公会計の動向 -51ページ目

熊本県が裏金有無の調査を開始

 読売新聞熊本ページは7月26日に「県と県教委、来月結果を公表」〔佐々木道哉〕を掲出。

 記事は、宮崎や長崎、岐阜県など全国の自治体で裏金問題が相次いで発覚したことを受け、熊本県と県教委が出先機関を含む全庁的な裏金調査を始めたと報じる。裏金の有無や金額、捻出目的などを調べ、8月に結果を公表するとのこと。蒲島知事は公約で「裏金の調査」を掲げ、6月定例県議会で早期に着手する考えを表明しており、山本隆生教育長も知事部局と歩調を合わせる意向を示していたとか。調査は、知事部局が各部局と地域振興局、県教委が本庁各課と教育事務所、77の県立学校、県立図書館、県立美術館などで実施し、裏金の有無をはじめ、存在が確認された場合は金額、帳簿や証拠書類の有無、捻出目的や方法、保管状況を詳しく報告させるとのこと。調査結果は月末までに集約し、知事部局については蒲島知事が8月に公表するとか。県は官官接待が全国的に問題化したのを機に7年以降、食糧費の支出基準を設けたり、旅費規程の見直しや外部監査制度を導入したりしてきており、県人事課は「現状では裏金を捻出するためのカラ出張やカラ会食などはできない仕組みになっている。念のための再調査で裏金が存在しないことを信じている」と話しているとか。一方、県警は、年1回の警察庁や県による監査のほか、4、5年ごとに会計検査院の実地検査を受けるなど厳重にチェックされているとして、裏金調査は行わないとか。

自主申告で課徴金を減免された談合企業に対しても違約金を請求

 日経は7月26日に「国交省、談合「自首」でも違約金 民事上の責任追及」を掲出。

 記事は、国土交通省が、談合の事実が確定した場合、情報提供により課徴金を免除された業者に対しても違約金を請求することを決め、8月入札分の契約から適用すると報じる。違反を最初に自主申告した企業は刑事、行政処分については減免されるが、民事上の責任は見逃さない方針で、同省は「無駄に支出させた税金は払い戻すべきだ」としているとか。会計検査院が国交省などが発注した水門設備工事を巡る談合で、契約額の1割として算出される計約3億円の違約金は請求されていないことを指摘し、「違反行為による損害が速やかに回復できない状況は不適切」として改善を求めていたとの由。

漁業者に対する燃料補助の方向

 日経は7月23日に「燃料高騰分、9割補助、漁業者対策の自民案」を掲出。

 記事は、自民党水産部会幹部会で22日に了承された、原油高騰で深刻な影響を受けている漁業関係者に関する緊急対策の素案について、省エネに取り組む漁業者を対象に、燃油価格上昇分の9割を政府が直接補てんすることなどが柱で、予算規模は総額数百億円となる見通しと報じる。今後、水産部会などの合同会議で正式決定し、政府の原油高対策に盛り込むよう求めるとのこと。直接補てんは、操業の合理化などにより燃油使用量を1割以上削減する実証事業に参加する漁業者グループ(5人以上)が対象で、昨年12月の燃油価格を基準として上昇分の9割を政府が補助する仕組みとか。

