昨年12月の最高裁判決が実務に反映されている | 公会計の動向

昨年12月の最高裁判決が実務に反映されている

 読売新聞サイト九州ページは2月2日に「県議懇親会に公金104万円支出…長崎県「今後も続ける」」を掲出。
 記事は、長崎県が15年度から今年度にかけて、県議会会派が開いた懇親会への金子原二郎知事ら県幹部の参加費として、計104万円を県の食糧費から支出していると報じる。県によると、最大会派・自民党県議団が13回で約85万円、民主、社民両党系の県議でつくる第2会派「改革21」が9回で約20万円とのこと。定例県議会中、両会派が長崎市の料亭で開いた懇親会に、金子知事や副知事、部長ら2~5人が参加し、県側の負担分として1人当たり1万4000円~1万5000円を支払っていたとか。政界の会合への公金支出を巡っては、金子知事が15年度以降、国会議員や県議、政党のパーティーの会費などとして県の交際費から65件・83万1000円を支出していたことが判明し、県は「行政の政治的中立について誤解を招く恐れがある」として廃止を決めたが、最高裁が昨年12月、東京都武蔵野市長の交際費支出を巡る訴訟で、市議会会派の忘年会への祝い金などを「儀礼の範囲」と判断したことなどを踏まえ、県議会会派の懇親会については、食糧費による支出を続けるとしていると記事は伝える。


参考:12月の最高裁判決
<部分的引用>
普通地方公共団体も社会的実体を有するものとして活動している以上,当該普通地方公共団体の事務を遂行し対外的折衝等を行う過程において,長又はその他の執行機関が各種団体等の主催する会合に列席するとともにその際に祝金を主催者に交付するなどの交際をすることは,社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り,上記事務に随伴するものとして許容されるというべきである(最高裁昭和38年(オ)第49号同39年7月14日第三小法廷判決・民集18巻6号1133頁,最高裁昭和61年(行ツ)第144号平成元年9月5日第三小法廷判決・裁判集民事157号419頁,最高裁平成14年(行ヒ)第46号同15年3月27日第一小法廷判決・裁判集民事209号335頁参照)。そして,普通地方公共団体が住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとされていること(法1条の2第1項)などを考慮すると,その交際が特定の事務を遂行し対外的折衝等を行う過程において具体的な目的をもってされるものではなく,一般的な友好,信頼関係の維持増進自体を目的としてされるものであったからといって,直ちに許されないこととなるものではなく,それが,普通地方公共団体の上記の役割を果たすため相手方との友好,信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的にみることができ,かつ,社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り,当該普通地方公共団体の事務に含まれるものとして許容されると解するのが相当である。しかしながら,長又はその他の執行機関のする交際は,それが公的存在である普通地方公共団体により行われるものであることにかんがみると,それが,上記のことを目的とすると客観的にみることができず,又は社会通念上儀礼の範囲を逸脱したものである場合には,当該普通地方公共団体の事務に含まれるとはいえず,その費用を支出することは許されないものというべきである(前掲平成元年9月5日第三小法廷判決参照)。