公会計の動向 -82ページ目

大阪府の裏金の再発性

 1月29日付け日本経済新聞大阪夕刊19面に「9年前の教訓どこに、隠ぺい体質引き継ぐ、大阪府裏金、▽上」の記事。
 記事は、近く最終報告がまとまる大阪府の裏金問題について、9年前に、約13億円という巨額の裏金が判明して大きな社会問題となっており、その際に解明されなかった個々の裏金の経緯を報じる。医療対策課の元総括補佐(59)は14年春に、前任者から金庫に保管された現金約二百九十万円の裏金を引き継ぎ、「現金のままではまずい」、「課名義の預金や幹部の親睦組織の預金に入金して混ぜてしまえば分からない」と判断し、わざわざ二つの口座に振り込む隠ぺい作業を計9回、足かけ2年間続けたとか。10年の裏金返還では、返済のため十万円ほど自腹を切っているが、「新たに裏金をつくるわけじゃない。うまく処理すれば問題ない」と判断したとのこと。8年末から足かけ3年にわたり府政を揺るがせた前回の裏金問題では、付き合いのある飲食店やホテルにカラ伝票を切らせたり、カラ出張を繰り返したりする手口が悪質で約3百人が処分され、公金意識の欠如に、意識改革に向けた職員研修が繰り返されていて、法令順守などの講習会は9年間で160回を超え、延べ約1万8千人が受講したとか。当時、全庁に残る裏金をかき集めても返還額に及ばないため、不足分の約十億円を幹部らが自腹で穴埋めしたが、職員の意識は何ら変わらなかったと記事は評する。13年に、部下である課長補佐から「出所の分からない約四百万円を前任者から引き継いだ」と相談された産業技術総合研究所の元総務部長(58)は、「やっかいなものを抱え込んだ」、「延々と引き継ぐより、自分の代で帳消しにした方が」とし、約194万円もする実験用機器の部品や7万円分ものタクシーチケット購入を繰り返し、14年末、「やっと使い切った時、肩の荷が下りた気がした」とのこと。20を超す部署・機関で多数の職員が異動のたびに裏金の引き継ぎを繰り返し、一部は証拠隠滅に走っており、従来の裏金づくりを脈々と続けていた部署さえあったとか。隠匿した歴代の担当者らは、今回の府の調査で「上司から返還指示を受けなかった」などとしているとか。

 1月30日の「欠けていた管理能力、大阪府裏金、▽下」は、「腐敗した9年間」が生み出した裏金づくりの手口として、休眠状態だった大阪府健康福祉部傘下の任意団体「みんなでやさしいまちづくり大阪府民会議」の運営金の残金170万円を、17年春に、計画推進課の元総括主査が職員の親睦団体にそっくり移し替えたことを紹介する。理由は「残金処理にどんな手続きが必要なのか分からない」からで、課長ら当時の上司も承認していたとのこと。元総括主査は「裏金づくりにあたるとは思わなかった」と話し、課長も「公金が入っているとは知らなかった」と釈明しているとか。府が傘下に抱える任意団体は約230で、多くには実質的な監査はなく、裏金どころか、犯罪の温床にすらなったとのこと。昨年末に、環境農林水産部の流通対策室が事務局を担当していた「地方卸売市場連絡会」に府と市町村が拠出していた運営費115万円を担当だった元主査が横領したとか。14年度の発足直後から休眠状態で、室長には前任や部下から説明はなく、元主査は、市町村が持ち回りで行うはずの会計監査が一度もなく、上司も検査しない点に着目して運営金のほぼ全額を引き出していたとのこと。府は裏金再発覚以降、こうした横領に関与した4職員を懲戒免職にしたとのこと。

基金を換金性の低いもので運用している問題

 岡山日日新聞サイトが1月27日に掲出した「昨年6月に説明 早島町外債運用」は、都窪郡早島町で出納室長(51)が町の基金12億円で円建て外債「ユーロ円債」を運用し、20年間換金できなくなる可能性のある問題で、出納室長が18年6月定例町議会で外債運用の状況を答弁していたと報じる。町長決裁がないなどの規則違反を町が見抜けなかった実態は監査結果で判明していたが、議会も出納室長の説明を〝うのみ〟にしていた形で、町全体の公金管理の意識が問われそうと記事は評する。