公共工事で入札不調が増加

 朝日は7月5日に「国の公共工事入札、15%が不成立 資財急騰で悪化」〔座小田英史〕を掲出。

 記事は、国土交通省が19年度に発注した公共工事の15%で入札が成立しておらず、不成立割合が11%に急増した18年度をさらに上回ったと報じる。受注後に鉄筋など資材の価格が上がって赤字工事になる可能性が高まり、「公共工事離れ」に拍車をかけたようだと記事は伝える。国交省によると、19年度の発注件数は約1万3千件で、このうち1961件で応札が無かったり応札額が予定価格の上限を上回ったりして、入札が不成立になったとか。人件費の割合が高い土木工事の不成立の発生率は7%だったが、鉄やコンクリートを多く使う鉄橋と建築工事は30%に上っており、鉄筋1トン当たりの価格が、19年3月の6万3千円から20年6月には10万円に急騰しており、アスファルトやコンクリートも高騰していて、受注時の見込みがはずれて赤字になる工事が増えているとのこと。不成立の場合、予定価格を見直して数カ月後に再入札をするが、入札を繰り返しても決まらず工事が大幅に遅れる事例もあるとか。入札不成立は地方自治体の工事でも広がっており、国交省によると、中国・四川大地震を受けて早急な対応が求められている学校の耐震化工事も鉄筋の使用量が多く、敬遠されがちとか。不成立の割合は17年度は5%だったが、18年度に倍増し、17年末の大手ゼネコンの「談合決別宣言」のあとに安値応札が続いて公共工事は業者にとって割が悪くなり、さらに景気回復で民間工事が活発になったため、業者が公共工事を敬遠したことが背景にあったとか。不成立は工事費が6千万円以下で、利益があまり見込めない工事が多く、国交省はこうした工事をまとめて大型事業にしたり、不成立工事は業者側から見積もりをとって新たな予定価格を設定したりする対策をとってきたものの、「資材価格の高騰が不成立件数をさらに増やした」(国交省幹部)との由。このため国交省は6月に、鉄筋や燃料価格が急騰した場合、工事代増加分を業者に上乗せして支払う「単品スライド条項」の28年ぶりの発動を決定しており、公共工事の「不人気」を解消しようとしているが、スライド対象外のアスファルトなどでも高騰は続いており、不成立件数は今後も増える可能性があるとか。

中央三井トラストが公的資金1700億円を返済へ

 日経が6月30日に掲出した「中央三井トラスト、公的資金1700億円分を返済へ」は、中央三井トラスト・ホールディングスが30日、国が公的資金の注入に伴って保有している優先株のうち約1700億円(簿価)を返済すると発表したと伝える。うち約990億円分を2日から4日まで、市場を通さずに整理回収機構から優先株のまま買い入れて消却し、残りの1億7000万株765億円分は普通株に転換したうえで市場で売り出すとのこと。売り出し価格は14日から17日の間に決めるとか。今回の返済で同社の公的資金残高は約1900億円となり、ほぼ半減するとのこと。中央三井トラストは国が保有する優先株が強制的に普通株に転換される2009年8月までに公的資金を完済する方針を打ち出しており、今年度中に一部を返済する方針を4月に表明していたとの由。

落札率99%以上の契約が2907件

 日経が6月30日に掲出した「落札率99%以上が3000件近く 民主集計」は、民主党が30日、中央省庁が18年度に発注した公共事業や装備品購入などにかかわる契約で、一般競争入札や指名競争入札のうち99%以上の落札率となった契約数が2970件に上るとの集計を発表したと報じる。契約額合計は1501億8500万円であり、予定価格と落札価格が同額といえる契約数は510件で、契約合計額は120億600万円とのこと。

国会議員が公費マイレージを禁止する方向

 朝日は6月26日に「国会議員のマイレージ取得自粛へ 衆参議運委員長が合意」を掲出。

 記事は、衆参両院の議院運営委員長が26日に国会内で会談し、国会議員が公費で航空機を利用する際、距離に応じてポイントがたまる「マイレージ」の個人取得を自粛する方向で調整することを確認したと報じる。両院の議運で合意できれば、8月1日から実施するとのこと。衆参両院は遠隔地選出の国会議員に、本人の希望に応じて羽田空港と地元を毎月3~4回往復できるクーポン券を支給しており、受けている国会議員は衆院235人、参院128人とのこと。西岡武夫参院議運委員長は記者団に「官庁のタクシー券問題とは異質だが、マイレージは公費につくので国会議員としては対応するべきだと考えた」と語ったとか。

ほくほくFGが公的資金の一部を6月中に返済

 日経が6月22日に掲出した「ほくほくFG、公的資金200億―300億円を6月中に返済へ」は、北陸銀行と北海道銀行の持ち株会社、ほくほくフィナンシャルグループ(FG)が、国から優先株の形で注入を受けた公的資金の残り約850億円のうち200億―300億円を、公的資金の注入額に10―20%程度を上乗せして買い取る形で月内に返済する方針を固め、23日の取締役会で決めると報じる。優先株を市場を介さず買い入れて消却するとのこと。注入を受けた公的資金約1400億円のうち、すでに返した550億円と合わせ半分は返済することになり、2009年3月期中にも完済する目標の達成へ前進すると記事は評する。

