公会計の動向 -7ページ目

政務活動費への拡大

 中日新聞サイト北陸ページが11月13日に掲出した「政務活動費の範囲に 県改正案 かすむ調査目的 」〔室木泰彦、田嶋豊〕は、全国の地方議員が調査研究に使う政務調査費が地方自治法改正で来春から「政務活動費」に変わるのを前に、石川県議の政務活動費の使用範囲を定める条例改正案が12日、県議会改革推進会議の会合で示され、新たに要請・陳情活動費や、有権者を含む住民との相談会費などが認められる見通しで、調査研究という当初の目的がかすむような使用例が増える懸念が現実味を帯びると報じる。県議会の条例改正案は、全国都道府県議会議長会のモデル改正案を基に作成され、有権者を含む住民との意見交換の場への参加費、陳情参加費なども認められるもようで、さらに「等」の表記も多く、実際の線引きは困難で、政務調査費より実質的な政治活動に範囲が広がる恐れも出ているとか。現在は、資料作成や購入、事務費、人件費なども会派の「調査研究」に限る規定があるが、改正で「活動」に変わることで、これまで目的外使用で違法とされた事例も合法化する可能性が高いと記事は伝える。県議会は各会派で意見を集約し26日の次回会合で協議するが、ほとんどの議員が了承するとみられ、改正案は30日開会の県議会12月定例会に提出されるとの由。可決すれば来年4月から交付される見通しで、その後、さらに細かい運用規定を定めたマニュアルも改めるとのこと。同じく12月定例会に条例改正案提出を目指す金沢市議会も12日、政務活動費検討会の初会合を開催しており、全国市議会議長会のモデル条例を基に住民相談や要請・陳情、各種会議の参加費も認める方向で検討する見通しとか。

一部事務組合で経営改善した公営病院もある

 朝日新聞サイト北海道ページが11月10日に掲出した「紋別病院が収益向上 」〔小林直子〕は、赤字体質を理由に昨年度、地元5市町村でつくる一部事務組合が道から経営を引き継いだ広域紋別病院(紋別市)の収益が増えていると報じる。道立だった22年度に比べ、23年度の患者数が入院、外来ともに5千人ずつ増加し、診療科の新設や医師の確保の効果が出たかたちとなったと記事は伝える。8日の道議会決算特別委員会で、高橋亨氏(民主)の質問に道側が答えたもので、道立だった紋別病院は昨年4月、道の支援を条件に、紋別市や興部町など5市町村でつくる一部事務組合「広域紋別病院企業団」に経営を移管し、経営改善策として、医師の報酬を前年度の5割増しにして人材を集めやすくしたほか、風邪や腹痛の患者も気軽にかかれる「総合診療科」を新設したとのこと。今年10月現在、医師の数は経営移管前より3人増の14人、看護師は8人増の70人となり、診療態勢が充実し、23年度決算でみると、入院患者は1万9748人と5551人増え、外来患者も6万9670人と5189人の増加となっていて、入院・外来患者による収益は12億9500万円となり、前年度より3億2200万円増えたとの由。病院担当者は、総合診療科の新設やスタッフの充実の効果により、「結果として病院が住民にとってかかりやすく身近な存在になったことが、収益アップにつながった」と分析しているとか。一方、病院の23年度の赤字額は前年度より約2億円減ったものの、8億4900万円で、22~26年度までは、道が分割で支払う補助金収入(総額98億円)が入るため、23年度の赤字はこの補助金で穴埋めするかたちとなっており、27年度以降の対策として、病院は補助金の一部を基金として積み立てながら、赤字対策の検討を進めているとのこと。道内全域でみると、道立病院事業の昨年度決算の単年度赤字額は26億円で、一般会計からの繰入金を除くと赤字額は86億円、累積赤字は計710億円までふくれあがっているとか。道立7病院については、一部事務組合への移管や独立行政法人化など経営形態の見直しを検討中だが、赤字体質の病院を引き受ける地元自治体の理解も必要であり、紋別病院の経営移管の際、道は同病院の累積赤字100億円を引き受けるかたちをとったため、他の7道立病院の累積赤字まで引き受けることは難しい状況とか。道の道立病院室の担当者は、紋別病院の取り組みについて「様々な努力で赤字額が減っている成功事例」と評価しながらも、「他の病院での適用は簡単ではない。ただ、経営難で医師が減れば患者も来なくなり、収益も減る悪循環となる」と話しているとか。


