公会計の動向 -8ページ目

奥州市土地開発公社の経営検証委員会報告書

 河北新報社サイトが10月17日に掲出した「奥州市土地開発公社事業執行に計画性欠く 首長らの責任指摘 」は、膨大な長期保有地と債務を抱える岩手県奥州市の第三セクター「市土地開発公社」の経営検証委員会が、「計画性に欠ける事業執行が繰り返された」として、歴代首長や議会の責任を厳しく指摘する報告書をまとめたと報じる。公社は市が債務を肩代わりする形で解散するが、「問題を放置してきた組織全体の体質を変えなければ同じ」と関係機関に「猛省」を促しているとのこと。同公社は市町村合併に伴い18年に、約30年間存続した旧市町の三つの土地開発公社から、計100億円の借入金や簿価109億円の保有地を引き継ぎ設立され、国には、再建が最も困難とされる分類に指定されたとか。報告書は「詳細な計画が練られないまま用地取得が先行した」と甘い見通しで事業を行い、負担を公社に押しつけてきた格好の行政側の姿勢を問題視し、「理事長である歴代首長の責任は重い」「議会でも公社経営に対し、踏み込んだ判断が行われていない」と断じたとの由。市は、特例地方債を発行して公社の債務を代位弁済し、本年度中に解散させるが、借入金は86億6000万円に圧縮したものの、市民1人当たりの負担額は利払いを除いて約7万円に上るとか。報告書は16日の市議会全員協議会で示され、小沢昌記市長は「市民の負担をいくらかでも減らしたい」と、販売促進などに力を入れることを強調したとか。経営検証委は元岩手県監査委員事務局長や元市幹部職員ら6人で構成され、6月から作業を進めてきたとのこと。総務省の22年度調査によると、5年以上の長期保有土地の簿価総額は奥州市が東北の土地開発公社の中で2番目に高いとか。


--------

 岩手日報サイトが24年12月13日に掲出した「議会で奥州市長の責任糾弾 土地公社債務問題 」は、奥州市土地開発公社の解散に伴い、市が債務を肩代わりした問題を受け、12日の奥州市議会本会議で理事長の小沢昌記市長に対し、「(経営者として)責任を取らないと市民が納得しない」などと批判が相次いだと報じる。市は年度内に公社を解散するため10月、市の独自財源で返済する第三セクター等改革推進債86億円余を発行しており、これを受け同公社の第三者委が「歴代首長の責任は重い」と指摘し、再発防止を求める報告書をまとめていた経緯があり、小沢市長は「道義的責任をどう示すか困難」と幕引きを図りたい意向を示していたが、同日の本会議では議員から「うやむやは許されない」「債務をつくった歴代首長を明らかにすべきだ」などの意見が続出したとの由。



分収林契約の解約に苦労する群馬県

 東京新聞サイト群馬ページが10月11日に掲出した「分収林解約が難航 再生法申請の県林業公社 」〔池田一成〕は、民事再生法の適用申請を行い、現在手続き中の群馬県林業公社で、土地所有者との分収林の解約が難航していると報じる。9月4日現在、解約不同意と態度保留が633件と全体の43%に及んでおり、公社改革検討会議の委員長を務めた高崎経済大の西野寿章教授は「林業不況と、国の林業政策がおろそかなことに原因がある」とし、官民による木材需要の創出が必要と指摘していると記事は伝える。分収林制度は、公社が土地所有者と契約してスギなどを50年間育て、伐採後の利益を公社が60%、土地所有者が40%得る仕組みで、木材が不足していた昭和33年に特別措置法で開始したが、輸入自由化が進み木材の価格が下落して、公社は167億円の借金を抱え、昨年4月、前橋地裁に民事再生法の適用を申請したとの由。県内の分収林は全体で1492件、面積5107ヘクタール、再評価金額6億144万2588円、そのうち、態度保留を含む解約不同意は633件、同2196ヘクタールで、再評価額は4億9432万9814円で、「買い取る財力がない」「最後まで契約を履行してほしい」などが理由とか。県は、公社解散後に移行する新たな森林整備法人に、解約不同意の分収林を引き継ぐ考えだが、解約が進まないなどの理由で、26年度末めどの公社の解散時期がずれ込む可能性もありそうと記事は伝える。


