公会計の動向 -72ページ目

会計年度独立の原則の適用外にするために独法へ交付業務を移管

 毎日は6月14日東京夕刊として「総合科学技術会議:研究費、使いやすく 独立行政法人へ移管で繰り越し可に」〔下桐実雅子〕を掲出。

 記事は、政府の総合科学技術会議(議長・安倍晋三首相)が14日、省庁が運用している研究費を原則として独立行政法人に移管することなどを盛り込んだ公的研究費改革の推進策を決め、これにより、単年度会計の不便さを解消して、年度を繰り越しても使えるようになると報じる。対象は「競争的資金」と呼ばれる公募による研究費で、今年度は8府省で37種類あり、約4766億円の予算が計上されていて、このうち約6割を府省が運用しているが、府省の運用だと単年度会計のため、原則として年度を越えた予算執行ができず、研究費の繰り越し制度もあるものの、周知不足であまり利用されていなかったと記事は説く。文部科学省の調査でも、年度当初に研究費が不足したり、研究期間が中断されるなどの意見が、研究者から寄せられており、一方、余った研究費を翌年度分としてプールするなどの不正も後を絶たないとか。内閣府によると、独立行政法人に移管すれば運営費交付金として運用されるため、研究費の配分先機関と複数年契約が可能になり、翌年度に繰り越しやすくなるほか、契約期間中に装置や機器類を購入することができ、使い勝手がよくなるとのこと。

強制調査(査察)で摘発した脱税事件は全体で221件304億円

 読売は6月15日に「昨年度の消費税脱税21億円、目立つ人材派遣業者」を掲出。

 記事は、全国の国税局が18年度に告発した脱税事件のうち、消費税の脱税事件が過去最多の23件に上ったことが国税庁のまとめでわかったと報じる。脱税額(加算税を含む)は約21億円とのこと。消費税は、所得税、法人税と並んで国税収入の柱となっており、国税当局が摘発に力を入れた結果が数字に表れた形と記事は評する。強制調査(査察)で摘発した脱税事件は全体で221件(同脱税額約304億円)に上り、件数、脱税額とも前年度を上回っており、このうち告発に至ったのは166件で、告発率は過去10年間で最高の75・1%に達したとか。消費税脱税の中心となったのは人材派遣業者で、売り上げにかかる税額から仕入れにかかる税額を引いて申告する仕組みを悪用し、実際は自社の従業員を派遣しているのに、ダミー会社に派遣を外注したように装い、仕入れ税額を水増ししていたとか。さらに、資本金1000万円未満の新設会社は2年間、消費税を課せられないため、ダミー会社をつぶしては新たに設立することを繰り返していたケースもあったとか。このほか、新たな手口として、少ない元手で多額の為替取引ができ、個人投資家に人気の「外国為替証拠金取引」(FX)で得た利益を隠していた脱税事件が2件あったとのこと。

高速道路会社の決算

 朝日は6月13日に「高速道路全社が当期利益、効率化は不十分」を掲出。

 記事は、高速道路会社6社の07年3月期決算が13日出そろい、05年10月の民営化後初の通期決算は、景気回復を受けた通行量の増加や暖冬による除雪費用の軽減で、全社が当期利益を確保したが、人件費の削減など経営効率化は不十分で、経営の不透明さが問題となっているファミリー企業の整理にも差があると報じる。通行量は前年度よりそれぞれ0.2~3.4%増えているが、各社は、通行料金収入から、道路の賃借料を日本高速道路保有・債務返済機構に払う形で、旧道路関係4公団の債務約40兆円を45年以内に完済する義務を負っており、収入が計画を上回れば追加返済する仕組みにより、西日本が140億円、中日本が115億円など4社で計約290億円を上積み返済したとのこと。サービスエリアやパーキングエリアなど休憩所事業も好調で、東名高速などドル箱路線を抱える中日本は、同事業の営業利益が95億円に達したとか。ただ、民営化の目的の一つの経営効率化はまだ十分に進んでおらず、売上高に占める人件費など販売・管理費の比率は、前期と比較できる東日本、中日本、西日本で7.2~8.2%で、東日本は前期比横ばい、ほかの2社は逆に上昇したとのこと。公団OBが天下りして料金収受業務などを独占的に受注し、過剰な利益を得ていたとして批判されたファミリー企業の整理でも、取り組みに濃淡があり、ファミリー企業26社を持つ東日本、同27社の西日本は、06年度中にファミリー企業業務を譲り受ける子会社を約10社ずつつくり、業務をほぼ移していて、今期さらに数社を立ち上げ、整理を終える予定だが、30社抱える中日本は、料金収受関連の9社を子会社2社に集約する作業を進めている最中で、残る21社の整理は今年度以降の方針とか。ファミリー企業は、公団の赤字を尻目に全体で1000億円の剰余金をため込んできており、営業譲渡した後も存続し、剰余金の扱いが宙に浮いている会社もあり、引き続き問題となりそうと記事は伝える。