国会膠着のあおりでWTCの再生支援が困難に

 MSN産経ニュースは6月20日に「地域力再生機構の支援困難に WTC最終処理」を掲出。

 記事は、産業再生機構の地方版として内閣府が設立を目指す「地域力再生機構(仮称)」法案が、後期高齢者医療制度などをめぐる与野党対立のあおりから合意のめどが立たないため、今国会での成立が困難な状況になり、継続審議となる見込みと報じる。経営危機に陥っている大阪市の第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC、特定調停が成立)が再生支援事業の主要案件として浮上していたが、WTCの2次破綻に同機構の創設が間に合わない可能性が高くなっていると記事は評する。地域力再生機構は、ダイエーや旧カネボウなど大企業を中心に計41件の再建を手がけ、昨年3月に解散した産業再生機構の手法を引き継ぎ、全国の自治体が抱える赤字三セクや地域中核企業の再生支援を目指すものだが、再生可能な事業を切り離して債権を整理し、投資ファンドを含めた民間に売却するなどのスキームを検討し、自治体の負の遺産を処理することで、地域活性化につなげる狙いがあるとのこと。計画では資本金300億円で、国、都道府県、民間金融機関が3分の1ずつの100億円を出資することになっており、赤字三セク再生の切り札として期待されているが、継続審議となると、次期国会の今秋の臨時国会で法案が成立したとしても、その後に資金集めが始まるため、地方議会の審議などを考えると本格始動は早くても来年度以降になるとか。対象案件とされていたWTCは現在、2次破綻の危機に直面しており、すでに入居する市部局の賃料が高いとの批判から、市は今年4月にさかのぼって8・5%引き下げる方向でWTC側と協議中で、賃料が下がれば、現在の入居率が維持できても平成21年度には破綻する見通しで、さらに賃料が不当に高いとして市民団体が市を訴えている住民訴訟の判決が6月26日に迫っていて、判決次第ではさらに破綻時期が早まる可能性もあるとか。市は処理策の検討に入っており、地域力再生機構の活用も選択肢に入れていたとのこと。平松邦夫市長は19日、WTCについて「中途半端の状態でおいて置くわけにはいかない。地域力再生機構が成立したときに、市民負担を減らしたり、市民に対する説明責任を果たすためにどう利用できるのかを見極めていきたい」と話し、機構設立になお強い期待感をにじませたとか。

公務出張に伴うマイルの個人取得を自粛

 朝日は6月20日に「政府「役人出張時のマイル共通化を」、航空会社「無理」」〔大平要〕を掲出。

 記事は、飛行距離に応じてたまる航空会社のマイレージポイント(マイル)をめぐり、政府が19日、省庁の役人の公費出張で個人のカードにたまるマイルを役所で共通に使えるよう、「公用カード」の発行を航空大手2社に求めたものの、航空会社が難色を示していると報じる。省庁の役人が深夜にタクシーで帰宅する際、運転手からビールや商品券などを受け取っていた「居酒屋タクシー」問題をきっかけに、政府は公務出張に伴うマイルの個人取得を自粛することにし、内閣官房と財務、外務両省の幹部4人が19日、日本航空と全日本空輸を訪れて申し入れたもので、政府は、個人が取得したマイルの返上も検討したが、「それだと航空会社がもうかるだけ」(関係者)であり、マイルを別の公務出張に使えば「税金を節約できる」(町村官房長官)との発想から公用カードを思いついたとか。これに対し、日航、全日空とも「マイルは個人客囲い込みの『おまけ』。別の人と共有はできない」(日航幹部)、「検討が必要となる課題が多い」(全日空幹部)などと否定的な見解を伝えたとか。航空会社が否定的なのは、政府の言う通りにマイルを見直すと、収益が悪化しかねないからで、個人客の囲い込みを狙ったマイルは「出張でためたマイルが家族旅行で使われ、観光需要を生み出している」(日航)が、個人的な観光旅行などの分野はもともと旅行会社向けの安い航空券が多く、マイル利用に伴う利益の減少は大きくないものの、出張などのビジネス分野は正規料金に近い航空券が多く、ここにマイルが使われると利益が大きく落ち込みかねないとのこと。民間企業にも政府と同様の要望はあり、航空会社に申し入れた例もあったが、航空会社が拒否してきたため、「出張でためたマイルを次の出張に使う」という企業はごく一部とか。国土交通省によると、マイルを法人や団体に与える例は海外でもなく、日航と全日空は、海外の航空会社とマイルの相互付与などで提携していて、公用カードの実現には実務上の難しさもあるとのこと。政府側は、今は各社の規定で1人1枚しか持てない「マイレージカード」を私用と公用の2枚持てるようにする案も協議したい模様と記事は伝える。