村長が指名外しを指示したと裁判所が認定

 読売サイト熊本ページが10月10日に掲出した「相良村議会、村長に788万円負担要求 」は、公共工事の指名競争入札を巡り、違法に特定業者の指名外しを行ったとして相良村が敗訴した損害賠償訴訟で、村が9日の村議会臨時会に賠償金や裁判費として計約788万円の今年度一般会計補正予算案を提案したと報じる。ただ、徳田正臣村長が途中退場したため審議入りせず、即日、廃案となったとか。村議会は廃案を決めた後、賠償金などを徳田村長に負担させるよう村に求める決議案を賛成多数で可決したとのこと。決議は「判決で認定されたのは徳田村長が故意に違法行為を行ったという事実だ」としており、議長と欠席・退場者2人を除く村議8人のうち、5人が賛成したとか。徳田村長の退場は臨時会冒頭、小善満子議長の許可を得ず、5日に死去した元村長への哀悼の意を述べようとしたことが発端で、議長から発言をやめるよう何度も求められ、補正予算案の審議を待たずに退場したとの由。閉会後、徳田村長は「哀悼の意も述べられない議会とは付き合ってられない。退場は妥当な判断」と説明し、小善議長は「提案者がいないと(補正予算案の)審議はできない。徳田村長は責任を放棄した」と述べたとか。徳田村長は再度、臨時会を招集し、同補正予算案を提案し直す方針だが、すでに遅延損害金が発生しており、議会側の対応が注目されると記事は伝える。


 毎日jp熊本ページが9月14日に掲出した「相良村・損賠訴訟:村に641万円賠償命令 「指名外しは違法」―熊本地裁判決 /熊本 」〔丸山宗一郎〕は、相良村の発注工事を巡り意図的に指名競争入札から外されたとして、地元の土木建設会社「大乗技建日本」が、村に1628万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁が12日付けで「村長は指名に係る裁量権を乱用、または逸脱した」と違法性を指摘し、村に641万円の支払いを命じたと報じる。判決によると同社は14年度から19年度に100件の指名を受けて計40件を受注していたが、徳田正臣村長が就任した20年度以降は激減し、22年8月まで指名は1件、受注は0件だったとか。同社は訴えの中で「徳田村長の対立候補を支持したことに対する報復」などと主張し、村は「前村長の就任以来19年度まで、受注額が突出しており『破格の特権的処遇』を受けてきた。長期的視点での公平などを図る必要性があった」と反論してきたとの由。裁判長は「徳田村長は指名審査会が推薦した際、原告の指名を拒否した。担当者に指名から外すよう指示したことが認められる」と判断したとの由。徳田村長は取材に対し「判決には事実誤認がある。控訴する方針だ」と答えたとか。


地域の中核的病院が保健医療機関でなくなると

 東京新聞サイト茨城ページが10月10日に掲出した「東京医大問題 国保の払い戻し同意 県と10市町村 」は、診療報酬の不正請求で12月から保険医療機関の指定を取り消される東京医大茨城医療センター(阿見町)と県、周辺の10市町村が9日、県庁で会合を開き、取り消し期間中は国民健康保険(国保)の「療養費払い」制度を活用することで合意したと報じる。療養費払いは、患者が全額を支払った後、保険者の市町村が保険分を払い戻す制度で、センターが患者に代わって保険分の支払いや手続きを代行するため、患者は全額支払う必要はなく、窓口負担は現行通りに抑えられるとか。ただ、対象は救急や人工透析、放射線治療など、保険者が「やむを得ない」と認めた場合に限られており、10市町村で共通した認定基準や運用方法を決める方針とのこと。国保以外の社会保険加入者や10市町村以外の患者らの救済策も今後検討するとか。松崎靖司センター長は会合後の記者会見で「(療養費払いを活用する前に)まずは患者に転院を促していく」と話したと記事は伝える。