 メディアも議会には出席していたのではないのかな。

夕張市を甘えさせている

 1月25日の毎日新聞東京朝刊に「北海道・夕張市財政破たん:政府、夕張に優しく? 再建策、「北風」から「太陽」へ」〔有田浩子、川上克己〕の記事。
 記事は、財政破たんした北海道夕張市の再建策をめぐる政府のスタンスがここにきて、歳出カット徹底の「北風路線」から、支援重視の「太陽路線」に転換し始めており、当初、政府内には「夕張市は国への甘えがあった」(菅義偉総務相)と突き放した発言が目立っていたものの、23日には閣議で安倍晋三首相が子供や高齢者などの弱者対策に万全を期すよう、指示してみせたと報じる。同市が昨年まとめた住民負担増などの過酷な再建策には同情論が広がっており、統一地方選を控えて「地域間格差」の象徴となりかねない、との警戒が働いたようだと記事は伝える。22日午前、菅総務相に夕張市の再建計画の素案を報告した高橋はるみ・北海道知事は記者会見で「東京は思いのほか温かいなと思いました」と述べ、安どの表情を浮かべたとか。素案は、同市が昨年11月公表した再建案「基本的枠組み案」の住民負担増やサービス削減項目の一部を緩和する内容だったが、菅氏は理解を示したとのこと。23日午前、民放の報道番組に出演した菅氏は「夕張市の再建を全国の市町村が注目している」と述べ、「国もしっかり支援していきたい」と訴えたとか。政府は当初、同市の再建に厳しい姿勢で臨んでおり、巨額赤字を隠すため粉飾まがいの手法で黒字決算を装ったほか、財政再建団体入り表明後の昨夏、市が前年同期を上回るボーナスを職員に支給していたことも発覚したためで、菅氏は就任直後の昨年9月、「夕張市は、最後は国が面倒を見てくれるという甘えがあって、ここまで来た」と指摘し、同市の再建計画を巡って総務省と水面下で調整してきた道幹部は「国に再建の方向を説明するたび、より高い削減水準を突きつけられる」と表情を曇らせてきたとか。ところが「基本的枠組み案」の公表後、高齢者や子育て世代の懐に大きく響く住民負担増やサービス削減が連日のようにワイドショーで報道され「夕張市が地域間格差の象徴のように受け止められ始めた」(総務省幹部)こともあり、年明けには同市の成人式の開催費用のため全国から寄付が寄せられ同情の声が高まったとか。放漫財政の末に行き詰まった同市を手厚く支援することの再建への効果を疑問視する声もあり、また、同じように過疎や高齢化に苦しむ他の自治体政策との整合性が問われかねないだけに、政府の対応にはご都合主義的なにおいがつきまとうと記事は評する。

NHKの受信料請求訴訟は順調

 毎日新聞サイトは1月23日に「受信料訴訟:「分割希望」にNHK側が了承 初口頭弁論」〔高倉友彰〕を掲出。
 記事は、NHKによる受信料の支払い督促に異議を申し立てて民事裁判で争うことにした10人のうち、最初の1人となる東京都内在住の女性の第1回口頭弁論が24日に東京簡裁であり、女性側は欠席したものの分割払いを希望する答弁書を提出し、また出席したNHK側がこれを了承し、簡裁が後日、分割払いを命じる決定を出す見通しとなったと報じる。契約者に受信料の支払いを求めた訴訟は初めてとか。NHKの督促申立書によると、女性への請求額は不払い受信料5万3010円(38カ月分)で、今後、分割払いを命じる決定を簡裁が両者に送達し、異議がなければ決定が確定するとのこと。受信料を巡っては一連の不祥事などで不払いが急増し、NHKは昨年11月「受信契約を結びながら受信料を払わないのは契約不履行」と主張して、強制徴収も可能になる法的手段として支払い督促を同簡裁に申し立てており、都内の33世帯に対し、1世帯当たり最高10万7640円を請求し、このうち約半数が滞納分を支払うなどしたものの10件が訴訟に移行していて、7件は東京簡裁で審理されることになり、2件は東京地裁に移送され、1件は取り下げられたとのこと。

簡保残高が14年ぶりに160兆円を割る

 1月24日付け日本経済新聞朝刊5面に「郵政公社14年ぶり、簡保契約160兆円割れ」の記事。
 記事は、日本郵政公社が23日に発表した18年12月末の簡易保険の保有契約高が前年同期比6.3%減の159兆6548億円となり、5年1月末以来、約14年ぶりに160兆円を割ったと報じる。主力の養老保険が低迷していて7.9%減の129兆7582億円となっていて残高の縮小が続いているとか。簡保の保有契約高のピークである11年8月末の209兆3453億円と比較すると23.7%減少していることになるとか。保有契約件数は6.5%減の5798万件と5年6カ月連続で減少しており、昨年12月の新規の保険契約件数は22.8%減の18万7千件で、新規契約額は20.7%減の5433億円だったとのこと。

自治体による三セクの損失補填契約は違法で無効?

