公会計の動向 -81ページ目

北海道が市町村の補助金返還額相当額の補助金を別途に交付


 北海道新聞サイトは2月9日に「児童手当過払い 小樽など6市 全額返還方針 道、補助金で肩代わり」を掲出。
 記事は、会計検査院が小樽市など道内6市に児童扶養手当の過払い計1億8百万円余りを国に返還するよう求めている問題で、6市がそれぞれ本年度内に国に返還する方針を固めたと報じる。道は、六市への不適切な指示が過払いを誘発したことを認め、近く各市が実施する地域振興事業に返還額に見合う補助金を交付する考えとか。返還対象額は小樽市2660万円、岩見沢市2170万円、室蘭市2070万円、北見市1720万円、石狩市1430万円、深川市770万円で、小樽市の山田勝麿市長は8日の記者会見で「返還金という名目ではないにしろ、道が別の形で措置してくれてよかった」と述べたとの由。道が交付する補助金は、市町村などの地域活性化事業に道が半額を補助する「地域政策総合補助金」で、6市はそれぞれ、ごみ焼却施設の改修費や公園の再整備事業などで利用し、金額は小樽、石狩、深川、岩見沢が返還額とほぼ同額となる見込みで、北見、室蘭に対しても同額となるよう最終調整中とのこと。過払いが生じた原因は、道が11年に独自に策定した児童扶養手当の支給基準を、厚生労働省が15年に道基準より厳しい基準を示した以降も6市に採用するよう指示していたためと記事は伝える。

大阪府が裏金の再発防止策を公表

 2月8日付け日本経済新聞大阪夕刊19面に「総額9600万円返還へ、利子含め抜き打ち検査導入、大阪府裏金」の記事。

 記事は、大阪府の裏金問題で、府が8日、専任チームによる抜き打ち検査や出納局による実地検査の強化などを柱とする6項目の再発防止策を公表し、また、調査を続けている3機関を除く20部署・機関の裏金総額を約5200万円と確定し、10年からの利子年5%を付け約7500万円を今年度末までに返還させることも明らかにしたと報じる。府の外部識者の調査委員会は23部署・機関の裏金総額を約6850万円とする調査結果をまとめており、利子を含む返還総額は約9600万円に上る可能性があるとか。新年度から専任の巡回チームを組織し、年1回程度、全部署・機関を対象に抜き打ちで金庫などを点検して、公金の取り扱いに不明な点がないか確認し、出納室も抜き打ち検査も実施し、府が補助金を支出する協議会や財団法人などの会計書類もチェックするとのこと。裏金つくりの温床となった職員の親睦会の帳簿などは複数で管理し、担当課長などが保管状況を定期的に点検することも決めたとか。これまで実名に限っていた内部通報制度に関しては匿名での通報も認めるほか、現在2人の顧問弁護士が担当している外部の通報窓口について弁護士を増やすことも検討するとのこと。返還額については、10年当時の返還指示に従わず、引き継がれたり新たに捻出された金額約5200万円が対象で、利子を付け各部署ごとにに関与した職員やOBから徴収するとのこと。北部家畜保健衛生所など3機関は調査継続中で、府は「金額を確定させたうえで返還額をまとめる」としているとのこと。職員の処分は20日からの2月議会前に公表する予定で、処分者は百人以上に上るとみられると記事は伝える。

長崎県裏金問題の処分検討委員会が意見書を提出

 2月8日付け日本経済新聞夕刊23面の「長崎裏金で検討委、職員処分など意見書提出(ピックアップ)」の記事は、長崎県の裏金問題で、弁護士5人でつくる処分検討委員会が8日、裏金の返還や職員の処分、再発防止策に関する意見書を金子原二郎知事に提出したと報じる。これまでの調査では、公金から捻出された裏金の総額は11年度以降、計68の部署と出先機関で約4億円余と判明しているが、検討委はこのうち1億9千数百万円について「知事や関与職員、OBらが連帯して返還する責任がある」との見解をまとめたとか。