宮崎県道路公社は残債ある状況で無料化を実施

 西日本新聞サイトが10月5日に掲出した「30億円返済先送り 宮崎県道路公社 」は、宮崎県内の有料道路を運営する県道路公社が、県出資の約29億8千万円の借金を抱えたまま25年5月に小倉ケ浜有料道路(360メートル、日向市)の無料化に踏み切ると報じる。公社は残る一ツ葉有料道路(16・2キロ、宮崎市)の料金収入で返済する計画と言うが、通行量は伸びず、綱渡りの運営が続きそうと記事は伝える。公社は昭和46年に県の100%出資で設立され、小倉ケ浜と一ツ葉を運営しているが、地方道路公社法に基づき、原則30年間の料金収入などで建設費や出資金の借金を返し、無料化しなくてはならないとのこと。小倉ケ浜は59年の開通当初、最大で年間182万台の利用を見込んでいたが、周辺道路の整備が進み、141万台(平成5年度)をピークに44万台(23年度)まで落ち込んでいるとの由。計画通りの収入は得られていないが、利便性アップを優先し無料化を急いだとか。一ツ葉も当初見込みの1289万台に遠く及ばず、19年の料金値下げ後も519万台(同)と低迷しているため、県から毎年2~8億円を借り入れるなどして運営しているとか。公社は計画の見直しを重ね、借金の返済期限を32年2月末に先送りしたものの、これ以上の延期は同法で認められず、32年時点で借金が残っていれば、県が最終的に負担せざるを得ないとか。同公社の太田親義道路課長は「料金の徴収期間を10年延長し利用拡大に努めている段階。(道路補修などに使う)予備的資金の積み立てを充てるなどして完済できる見通しだ」と強調している。


東京都は条例改正して新電力事業者にも売電可能となった

 MSN産経ニュースが10月4日に掲出した「東電以外にも売電可能に 都の改正条例成立 」は、東京都の水力発電所で発電した電力の売却先を東京電力以外にも拡大する改正地方公営企業設置条例が4日、都議会本会議で可決、成立したと報じる。これまで販売先は事実上、東電に限られていたが、電力会社の送電網を使って電気を小売りする特定規模電気事業者(新電力、PPS)にも販売できるようになるとのこと。公営電気事業での競争入札の導入は全国的に珍しいと記事は評する。都は競争入札で業者を選定することで、増収と電力市場の活性化を狙うもので、都によると、複数の新電力事業者が入札参加に前向きな姿勢を示しているとか。ただ、都は東電と平成31年3月まで売買契約を結んでおり、来年3月までに解約する方向で交渉しているが、東電側は難色を示しており、このため、実際に入札が行われる時期は不透明とか。都は23年度に3カ所の水力発電所(出力約3万6千キロワット)で発電した電気を東電に約10億円で販売した。


大月市は土地開発公社を解散する方向

 毎日jp山梨ページが10月4日に掲出した「大月市土地開発公社:検討委、解散提言へ 9日、市長に /山梨 」〔小田切敏雄〕は、大月市土地開発公社の存廃を検討してきた経営検討委員会が3日、第5回会合を同市役所で開き、公社の経営は既に破綻しており、早期の債務整理のために公社を解散すべきだと結論づけたと報じる。石井由己雄市長に9日、報告書を提出すると記事は伝える。同公社は公共用地の取得などを目的に昭和48年に設立され、市の要請で市営住宅やNEC大月工場用地の先行取得や造成などを行ってきたが、バブル崩壊後、地価下落、当初見込んだ事業の遅れなどで保有地を処分できず、平成15年度以降は毎期欠損金を計上して債務超過状態となっているとの由。この日の委員会では、公社保有地、▽市の事業計画、▽財政状況、の三つの視点から検討し、経営状態から「存続の意義はない」と結論付けたとか。(1)公社は解散、(2)保有資産は市に移管して長期的計画で活用・処分、(3)第三セクター債を使って10~15年で借金を返済、という方針を示したとのこと。