佐世保市の不正経理問題で国庫返還金額を検討中

 西日本新聞サイトは6月14日に14日付け西日本新聞朝刊として「不正会計問題 国の選挙事務委託金など 佐世保市も返還へ」を掲出。

 記事は、佐世保市の不正会計問題で、市が不正に使用した国の選挙事務委託費や補助金を返還する準備を進めていると報じる。国や県と返還額などの最終調整を進めているが、総額は1000万円前後になる見通しとか。市によると、3月ごろから国や県と協議を開始しており、既に返還が決まっているのは市企画調整部が17年度に総務省から交付された統計調査費から架空伝票と引き換えに業者に管理させていた裏金32万円とのこと。市選挙管理委員会が16年度以降、総務省が衆院、参院選、県知事選などに関して交付した選挙事務委託費から捻出した裏金などのうち406万7000円についても返還する方向で詰めの協議に入っており、不正会計が発覚するまで返還されなかったことによる遅延利息5%も支出するとのこと。他部署についても担当省庁などと協議中で、返還金は総務費から充てるとか。同市では13‐18年度に多数の少額伝票と引き換えに高額備品を購入する不正な会計処理が総額6426万円、裏金が昨年11月時点で332万円あったことが確認されているとの由。

政府は年金カードの発行を検討

 日経が6月14日に掲出した「政府、「年金カード」導入検討・納付記録、確認容易に」は、政府が、年金記録漏れ問題を受けた国民の年金不信を解消するため、公的年金保険料の納付記録や将来受け取る年金額などを簡単に把握できる「年金カード」を発行する方向で検討に入ったと報じる。公的年金の加入者や年金受給者らを対象にICカードを発行し、保険料の納付状況をパソコンなどで簡単に確認できるようにするというもので、早ければ20年の実現を目指すとか。民主党は参院選のマニフェスト(政権公約)に保険料納付履歴を記載した「年金通帳」の交付を盛り込んでおり、政府・与党も何らかの対応が必要と判断したと記事は伝える。

18年度税収は補正後予算を下回る見通し

 朝日は6月14日に「06年度税収、予算に届かない見通し 4年ぶりの下ぶれ」を掲出。

 記事は、18年度の国税収入(一般会計ベース)が、補正予算で見積もった50.5兆円に届かない見通しと報じる。所得税と法人税の伸び悩みが主因で、実績が予算額を下回るのは14年度以来4年ぶりで、税収が下ぶれすると、今後の国債発行が計画より増える可能性が高まると記事は伝える。18年度は景気回復で法人税などの大幅増が期待できたことから、政府は昨年末に編成した補正予算で、税収見通しを当初予算より4.6兆円上積みし、前年度実績を1.4兆円上回る50兆4680億円としていたが、財務省が6月末にまとめる18年度実績は、所得税が14.6兆円の見積もりに対し、株式の譲渡や配当所得からの税収を中心に4000億~5000億円程度下回る見通しで、法人税収も、企業の利益の伸びが予想を下回り、見込んだ15.8兆円に届かない可能性が高いとか。税収見通しは、各税目の実績と経済指標などをもとに算出するが、企業業績に左右される法人税や配当関係の所得税は正確な予想が難しく、17年度決算では全体の税収が補正後と比べても約2兆円上ぶれし、与党内から「財務省が歳出抑制のため低めに見積もった」との批判が出て、財務省は18年度補正予算で、企業の中間決算を土台に算出する方式に改め見積もりを大きく上方修正したが、今度は見込みが強気に過ぎた形とか。

参院が17年度決算を議了

 日経が6月13日に掲出した「参院、2005年度決算を承認」は、参院が13日午前の本会議で、政府の17年度決算を与党などの賛成多数で承認したと報じる。公的年金保険料の納付記録漏れの救済策や緑資源機構などで相次ぐ官製談合の根絶、都道府県労働局の不正経理への対応など6項目を盛り込んだ警告決議も採択したとか。参院は決算審議を重視する姿勢を打ち出しており、5年連続で次年度予算の概算要求前に審査を終えたと記事は伝える。