11月分交付税支払延期への対応

 朝日新聞サイト鳥取ページが11月7日に掲出した「県、自治体に融資 」〔佐藤常敬〕は、赤字国債を発行するための特例公債法案の成立が遅れ、同国債を財源とする政府の地方交付税の11月分の交付が見合わされたことを受け、鳥取県が資金繰りに苦しむ県内の自治体に対し、「県市町村資金貸付基金」から一時的に資金を支援することを決め、平井伸治知事が6日、定例の記者会見で明らかにしたと報じる。県財政課によると、基金から最大約80億円の枠で、希望する自治体に低利で貸し付けるとのこと。今回、県は市場金利よりも低利な年利0・3%程度で融資することを予定しているとか。年4回に分けて支払われる交付税のうち、11月の予定額は県分が約340億円、市町村分が約214億円で、県は保有する現金に余力があるため、年内は資金繰りの心配はないとのこと。しかし、市町村の中には、手持ちの現金の不足などから既に、金融機関からの一時借り入れに踏み切ったところもあり、米子市は10月末に約10億円を金融機関から借りていて、同市財政課の担当者は「市民生活に影響を出さないための措置だが、本来的には発生しない金利負担のことを考えると憤りを感じる」と話しているとか。平井知事は会見で、「国のごたごたを自治体の財源の蛇口を止めることで処理しようとしている。財源を保障する立場の国家がすべきことではない」と批判したとのこと。


公表資料:知事定例記者会見(2012年11月6日)


 読売オンライン兵庫ページが11月7日に掲出した「県内市町、悩む資金繰り 特例公債法案成立遅れ 」は、赤字国債発行に必要な特例公債法案の成立が遅れている影響で、国から自治体への地方交付税交付金の支払いが滞り、県内の市町でも資金繰りに追われていると報じる。読売新聞が県内41市町に尋ねたアンケートでは、32市町が財政調整基金などで一時的に立て替える「繰り替え」を行うなど資金調達を余儀なくされており、財政担当者からは「国政の混乱を地方に持ち込まないでほしい」と憤りの声が上がっていると記事は伝える。地方交付税交付金は、自治体間の財政の均衡を図るために人口などに応じて国が配分するもので、交付は4、6、9、11月の年4回だが、今月2日に支払われるはずだった11月分は、道府県分、市町村分とも延期されたままとか。県財政課などによると、今月の交付予定額は県が765億円、市町は718億円で、交付額が予算の49%を占める香美町を最大に、市町平均で12・7%を占める重要財源であり、担当者は穴埋め策に奔走しているとのこと。読売新聞が各市町に、交付遅延に伴う資金不足の補填策を複数回答可で尋ねたところ、▽財政調整基金などの繰り替え(27市町)、▽金融機関からの借り入れ(6市町)、▽地方債発行(3市)、などが挙がっているとのこと。約6億円が不足する神河町は基金繰り替えに加え、金融機関から4億円を借り入れ、宝塚市は基金繰り替えと来年3月予定の地方債発行を年内に前倒しする意向とか。6億円が交付されていない小野市は、遅延が続けば12月10日の職員ボーナス支給を年明けに先送りする方針を表明しており、12月分の職員給与などと合わせた5億円が不足する見込みの猪名川町は、定期預金を取り崩して不足分を賄うといい、自治体は「しなくてもいい苦労で翻弄されている」と政府への不満を募らせていると記事は伝える。一方、財源にゆとりがあり、当面の対策を見送った自治体も、神戸、明石各市など5市町あったとか。現時点で、交付金遅延による事業への影響は出ていないが、「基金の残高が過去最低水準になる」(豊岡市)との声や、複数の自治体から基金繰り替えで利子が逸失されるなど財政悪化を懸念する声も出ているとのこと。県財政課の担当者は「いつになれば、いくら交付金が入るかも分からず、最悪の事態を想定しようにも不確定要素が多すぎる」と頭を抱えていると記事は伝える。


知事の説明を求める各市長

 毎日jp滋賀ページが11月3日に掲出した「下水道公社:解散、採決持ち越しに “随契”に各市長異議 /滋賀 」〔姜弘修〕は、滋賀県の方針で県直営に移行することになった県下水道公社の理事会が2日、草津市の同公社であり、今年度末での公社解散の議案を審議したものの、理事の各市長から解散後の委託契約などに異論が相次ぎ、採決が持ち越されたと報じる。5日に嘉田由紀子知事から説明を受けた上で、改めて理事会を開くことにしたとの由。下水道公社は21年度に県が策定した外郭団体の見直し計画で廃止とされ、解散に向けて準備を進めており、最大の課題だった公社職員の雇用確保は、残る水質監視の技術職員3人が淡海環境保全財団に移ることで見通しがつき、理事会に解散を諮ったとのこと。理事会では、理事の山仲善彰・野洲市長が「職員が移る淡海環境保全財団に業務が随意契約(随契)で委託されると聞いたが、認められない」と口火を切り、近江八幡市の冨士谷英正市長らも「随契だと官製談合ではないか」とただしたとか。県や公社側は「3人が移ることで財団が技術を持つことになる。そこに水質監視業務を委託するしかない」と随契の可能性を認めつつ、「まだ随契と決まったわけではない」とも説明したとか。県と市町の協議会設置など、解散後の下水道運営や業務委託の姿が不明確という意見が大勢で、5日の市長会との会合で嘉田知事に説明を求めた上で再度審議することを申し合わせたと記事は伝える。