議会から随意契約に横やりが入る時代

 2月6日付け日本経済新聞地方経済面12面に「香川で指名停止急増――官製談合事件受け建設業者42件(四国リポート)」〔高松支局 小泉裕之〕の記事。

 記事は、香川県が建設業者を指名停止にするケースが急増しており、18年度の指名停止件数が2月5日時点で42件と、昨年度1年間(20件)の2倍を超えていて、ゼネコン大手の相次ぐ指名停止で事業が停滞するなどの影響も出ていると報じる。県土木監理課によると、今年度に県が建設業者を指名停止にしたケースは42件で、対象業者も61社に上り、昨年度の76社に迫っているとのこと。背景にあるのは全国各地で相次いでいる談合事件の増加で、今年度は福島、和歌山、宮崎の3県の知事が逮捕されるなど官製談合の取り締まりが強化されており、これを受け香川県も和歌山と福島の談合に関与したとされる業者を指名停止にしたとか。昨年1月の独占禁止法の改正で、これまで公正取引委員会が審決を下すまで出さなかった指名停止を、課徴金納付などの命令が下りた時点で出すようになったことも背景にあり、業界では「今後も水門工事を巡る官製談合などの処分が予想される」としているとか。指名停止の急増は思わぬ影響を及ぼしており、県の今年度の新規事業、高松港のガントリークレーン整備事業は、大手クレーンメーカーの多くが県の指名停止を受けているため、事業者がいまだに決まっていないとのこと。昨年4月にクレーン本体のみの一般競争入札を実施したが、応札した3社は市町村などが発注したし尿処理施設建設工事の談合事件で指名停止になり、その後の指名競争入札では辞退する業者が相次いで、残ったメーカーは1社だけだったとか。残った1社との随意契約を試みたが、県議会から「随意契約は好ましくない」「クレーンだけの発注でいいのか」との意見が出たため断念し、改めて公募型プロポーザル方式で1月16日から3日間受け付けたが、応札業者はなかったとのこと。同方式は、クレーンを購入するなどして調達できれば、商社などクレーンメーカー以外でも応札でき、県港湾課の担当者は「指名停止のメーカーから購入して応札することに問題はない。ただこれまでの経緯もあって敬遠したのでは」と分析しているとのこと。クレーンの完成は今夏の予定だが事業者の決定から完工までは15カ月程度かかり、少なくとも1年近く遅れるのは確実で「今後の予定は白紙」(同課)とお手上げ状態と記事は伝える。

国際協力銀行の会議費を取り上げる読売

 読売新聞サイトは2月5日に「特殊法人「国際協力銀行」の会議費、85%が「接待」」を掲出。
 記事は、政府系金融機関の特殊法人「国際協力銀行」の本店(東京都千代田区)が17年度に支出した会議費の8割以上が、飲食店などでの支払いに充てられていたことが、読売新聞が行った情報開示請求で明らかになったと報じる。公費による接待に近く、開示分だけで総額1000万円を超えているとか。中央省庁では、官官接待などが発覚後、会議費の使途について厳格に対応するようになっているが、職員が見なし公務員である同行では、会議費を飲食に費やす旧態依然とした慣行が続いていたことになると記事は評する。読売新聞は16~17年度の約6000件の会議費支出に関する文書の開示を請求したが、同行はこれまでに17年度分の一部約1000件を開示しており、これによると、海外事務所が現地通貨で支払った分を除き、本店分は466件で支出総額は1285万円だったとか。会議の相手先の欄はほとんどが非開示とのこと。同行の規定では、会議費の支出について、「会議、儀式用の茶菓弁当、非常炊き出し賄い等の食料の代価」としているが、本店分の使途を分析した結果、実際に会議室で行われた会議は31件で、これを含めて弁当や軽食などを提供した会議は67件だけとなっており、残る399件は飲食店などを利用した会食の形で行われていて、支出額は1092万円と、全体の85%を占めているとのこと。相手先の支払いがあったのは12件で、残りは同行が全額負担していたとか。飲食店などでの支出は、1人平均5533円で、5000円以上が203件、1万円以上は47件あったとか。飲食店での会議が多いことについて、同行は「相手の都合により業務外の時間に、公費で飲食を共にしつつ、情報・意見交換を行う必要がある」などと説明しているが、同行を所管する財務省では、「会議費は、お茶などのペットボトル、コーヒー代が大半で、昼をまたぐ会議の際、弁当などを出す程度だ。飲食店での会議は通常、認められない」(会計課)としていると記事は伝える。

