の市町村での一般競争入札の導入率は47%にとどまっているとのこと。入札参加業者をあらかじめ絞り込む指名競争入札は、「談合の温床」との批判もあり、縮小する方向性を打ち出し、一方、価格競争の激化による地場企業の経営悪化の懸念については、技術力なども加味して落札業者を決める「総合評価方式入札」の簡易版の導入を促すほか、「中小企業の受注機会に配慮する」と素案に明記したとか。談合などの違法行為をした企業に対する入札参加資格の停止期間も、上限を現行の2年から3年に延長するよう求めるとのこと。両省は、これらの対策の実行を促すため自治体に通知を出すほか、指名停止期間の上限延長などに対応するため、地方自治法の政省令を改正する方針と記事は伝える。

デクシアが日本上陸

 2月19日付け日経金融新聞1面に「世界最大手デクシア日本上陸、自治体向け融資「超長期」武器、地方債の受け皿に」〔橋本慎一〕の記事。

 記事は、地方自治体だけを顧客とする金融機関、仏ベルギー系のデクシア・クレディ・ローカル銀行が日本に上陸し、昨年12月から日本で営業を始めており、営業を始めてから2カ月で東京支店の投融資は2千億円になり、パリ本店からの7千億円を含めると日本市場への投融資残高は約1兆円に達したと報じる。地方債の引き受け手が民間に移りつつある中で、邦銀が手掛けない超長期融資を武器に2008年にはすべての都道府県・市と取引する方針で、1月末に都内で開かれたデクシア銀東京支店の開業記念式典には、全国から自治体や金融機関の幹部、公共金融担当者らが集まり、注目度の高さをうかがわせていたとか。デクシアは26カ国に拠点を持つ世界最大の公共金融専門の銀行で、1816年設立のフランス政府系の金融機関を前身とし、1987年に民営化後、ベルギー、ルクセンブルクの銀行と提携してデクシアグループとなっていて、グループの総資産は70兆円超とのこと。94年にはデリバティブ(金融派生商品)取引で多額の損失を出して破綻した米カリフォルニア州オレンジ郡の再建にかかわるなど、公共金融市場では米国で3割、欧州でも2割のシェアを持つとされ、邦銀を上回るダブルA格の信用力を背景に低利で資金を調達し、最大30年の超長期融資や財務アドバイザー業務に取り組んでいるとのこと。株主資本利益率(ROE)が20%超という高い収益力の源泉は、世界中の自治体の財政状況を独自に分析、格付けするノウハウで、貸し倒れの割合は0.1%程度と極めて低水準とか。すでに日本の自治体の財務も十分に分析しているとのこと。日本は税収だけで歳入を賄えない借金漬け財政のため、皮肉なことに世界最大の公共金融市場であり、赤字経営が多い第三セクターなど自治体の債務残高は2百兆円に上っており、それに加え、地方分権を促す小泉前政権の「三位一体改革」がデクシアの日本進出を促したとの由。郵政民営化や政府系金融機関改革で、国が自治体を支える役割は急速に縮んでおり、自治体の新規の資金調達(銀行借り入れや地方債の発行など)に占める民間資金の割合は18年度、6割を超えたとのこと。ロベール・ヴェルディエ支店長は「短期融資が中心の邦銀とは事業モデルが異なり、共存できる」と話しており、縮む財政投融資の代わりに超長期での借り入れができるようになれば、自治体も財政再建を進めやすいと見られるため、金融当局もデクシア進出を歓迎しているとか。デクシアは進出先で腰を据えた営業を実践するため、社内公用語は現地の言語となっており、東京支店も日本語で、ヴェルディエ氏はクレディ・リヨネ証券やBNPパリバ証券などで日本勤務が長く日本語も堪能とか。副支店長には旧自治省出身で、宮城県知事選に浅野史郎前知事の後継者として出馬した前葉泰幸氏を招いたとのこと。地方債のスプレッド(利回り格差)の拡大など、自治体の抱える債務の改革を市場が迫り始めたことも追い風で、本社のブリュノ・ドレトレ専務は「財務の助言のほか、長期融資を手掛けて信頼関係を築き、日本に根付いた銀行を目指す」と戦略を語っているとのこと。邦銀勢からは「世界でのこれまでの実績は日本での成功の必要条件であっても十分条件ではない」(大手銀)との指摘もあるが、この点はデクシアも認識しており、だからこそ過去十年は日本市場の研究こそすれ、参入は見送ってきたとか。日本の自治体財政は短期借り入れの繰り返しで悪化した面もあり、デクシアの超長期融資の手法が受け入れられれば、日本の金融機関は今まで何をしてきたのか、と問われるかもしれないと記事は評する。