バイオ燃料の生産支援

 読売は6月12日に「農水省、バイオ燃料増産後押しで新法制定へ」を掲出。

 記事は、農林水産省が、国産のバイオエタノールなどの生産を支援するため、新法の策定に乗り出すと報じる。政府は地球温暖化防止に向け、バイオ燃料の生産量を国内のガソリン消費量の約1割に高める計画で、諸外国に比べ立ち遅れていた優遇策を整備すると記事は伝える。新法案は「国産バイオ燃料事業法案(仮称)」で、農水省は近く検討室を設けて関係省庁と詳細を詰めたうえで、来年の通常国会に法案を提出するとのこと。具体的な優遇策として、国産原料からバイオ燃料を製造する事業者に対し、輸送にかかる経費を節減するため、工場をサトウキビなど原料の農業用地に建てられるよう規制を緩和し、また、製造工場の固定資産税などを減免したり、天候不順で原料作物が不作だった時に損失を補償する措置なども検討するとか。また、ガソリンと国産バイオ燃料を混合した燃料を製造する事業者には、揮発油税(1リットル当たり53・8円)に相当する分の補助金を支給する措置も検討するとも。国産バイオ燃料の目標価格1リットル150円程度に対し、安値時で100円程度のブラジル産に対抗できるよう、消費者への販売価格を引き下げるためとか。海外では、バイオ燃料混合ガソリンへの減税措置が盛んで、軽減幅はドイツが1リットル当たり約91円、フランスが同約53円、ブラジルが同約15円などとなっており、米、独、仏、豪州のように、生産事業者に補助金を支給する事例も多いとか。政府は、温暖化対策のほか、エネルギー安全保障の観点からもバイオ燃料の安定供給が必要として国産燃料の増産計画を立てているとのこと。現在は、実証試験用に製造される年間30キロ・リットルにとどまっており、農業の経営規模が海外より小さいうえに、政府の優遇措置もないままでは、国産燃料が輸入品との価格競争に勝てる見込みは極めて小さいが、23年までにサトウキビなどから年間5万キロ・リットルを生産し、さらに、稲わらや木材などの廃棄物を原料にした生産技術を実用化することで、42年までに国内のガソリン消費量の約1割に相当する年間600万キロ・リットルを生産するとしているとのこと。農水省は、計画実現に向け、事業の採算性を高めて民間業者の新規参入を促すことが不可欠と判断したとの由。

行政コスト計算書を損益計算書に相当と紹介する日経

 日経が6月8日に掲出した「日銀の行政コスト計算書、1兆673億円の収入超過」は、日銀が8日、民間企業の損益計算書にあたる2006年度の行政コスト計算書を発表したと報じる。日銀が得た収入と費用をみると、1兆673億円の収入超過となり、前年度に比べ42%増えたとか。保有国債の利息が上がったうえ、以前に金融機関から買い取った株式の運用益が増えたことが背景とのこと。


 日銀は株式会社として損益計算書を作成しているはずだが……。


公表資料:第122回事業年度(平成18年度)決算等について

     第122回事業年度 行政コスト計算書の公表について

山県市の選挙公営制度で選挙ポスター代水増し

 ヤフーニュースサイトは6月9日読売新聞配信として「選挙ポスター代、水増し受給の疑い…岐阜・山県市議ら聴取」を掲出。

 記事は、16年4月に行われた岐阜県山県市議選で、候補者のポスター製作費などを公費補助する「選挙公営制度」を利用した複数の候補者が、ポスター代を水増しして受給していた疑いが強まり、県警は現職市議ら数人から詐欺の疑いで事情聴取を始めたと報じる。近く書類送検するとも。調べによると、市議らは、印刷業者と共謀し、実際の製作費より多い金額を市に請求して数万円~数十万円の公費をだまし取った疑いが持たれており、水増し分は選挙用のはがきやパンフレットの印刷代に充てたとか。同制度を定めた市条例は今年3月、議員提案で廃止されているとの由。市は15年に同制度を導入し、ポスター1枚2747円、一人37万845円を上限に、製作費を公費負担したが、16年の市議選では、ポスター1枚1000円程度で製作した候補者がいる一方、2740円を請求した候補者もいて、市民から「無駄遣い」との批判が高まったとか。