 1月24日付け日本経済新聞朝刊4面に「自治体の損失補償「違法」判決が波紋(金融取材メモ)」〔橋〕の記事。
 記事は、第三セクターが金融機関から借り入れする際に、自治体が金融機関と結んでいる損失補償契約を違法とする判決の波紋が広がっており、違法を盾にすれば、自治体が補償を拒否する事態も想定できるだけに、総務省への問い合わせも増えていると報じる。事の発端は、川崎市出資の三セクが経営破綻したのを受けて、市が損失補償契約に基づき9億円を金融機関に返済した件で、市民オンブズマンが市に対し、補償金の返還を求める訴えを起こしたところ、横浜地裁は昨年11月に、損失補償契約は財政援助制限法が禁じる自治体の債務保証契約と同様とし、「違法」とする判断を下したとのこと。金融筋によると、こうした判決は初めてで、違法という見解は学説上も通説ではないとされるが、原告、被告とも控訴せず、この判決が確定してしまったことが問題をさらに大きくしているとのこと。判決で横浜地裁は、当時の社会通念に沿えば損失補償契約は不当とはいえないとし、返還を求めた原告の請求自体を退けたため、市側は勝訴した形となり、原告も「実質勝訴」として控訴しなかったとか。総務省によると、昨年3月末時点で損失補償契約などの対象となる債務残高は1323法人で計9兆3853億円にも達しており、判決直前にも三セクの金利負担を軽減するために金融機関と損失補償契約を結んで借り換えた自治体もあるとのこと。補償契約を結んだ金融機関は大手銀行のほか地域金融機関にも幅広く及び、「仮に三セクが破綻した場合、自治体の中には補償契約の違法を主張して返済を渋るところもあるのではないか」との見方もあり、判決が与える影響は小さくないとか。総務省は「三セクは原則として事業収益に基づいて資金調達すべきだ」(自治財政局)との方針だが、公共性などを考慮すれば、損失補償契約を結べる場合もあるとしており、今回の判決がすぐに支払い拒否につながる可能性は低いものの、財政状態が悪化している自治体も多く、今後の三セク融資については金融機関も慎重な対応を迫られそうと記事は伝える。

新議員宿舎について再検討する動き

 東京新聞サイトは1月10日に「新赤坂議員宿舎批判受け 家賃規定の新法検討」を掲出。
 記事は、自民党が9日、衆院新赤坂議員宿舎(東京都港区)の格安家賃問題で、宿舎の家賃に関する国会議員宿舎法(仮称)制定の検討に入ったと報じる。家賃の法的基準を設けることで、「お手盛り」批判をかわす狙いがあり、25日召集の通常国会に議員立法で法案を提出し、新赤坂宿舎の家賃にも適用したい意向とか。党改革実行本部で、民間企業の社宅や民間の賃貸マンションの家賃を参考にして、国民の理解を得られる家賃を設定し、これと並行して、衆参両院議長の下に、民間人を加えた議員宿舎に関する諮問機関を設置して、超党派で法案化を進める案も自民党で浮上しているとのこと。現在、議員宿舎の家賃を規定する法律はなく、4月から入居が開始される新赤坂宿舎の家賃月約9万2千円は、衆院事務局が、国家公務員宿舎の基準に沿って試算した金額に5%上乗せして算出したもので、各党でこの金額を検討した結果、衆院議院運営委員会で決定されたとか。新赤坂宿舎は地上28階、地下2階建て、3LDK約82平方メートルで、家賃は周辺の賃貸マンションと比較すると5分の1以下ともいわれるとか。
 読売新聞サイトが1月24日に掲出した「議員宿舎の家賃見直し、与党が検討機関を設置方針」は、与党が23日、東京・赤坂で建設中の衆院議員宿舎の家賃が「安過ぎる」と批判されていることを受け、議員宿舎の家賃算定基準見直しなどを検討する与野党協議機関を衆院議院運営委員会の下に設ける方針を固めたと報じる。検討機関には各党代表者のほか、有識者を加える方向とか。