奈良県知事は市町村財政にも目配り

 読売サイト奈良ページが10月4日に掲出した「全市町村 初の黒字 昨年度財政状況 」は、奈良県が3日、県内39市町村の23年度の財政状況を発表し、それによると、記録がある昭和44年度決算以降で初めて全市町村が黒字となった一方、人件費や生活保護費などの義務的な経費が自由に使える支出をどの程度、圧迫しているか示す指標の経常収支比率は平均94・1%と、前年度より1・9ポイント悪化したと報じる。黒字に転じたのは、45年度決算以来、41年ぶりに黒字化して財政破綻の懸念がある「早期健全化団体」から脱却した御所市と、大和郡山、大和高田両市で、3市の翌年度への繰越金を差し引いた実質収支は4800万円~5億4400万円の黒字になったとの由。22年度決算は4900万円~2億6400万円の赤字だったとか。一方、高いほど悪い経常収支比率は4年ぶりに前年度から悪化し、桜井市など24市町村が全国平均の90・3%を上回っており、財政規模が最大の奈良市は3・1ポイント悪化してワースト4だったとか。また、税収などに占める借金返済額の割合を示す実質公債費比率は、香芝市など6市町村で地方債を発行する際に県の許可が必要となる18%を超えており、全国平均の9・9%を下回ったのは川上村など6市町村にとどまったとか。荒井知事は「経常収支比率の悪化幅は全国平均(1・1ポイント)よりも大きく、22年度に全国ワースト2からワースト4に改善した順位が、また下がる可能性がある」として、「市町村は財政状況の改善に健闘しているが、手放しでは喜べない」と述べたと記事は伝える。


政務活動費に関する条例が必要になる

 読売サイト島根ページが10月3日に掲出した「政務調査費使途 拡大を提案へ 」〔矢沢慎一〕は、政務調査費の使途を拡大する改正地方自治法が成立したことを受け、島根県議会が2日、自民党県議連や民主県民クラブに所属する県議ら7人による懇話会(五百川純寿会長)を開き、県政務調査費交付条例の改正案を取りまとめ、11月県議会に提案することで合意したと報じる。改正地方自治法では、政務調査費を「政務活動費」という名称に変更し、「調査研究」に限られていた使途に、「その他の活動」を追加するとともに、政務活動費の使途の具体的な範囲は、自治体ごとの条例で定めるよう義務付けているとの由。県議会は今後、全国都道府県議会議長会 で定められる予定の使途基準の運用指針などを受け、▽政務活動と政治活動・後援会活動を区別する規定を置くか否か、▽政務活動の定義、などを検討し、条例改正案が可決されれば、来年2月にも使途基準などに関する運用方針をまとめると記事は伝える。


大分県出資の26特例法人は、公益22、一般3、解散1

 大分合同新聞が10月3日に掲出した「22団体公益法人化 県出資の対応出そろう 」は、国の公益法人制度改革に伴い、公益・一般法人への移行が必要な県出資の26団体の対応が出そろったと報じる。22団体(移行予定を含む)が税制面の優遇があり、社会的認知度が高まるとされる公益法人化を選び、3団体は一般法人となり、1団体は解散するとのこと。新制度では対象の社団法人、財団法人は来年11月末までに公益・一般法人への移行を申請し、認定、認可されなければ解散とみなされるが、県は県民や関係者への説明責任を明確にするため、各団体に対し、早期の方針決定を求めていたとの由。県によると、県出資の外郭団体(計52団体)のうち、対象となるのは株式会社などを除いた26団体で、このうち、12団体は既に公益法人に移行しており、来年4月には県文化スポーツ振興財団が公益財団法人化するなど11団体が移行を予定していて、来年5月以降に2団体が予定しているとのこと。県公園協会は本年度末で解散するとか。公益法人になるには「公益目的の事業比率が半分以上」などの認定基準があり、国や県による運営面の監督も厳格化されるが、4月に公益財団法人となった県産業創造機構は「もともと公益性が高い事業が多かった。認定を受けることで社会的な信用も高まる」としているとか。4月に公益財団法人化した県奨学会では、税制面の優遇措置として奨学金貸与時の書類に収入印紙を貼る必要がなくなり、「家庭の負担軽減になった」と説明しているとのこと。一般法人に移行するのは、▽県中小企業会館、▽県主要農作物改善協会、▽県自動車会議所、の3団体で、県主要農作物改善協会は常勤職員が1人で「公益化すれば事務量は増えるが、小規模の団体は難しい。税制上のメリットも少ない」としているとのこと。