公表資料:外郭団体および公の施設見直し計画 平成21 年12 月



 京都新聞サイトが11月5日に掲出した「県と市、議論平行線 行政会議・下水道公社解散問題など 」は、滋賀県の嘉田由紀子知事と県内市長による「県市行政会議」が5日、大津市内で開かれ、県下水道公社の解散問題や重度心身障害者を支える仕組みについて話し合ったが、いずれも議論は平行線のままだったと報じる。県下水道公社は2日の同公社理事会で本年度に解散する議案を提案しているが、水質監視など公社の業務を県の外郭団体・淡海環境保全財団に委託するとの公社側の案に対し、「競争入札によらない随意契約になる」と理事会メンバーの市長から異論が出ていたとの由。県市行政会議で嘉田知事は「琵琶湖の監督責任を負っていただく場合はプロポーザル(企画提案型)方式もある。随意契約の場合はこれまでも透明性を持って説明してきた」と強調していたが、これに対して市長らからは「大規模事業に随意契約を認めることになる。そもそも安易な解散に無理がある」などの批判が出たとか。


青森市文化スポーツ振興公社が元幹部と和解

 毎日jp青森ページが11月3日に掲出した「青森市の公社元主幹着服:損賠訴訟 元主幹上司らと和解 900万円支払いへ /青森 」〔高橋真志〕は、青森市文化スポーツ振興公社 の元主幹=業務上横領罪などで服役中=による公金横領事件で、公社が2日、元主幹の上司ら3人に計約9300万円の損害賠償を求めた訴訟で和解したことを明らかにしたと報じる。3人が公社に計約900万円を支払うとのこと。個別の金額は明らかにしていないとか。公社幹部がこの日、同市内で記者会見して和解内容を説明したもので、対馬忠雄理事長は和解金額について「過去の事例を参考に弁護士と協議した」と述べたとの由。不足分は元主幹に支払いを求める方針とか。この問題は18年に発覚し、元主幹は22年に民事訴訟で約9300万円の支払いを命じる判決を受けたが、元主幹の資産が4811円しかなかったため、公社は当時の上司ら4人の監督責任を追及し、賠償金324万円を支払った元理事長を除く元事務局長ら3人を提訴していたとのこと。


参考:青森市文化スポーツ振興公社の使途不明金問題について市が調査報告

政務調査費削減は福島、三重、徳島の3県のみ

 日経サイトが11月4日に掲出した「政務調査費削減3県のみ 都道府県議会、5年前比 」は、都道府県議会のうち、議員に支給する政務調査費を5年前に比べ減らしたのは福島、三重、徳島の3県だけだったと報じる。44議会は同額で、議員1人当たりの年間支給額は東京の720万円をトップに、大阪、愛知など10議会が500万円を超えていると記事は伝える。


病院事業は黒字化の方向

 信濃毎日新聞サイトが11月2日に掲出した「病院事業が11年ぶり黒字 県内公営企業11年度決算 」は、長野県が1日、県内の市町村や一部事務組合などが経営する公営企業の23年度決算状況をまとめたと報じる。病院事業は医師や看護師数の増加で診療態勢が改善され、同事業の収支は前年度比15億円余増の13億4100万円の黒字となり、12年度以来、11年ぶりに黒字を確保したとの由。総収支も前年度比23億4600万円増の95億4300万円の黒字とか。県市町村課によると、病院事業で収支の改善幅が大きかったのは、長野市民病院の4億4千万円余、伊那中央病院(伊那市)の3億8千万円余などで、全体的に、医療態勢の強化や経費節減などの効果が出ているほか、22年度の診療報酬のプラス改定も影響したとみられていると記事は伝える。23年度末の企業債(借金)残高は、前年同期比3・8%減の計1兆831億400万円で8年連続で減少しており、下水道整備が進み、新たな企業債発行が抑制される一方、償還(返済)も進んだようだとか。公営企業の事業数は、前年度より1事業少ない420で、内訳は、下水道事業が186、水道事業が96、介護サービス事業が50で、この3事業で全体の8割近くを占めており、赤字事業数は前年度より9減の28で、内訳は下水道が14、病院が5、観光施設が5、水道が3などとなっており、病院事業は前年度より5減とか。全体の決算規模は、上田市立産婦人科病院など一部病院の移転、改築に伴う建設改良費の増加などを受け、前年度比0・3%増の計2721億9500万円で、一般会計など他会計からの繰入金は同0・4%増の計632億3千万円で引き続き高い水準にあるとのこと。