NHKにも市場化テスト

 1月23日付け日本経済新聞朝刊1面に「NHK受信料徴収、外部委託求める―総務相、コスト減へ意見書」の記事。
 記事は、菅義偉総務相が、NHK受信料の徴収について外部委託を含めた抜本的な見直し策を講じるようNHKに要請する方針を決めたと報じる。コスト削減を進めることで、将来の受信料値下げの原資にすることを求めるもので、NHKの19年度予算案に対する総務相の意見書として添付すると記事は伝える。菅総務相はNHK受信料の支払いを20年度から義務化するための放送法改正案を今月25日召集の通常国会に提出する方針で、その代わり、毎月支払う受信料を2割前後引き下げることを要請してきており、これに関連し総務相は徴収体制についても大幅に見直すことが必要と判断したもので、国会承認を必要とするNHK予算案に総務相が意見を付けるのは珍しくないが、受信料引き下げの要求を盛り込むのは異例とか。菅総務相が打ち出すのは、受信料の徴収に際し、NHKが可能な限り外部委託を利用する案であり、NHK自身と民間事業者で競わせるという、政府の事業などで実施している「市場化テスト」の考え方をNHKが採用するよう求めるもので、総務相は経費削減の数値目標の提出も求めるとか。

大阪市住宅供給公社が債務超過のおそれ

 朝日サイトは1月18日に「大阪市住宅供給公社が債務超過の恐れ」を掲出。

 記事は、分譲事業の不振で約1千億円の負債を抱える大阪市住宅供給公社が、資産価値の下落を決算に反映させる「減損会計」を導入した結果、今年度末決算で数十億円規模の債務超過に陥る見込みであると報じる。全額を出資する大阪市は経営破綻を防ぐため、同公社が市内に所有する1万3700平方メートルの土地を、時価より約40億円高い71億3500万円で取得する補正予算案を2月議会に提案する方針だが、公社の経営難を公費で救済する手法は議会の反発を呼びそうと記事は評する。この土地は公社が3年、分譲マンション用地として約81億円1千万円で取得し、資金は全額、市から借り入れたとか。市は老朽化した十三市民病院(同市淀川区)をここに移転させ、6年以降、公社から借りており、市と公社は同等の市有地を公社に引き渡す協定書を交わしたが、市は用地を確保できず、公社はマンション事業を中断したとのこと。土地の取得額に金利を上乗せした簿価が93億円にふくらんだのに対し、地価下落によって時価は約30億円に低下しており、減損会計の導入により、公社は18年度決算で差額の63億円を特別損失として計上するため、負債が資産を上回る債務超過に陥る可能性が高まったとのこと。取得費71億3500万円は、市が土地を借り始めた6年当時の評価額64億200万円に、これまでの公社の借入金金利の未払い分など7億3300万円を上乗せした額で、市は全額を一般会計からの長期借入金で賄う方針だが、「解決策は現在、公社と協議中」と詳しい説明を拒んでいると記事は伝える。

東京都の18年度税収がバブル末期を超えて過去最高

 1月19日付け日本経済新聞地方経済面15面に「都の税収、過去最高に、4兆9000億円――今年度補正案、“隠れ借金”解消へ」の記事。

 記事は、東京都の18年度の税収が4兆9千億円と、過去最高になる見通しと報じる。景気回復で法人2税が当初見込みを大幅に上回ったためで、東京都は一般会計規模などを増額修正する18年度補正予算案を2月議会に提出し、増収分の大半を基金に充て、隠れ借金といわれる積み立て不足を19年度末に解消するとのこと。補正後の都税収入は4兆8771億円と、当初予算に比べ3743億円増え、企業収益が好調で、法人2税が17%増えたのが大きかったとか。増収分は3251億円を都債の償還に備えて積み立てる減債基金積立金に充て、今回の補正と19年度当初予算案で、積み立て不足を全額解消すると記事は伝える。年度間の財源の不均衡を是正するための財政調整基金にも326億円を積むとか。都税収入は3年度の4兆8494億円が過去で最も多かったとのこと。