公共工事で入札不調が増加
朝日は7月5日に「国の公共工事入札、15%が不成立 資財急騰で悪化」〔座小田英史〕を掲出。
記事は、国土交通省が19年度に発注した公共工事の15%で入札が成立しておらず、不成立割合が11%に急増した18年度をさらに上回ったと報じる。受注後に鉄筋など資材の価格が上がって赤字工事になる可能性が高まり、「公共工事離れ」に拍車をかけたようだと記事は伝える。国交省によると、19年度の発注件数は約1万3千件で、このうち1961件で応札が無かったり応札額が予定価格の上限を上回ったりして、入札が不成立になったとか。人件費の割合が高い土木工事の不成立の発生率は7%だったが、鉄やコンクリートを多く使う鉄橋と建築工事は30%に上っており、鉄筋1トン当たりの価格が、19年3月の6万3千円から20年6月には10万円に急騰しており、アスファルトやコンクリートも高騰していて、受注時の見込みがはずれて赤字になる工事が増えているとのこと。不成立の場合、予定価格を見直して数カ月後に再入札をするが、入札を繰り返しても決まらず工事が大幅に遅れる事例もあるとか。入札不成立は地方自治体の工事でも広がっており、国交省によると、中国・四川大地震を受けて早急な対応が求められている学校の耐震化工事も鉄筋の使用量が多く、敬遠されがちとか。不成立の割合は17年度は5%だったが、18年度に倍増し、17年末の大手ゼネコンの「談合決別宣言」のあとに安値応札が続いて公共工事は業者にとって割が悪くなり、さらに景気回復で民間工事が活発になったため、業者が公共工事を敬遠したことが背景にあったとか。不成立は工事費が6千万円以下で、利益があまり見込めない工事が多く、国交省はこうした工事をまとめて大型事業にしたり、不成立工事は業者側から見積もりをとって新たな予定価格を設定したりする対策をとってきたものの、「資材価格の高騰が不成立件数をさらに増やした」(国交省幹部)との由。このため国交省は6月に、鉄筋や燃料価格が急騰した場合、工事代増加分を業者に上乗せして支払う「単品スライド条項」の28年ぶりの発動を決定しており、公共工事の「不人気」を解消しようとしているが、スライド対象外のアスファルトなどでも高騰は続いており、不成立件数は今後も増える可能性があるとか。