大阪市が三セクホテル営業譲渡に際して10億円の債権放棄

 読売新聞サイト関西ページは2月5日に「大阪市、3セク運営ホテル清算…10億円債権放棄」を掲出。
 記事は、大阪市が、京阪天満橋駅(中央区)の駅ビルにある第3セクターが運営する「大阪キャッスルホテル」(120室)を、京阪電鉄のグループ会社「京阪ビルディング」(同区)に約1億円で営業譲渡する方針を決めており、京阪側と交渉中で、今月内にも合意する見通しと報じる。譲渡後、市は3セクを清算するが、市が融資した約10億円の債権を放棄することになると記事は伝える。ホテルは、昭和45年の大阪万博をにらんで、市などが41年に3セク「大阪キャッスルホテル」を設立して、42年に8階建ての駅ビル内に開業したもので、資本金4億円で筆頭株主の市が株式の25%、京阪が15%を保有しているとのこと。人件費がかさみ、赤字運営が続いたため、57年からは、市、大阪府の外郭団体「大阪21世紀協会」が、年4800万円の賃貸料で入居しており、59年には運営を民間に委託して、ようやく、単年度黒字に転じたとのこと。しかし、市が融資した運転資金など計10億8000万円は未返済で、今後、さらに大規模改修や建て替えの出費も見込まれており、このため市監理団体評価委員会が平成17年に、営業譲渡と3セクの解散を提言していた経緯がある。市は、営業権を1億円前後で売却して、融資額の一部を回収したい考えとか。一方、市は、同駅の向かいにある大型複合ビル「OMMビル」を運営する3セク「大阪マーチャンダイズ・マート(OMM)」について、株式の一部の売却を京阪に打診しているとのこと。「OMM」は資本金15億円で、市が株式の25%、京阪は20%を保有しており、17年度決算で年間約4億円の利益をあげる黒字3セクで、ビルには京阪電鉄本社も入居しており、市幹部は「キャッスルホテル清算の損失を、OMM株の売却で埋め合わせたい」としているが、市内部には「3セクの損失穴埋めに、市民の財産である優良3セクの株式を安易に売却していいのか」との異論もあるとのこと。

昨年12月の最高裁判決が実務に反映されている

 読売新聞サイト九州ページは2月2日に「県議懇親会に公金104万円支出…長崎県「今後も続ける」」を掲出。
 記事は、長崎県が15年度から今年度にかけて、県議会会派が開いた懇親会への金子原二郎知事ら県幹部の参加費として、計104万円を県の食糧費から支出していると報じる。県によると、最大会派・自民党県議団が13回で約85万円、民主、社民両党系の県議でつくる第2会派「改革21」が9回で約20万円とのこと。定例県議会中、両会派が長崎市の料亭で開いた懇親会に、金子知事や副知事、部長ら2~5人が参加し、県側の負担分として1人当たり1万4000円~1万5000円を支払っていたとか。政界の会合への公金支出を巡っては、金子知事が15年度以降、国会議員や県議、政党のパーティーの会費などとして県の交際費から65件・83万1000円を支出していたことが判明し、県は「行政の政治的中立について誤解を招く恐れがある」として廃止を決めたが、最高裁が昨年12月、東京都武蔵野市長の交際費支出を巡る訴訟で、市議会会派の忘年会への祝い金などを「儀礼の範囲」と判断したことなどを踏まえ、県議会会派の懇親会については、食糧費による支出を続けるとしていると記事は伝える。


参考:12月の最高裁判決
<部分的引用>
普通地方公共団体も社会的実体を有するものとして活動している以上,当該普通地方公共団体の事務を遂行し対外的折衝等を行う過程において,長又はその他の執行機関が各種団体等の主催する会合に列席するとともにその際に祝金を主催者に交付するなどの交際をすることは,社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り,上記事務に随伴するものとして許容されるというべきである(最高裁昭和38年(オ)第49号同39年7月14日第三小法廷判決・民集18巻6号1133頁,最高裁昭和61年(行ツ)第144号平成元年9月5日第三小法廷判決・裁判集民事157号419頁,最高裁平成14年(行ヒ)第46号同15年3月27日第一小法廷判決・裁判集民事209号335頁参照)。そして,普通地方公共団体が住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとされていること(法1条の2第1項)などを考慮すると,その交際が特定の事務を遂行し対外的折衝等を行う過程において具体的な目的をもってされるものではなく,一般的な友好,信頼関係の維持増進自体を目的としてされるものであったからといって,直ちに許されないこととなるものではなく,それが,普通地方公共団体の上記の役割を果たすため相手方との友好,信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的にみることができ,かつ,社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り,当該普通地方公共団体の事務に含まれるものとして許容されると解するのが相当である。しかしながら,長又はその他の執行機関のする交際は,それが公的存在である普通地方公共団体により行われるものであることにかんがみると,それが,上記のことを目的とすると客観的にみることができず,又は社会通念上儀礼の範囲を逸脱したものである場合には,当該普通地方公共団体の事務に含まれるとはいえず,その費用を支出することは許されないものというべきである(前掲平成元年9月5日第三小法廷判決参照)。