公表資料:平成23年度長野県内市町村等が経営する公営企業の決算の状況についてお知らせします (PDF形式:210KB/8ページ)

小林市が観光牧場運営会社を解散させる方針

 毎日jp宮崎ページが11月1日に掲出した「コスモス牧場:26日から休園へ 第三セクター解散で /宮崎 」〔重春次男〕は、宮崎県小林市細野の観光施設「コスモス牧場」を管理・運営する同市の第三セクター「北きりしまリゾート牧場」が、12月末で解散する方針を決めたと報じる。入場者数の落ち込みや経営改善に見通しのないことなどが理由とか。11月1日の臨時総会で正式決定する見通しで、コスモス牧場 も26日から休園すると記事は伝える。同社は6年、和牛オーナー制度で出資会員を集めていた「安愚楽牧場」(栃木県)と子会社の「レストラン安愚楽」、市、JAこばやしが出資して設立し、民間牧場の敷地を借りて7年に動物と触れ合うコスモス牧場を開設しており、副市長が社長を務めているが、市によると、近年は年間約10万人の入場があったものの、口蹄疫や新燃岳噴火に伴う休園、安愚楽牧場の経営破綻による昨夏のレストラン閉鎖などの影響で、23年度の入場者は約5万人に激減しており、市は安愚楽牧場から6月に株式譲渡を受けたものの将来的に資金繰りがつかなくなる恐れがあり、牧場の借地契約期限が26年3月末に迫っているため決断したとの由。


 26日から休園するなら、お知らせが出ていて然るべきだが。


決算重視を説く論調

 さきがけWebが10月30日に掲出した「地方点描:決算[鷹巣支局] 」は、地方自治体の家計簿であり、成績通知表でもある「2011年度決算書案」が、北秋田市議会の決算特別委員会で審査されているが、一般的に税金の使い道を決める予算案審査に比べ、決算案審査はややもすれば執行済みのものとして軽んじられる傾向にあると書き出す。決算は一般会計と特別会計に大別され、北秋田市は一般会計だけでも歳入229億円、歳出222億円に上っており、予算案は市議全員(定数26)で時間をかけて審査するが、決算案は決算特別委員会の市議8人が膨大な決算を比較的短期間に審査しており、一部には「議会で決めた(予算)通りにやってるんだろう」と投げやりな声もあるとか。分厚い決算書は無味乾燥な数字と項目名の羅列だが、よく見ると1年の出来事が詰まっており、例えば顧問弁護士委託料は665万円で、市は昨年度、6件もの訴訟を抱えており、顧問弁護士に毎年払う委託料60万円のほか、着手金や成功報酬として北秋田市上小阿仁村病院組合関係3件で計495万円、市税徴収関連1件52万円、国保税関連2件計57万円を支出したとのこと。このほか、第三セクターの会社や団体に多額の指定管理料や負担金を支出しているが、払いっ放しになっていないか、効果が上がっているのか、など検証すべき点は少なくないと記事は説く。決算審査は住民に代わって行政評価する重要な役割を持ち、審査結果は次年度の予算編成や行政執行に生かさなければ意味がないが、特別委員会の結審が11月半ば近くで、本会議採決が12月定例会では新年度予算に反映しづらく、議会は慎重審議とともに、審査時期を早める努力も必要だろうと記事は締め括っている。


地方交付税の配分を延期せざるを得ない状況

 時事ドットコムが10月29日に掲出した「市町村向けも支給延期へ=11月2日配分の交付税-政府 」は、政府が、11月2日に予定している地方交付税の支給について、道府県分、市町村分とも当面延期する方針を固めたと報じる。今年度予算の財源となる赤字国債発行に必要な特例公債法案の成立が見通せないため、予算執行抑制の一環として判断したとの由。交付税は、自治体の財源不足を補うため、毎年4、6、9、11月の4回支給され、政府は財源が底を突く時期を先延ばしするため、9月分も道府県向けの交付を9~11月に3分割して支給したが、市町村向けは、財政基盤の弱さに配慮して予定通り配られた経緯がある。