 公営公庫は大丈夫かな。

国民年金の保険料をカード払いを認める方向

 2月18日付け日本経済新聞朝刊1面に「厚労省、来年初めメド、国民年金カード払いOK、政府公金で初、納付率改善狙う」の記事。

 記事は、厚生労働省が20年初めをめどにクレジットカードで国民年金の保険料を払えるようにする方針と報じる。カードで払えばポイントもためられ、若者を中心に低迷する納付率の向上に役立つとみており、今通常国会に提出する国民年金法改正案に盛り込むとのこと。政府の公金決済では初めての試みで、地方税や水道料金など公金決済のカード払いが今後広がる可能性があると記事は評する。17年度の国民年金保険料の納付率は67.1%で、対象の3分の1が払っておらず、18年度は74.5%を目標に掲げるが、18年12月末時点で前年より0.3ポイント低い64.2にとどまり、「目標達成は難しい」(社会保険庁)とのこと。
厚労省は納付率改善へ利便性の向上をめざし、16年2月にコンビニエンスストア、16年4月に携帯電話やパソコンを通じたインターネットでの納付を認めており、17年度の利用状況はコンビニが589万件、ネットが14万件デ、カード決済は納付手段を増やす第3弾となるとか。法案は3月中旬をめどに国会に出し、19年度内のサービス開始を明記するとのこと。審議日程はやや流動的なものの、6月の会期末までに成立すれば20年初にカード払いができるようになるとのこと。厚労省は集めた保険料の一部をカード会社への手数料支払いに充てるとか。19年度は広報、システム開発など準備費を含め一億二千万円の経費を見込むとのこと。カード決済だとカード会社がいったん保険料を立て替える。国からみれば納付者の口座の残高が足りなくても、回収リスクを負わずにすむとのこと。公金のカード払いはカード会社への手数料支払いという財政負担が障害で普及が進んでいなかったが、政府が18年3月につくった規制改革の3カ年計画では国税のカード決済の検討を打ち出したものの、国税庁は財政負担を理由に否定的で、自治体ではカード払いが始まったが、まだ神奈川県藤沢市の軽自動車税など一部にとどまっているとのこと。

裏金を横領して免職になった職員が裏金は公金ではないとして不服申し立て

 日経ネットが2月16日に掲出した「大阪府裏金、免職職員が不服申し立て」の記事は、大阪府の裏金問題で、前任者から引き継いだ裏金約100万円を横領したとして先月、懲戒免職となった南河内府税事務所の男性職員(60)が「処分が重すぎる」として今月9日、府人事委員会に不服申し立てを行ったと報じる。申立代理人の弁護士は「裏金は公金とは言えない。返す意志もあった」と主張しているとか。人事委は近く正式に受理し、審査を始めるとのこと。

長崎県裏金問題で初の逮捕者

 2月15日付け日本経済新聞大阪夕刊19面に「裏金、初の逮捕者、元課長補佐100万円詐取容疑、長崎県」の記事。

 記事は、長崎県の裏金問題にからみ、長崎県警が15日、公金約百万円をだまし取ったとして、同県政策企画課の元課長補佐(46)=昨年11月に懲戒免職=と、文具販売会社社員(39)の両容疑者を詐欺容疑で逮捕したと報じる。長崎の裏金問題で逮捕者が出たのは初めてとか。県警は同日、県庁の政策企画課や元課長補佐の自宅を捜索したとのこと。調べによると、2人は共謀して17年11月初旬ごろ、政策企画課で事務用品の購入の必要が生じたように装い、諫早土木事務所(諫早市)に購入を依頼した上でうその請求書を提出し、18年1―3月、諫早土木事務所などから、4回にわたって文具販売会社名義の預金口座に計約百万円を振り込ませた疑いとか。県は昨年12月、元課長補佐が捻出した裏金のうち約157万円を私的な飲食などに使っていたとして、背任容疑で告訴していたとの経緯がある。