郵貯が190兆円を割った

 1月31日付け日本経済新聞朝刊5面の「個人マネー運用、郵貯よりも投信に魅力!?―郵貯残高、12年ぶり190兆円割れ」の記事は、日本郵政公社が30日に発表した「郵便貯金速報」によると、29日時点の郵便貯金の残高が189兆8869億円と、6年10月13日以来、約12年ぶりに190兆円を下回ったと報じる。郵便貯金を引き出して比較的金利の高い投資信託や個人向け国債で運用する動きが広がっていることなどが背景にあるとみられるとか。ピークは12年2月15日の260兆7206億円で、当時は民間銀行の間で金融システム不安が広がっており、郵貯に資金を預け替える動きが加速したが、その後は長引く低金利で郵貯の魅力は薄れ、定額貯金を中心に残高が減り続けたとのこと。

農水省が川辺川ダムの利水利用を断念

 共同が1月31日に配信した「農水省、川辺川ダムの利水断念 治水、発電に絞り着工急ぐ」は、熊本県の川辺川の水を使う国営農業利水事業で、農水省が、川辺川ダムの利用を断念する方針を国土交通省に伝えたと報じる。ダム利用に反対論が根強いためで、既存の導水設備を使い事業を行うとのこと。国交省はダムの利用目的を治水、発電に絞った計画に変更し、ダム本体工事への早期着工を図る考えとか。同ダムは1966年に治水ダムとして発表された経緯がある。

団塊の世代の退職は自治体も同じ

 1月30日付け日本経済新聞地方経済面40面に「首都圏1都4県4政令市、団塊職員退職金1兆円、財政圧迫要因に」の記事。
 記事は、団塊世代の自治体職員の一斉退職が始まるため、首都圏の1都4県4政令市(山梨県含む)の定年退職金が19年度から3年間で合計1兆円必要で、この額が9都県市の税収の1割以上に相当しており、財政圧迫要因となると報じる。各自治体とも退職に備えた引き当てはなく、神奈川、千葉県のように退職手当債の発行を迫られるところが出てきそうと記事は伝える。東京都、神奈川、千葉、埼玉、山梨県と、横浜、川崎、千葉、さいたまの四政令市の職員数(教員、警察などを含みバス、水道などを除く)は41万人で、うち19年度から3年間に定年退職を迎える団塊職員が4万人おり、全体の1割に相当していて、特に横浜市、川崎市、千葉市、東京都で団塊世代の割合が多いとか。全体で毎年1万3千―1万4千人が定年退職する見通しで、必要な退職金は年3300億―3500億円に上る見込みとか。3年間の定年退職金の総額は9都県市で計1兆3百億円で、税収(18年度当初予算)の12%に当たり、山梨県では32%、千葉県、埼玉県でも20%を超えるとか。各自治体とも企業の退職引当金のような、将来の備えをしておらず、景気拡大で税収が増えるとはいえ、団塊世代の退職金は財政負担となるため、退職金を支払うため退職手当債を発行する自治体が増える見通しと記事は伝える。手当債は早期退職者向けなどに発行が限られていたが、総務省は18年度から条件を緩和して定年退職にも充当できるようになったとか。神奈川、千葉、埼玉県と千葉市が18年度予算に退職手当債を計上しており、19年度は埼玉県が「発行せざるをえない」とし、川崎市も「調整中」と検討に入ったもようとのこと。財政に比較的余裕のある東京都、横浜市などは「予定なし」としているが、他の自治体で発行が相次ぐ可能性が高いと記事は伝える。