政務調査費の領収書添付は47都道府県中10

 毎日は2月12日に「<政務調査費>全国183億円 「領収書いらず」が7割」〔まとめ・土屋渓、川口健史】〕を掲出。

 記事は、「第二の議員報酬」とされる地方議員の政務調査費が今年度、47都道府県と15政令指定都市で総額約183億円に上ることが毎日新聞の調査で分かったと報じる。このうち44自治体では現在、収支報告書に領収書添付が義務づけられておらず、約131億円が事実上ノーチェックで支出されているとか。総額は議員個人と所属会派に支給されている額を各議会事務局に聞き取り調査して算出したもので、「1人当たり支給年額」は、個人支給分に加え、会派に支給されたものを人数割りして加算したとのこと。議員1人当たりの年額で最高額は東京都と大阪市の720万円で、以下、大阪府708万円▽横浜市、名古屋市660万円▽京都市648万円▽北海道、神奈川県636万円――などとなっており、総額では定数127人の東京都が9億1440万円に上り、大阪府の7億9296万円が続き、北海道、神奈川県、愛知県、横浜市、大阪市が6億円台とか。政務調査費の支給制度は12年5月の地方自治法改正で制度化されたが、支給額の見直しを行ったのは長野県のみで、同県では財政難などを理由に条例を改正し、15年5月から減額を実施し、それまでの372万円を348万円にしたとか。収支報告への領収書の添付義務は、47都道府県中、10道府県にとどまっているが、政令市では15市中8市で義務づけており、都道府県に比べて進んでいることを示しているとか。ただ、これら18自治体の添付基準を見ると、すべての支出に添付というのが岩手県、宮城県、長野県、鳥取県、静岡市の5自治体で、残りは「5万円以上」などの条件を付けているとのこと。

多重債務者の過払い金を国保の未納に充当するモデル事業

 毎日は2月9日に「多重債務者:過払い金を国保料に 滞納減目指し 厚労省」〔磯崎由美〕を掲出。
 記事は、多重債務で国民健康保険(国保)の保険料を払えなくなった人を対象に、厚生労働省が19年度から弁護士会と連携して貸金業者から利息の過払い金を取り戻し、滞納分の支払いに充てる取り組みを始めると報じる。滞納で保険証を取り上げられたため診療をためらって死亡する人も出ており、多重債務者の救済とともに、国保滞納世帯を減らすのが目的で、初年度は全国10都道府県でのモデル事業を実施する方針とのこと。取り組みを要望していた日弁連によると、多重債務者の大半が生活に困窮して最初に支払いを滞らせるのは保険料や税金で、取り立ての厳しい貸金業者には最後まで返済を続けており、返済が長期にわたると、民事上払う必要のない過払い金が生じているケースが多いとか。モデル事業では、市町村の徴収担当者から通知を受けた滞納者に多重債務があると分かった場合、都道府県の国保連合会が任命した相談員を市町村に派遣して、無料で相談に応じ、過払い金があると判明すれば各地の弁護士会に連絡して、貸金業者からの返還手続きを進め、回収した過払い金は弁護士費用、滞納額を差し引き、本人に返還するとのこと。相談員には弁護士のほか司法書士や金融関係の専門家などを想定しているとか。同省によると、17年度の国保の加入世帯数2490万世帯のうち滞納は470万世帯で18.9%にのぼっていて、滞納額は3625億円に達しており、診療をあきらめ、病状が悪化したり死亡するケースも相次いでいて、島根県では2年前、高血圧の男性(67)が、くも膜下出血で亡くなり、この男性はその後約1500万円が過払いになっていたことが分かったとのこと。

40年国債が今秋に登場

 産経サイトは2月8日に「40年国債、秋にも発行 初回500億円程度計画 財務省」を掲出。
 記事は、財務省が、今年秋にも過去最長となる40年債を発行する方針を決めたと報じる。初回の発行額は500億円程度を計画しており、1~2年程度で発行残高が1兆円程度になるように継続発行していくとのこと。長期債の比率を増やせば、短期の借換債の発行回数を減らせるため、利払い費の変動を小さくでき、また、現在の低金利のうちに超長期債を発行しておけば、将来の利払い費の増加を緩やかにできる効果も見込めると判断したと記事は伝える。40年債の具体的な発行頻度や1回あたりの発行額は、買い手となる金融機関に対する調査を実施して決定するが、財務省では、売買が活発に行われて投資家を引きつけるには、1兆円以上の市場規模が必要とみており、段階的に発行額を増やす方針とのこと。平成19年度には借換債も含めて143兆円の国債発行が計画されており、このうち、個人向けなどを除く市中発行額109兆円の一部を40年債とし、利率は30年債よりやや高い2・5~3%程度になる見通しとか。40年債のような超長期債をめぐっては、欧州の会計基準で将来支払うべき負債と現在保有している資産の償還期間をできるだけそろえるよう指導されており、需要は高まりつつあるとの由。財務省は、2カ月に1回発行していた20年債について、15年10月から毎月発行に変更し、1回ごとの発行額も段階的に引き上げており、18年度は8000億円にまで増やしており、また、年4回発行している30年債は1回あたりの発行額を18年度から1000億円増やし、6000億円としており、この結果、国債償還までの平均残存期間は、14年度で約5年半だったが、19年度は約7年にまで延びる見通しだが、財務省では「国債需要の分布からみて、これ以上の平均残存期間の引き延ばしは限界」と判断しており、新たに40年債を発行することで、平均残存期間を少しでも延ばす条件整備につなげる考えとの由。