公会計の動向 -35ページ目

奨学金の延滞が増加

 東京新聞は10月4日に「奨学金未返済、最高の723億円 08年度、猶予の相談殺到 」〔共同〕を掲出。

 記事は、独立行政法人の日本学生支援機構が4日、20年度の貸与奨学金の未返済額が723億円に上ったと明らかにしたと報じる。19年度の660億円から10%増加して過去最高を更新しており、返済猶予の相談も殺到して月平均約12万件に達しているため、コールセンターを新設して対応を強化したとのこと。機構は、景気悪化に伴う賃下げや雇用情勢の悪化が背景にあるとみており、収入が急減した利用者に対する返済の減免や返済の必要がない給付型への切り替えなどが課題になりそうと記事は伝える。民主党は奨学金制度の拡充を掲げており、22年度の予算編成などでの対応が注目されるとのこと。機構によると、20年度の奨学金利用者は122万人で、前年度に比べ8万人増加しており、今後、延滞者が全額返さなかった場合の「延滞債権額」も、前年度の2253億円から2386億円に増えたとか。20年度の詳しい分析はこれからだが、19年度の延滞理由で最も多いのは低所得で全体の41%となっており、機構は経済情勢の一段の悪化に伴い20年度もこうした傾向が強まったとみているとか。大学院修了後も研究を続ける「オーバードクター」にも年収100万円台の非常勤の人が多く、返済が滞るケースが増えているとのこと。機構は、給与所得が年間300万円以下を目安に、原則として最大5年間返済を猶予しているが、この制度の利用を希望する相談が急増したため「電話がつながらない」とする苦情も多くなっていたとのこと。

2次補正は通常国会か

 東京新聞が10月5日に掲出した「2次補正予算案、年明け提出も 執行停止難航で 」〔共同〕は、鳩山内閣が、家計支援など景気対策を盛り込んだ21年度第2次補正予算案を、来年1月の通常国会冒頭に提出する検討に入ったと報じる。麻生前政権が編成した1次補正予算の一部執行停止が、目標とする3兆円に届かず難航している上、今月中旬からは22年度予算編成作業が本格化し、これを受け当初目指した10月下旬からの臨時国会での2次補正予算案提出、成立は難しいとの見方が強まったためとの由。しかし、亀井静香金融・郵政改革担当相は景気への影響を懸念して年内成立を主張するなど、閣内の意見はなお固まっておらず、鳩山由紀夫首相は今後の経済指標などを注視し最終判断すると記事は伝える。鳩山内閣は衆院選マニフェスト(政権公約)で掲げた政策実現のため、1次補正予算の一部執行停止へ向け、事業の必要性の精査を進めており、9月18日に決定した執行停止に関する方針は「見直しを行う事業を閣議決定し、2次補正および10年度予算に反映させる」としていて、2次補正予算案を編成する方向とか。当初は、4月に廃止された生活保護支給の母子家庭への加算復活などのため、2次補正予算案を臨時国会へ提出することを想定していたが、関係者によると、予算編成の中心となる菅直人国家戦略担当相と藤井裕久財務相は1次補正見直しの難航を受け、周辺に「2次補正は通常国会でいい」との考えを示したとのこと。

利用者から増額して利用会社は減額

 毎日が10月1日に掲出した「成田空港:利用料 11月16日から500円上乗せ 」は、成田国際空港会社が1日、出国客と国際線乗り継ぎ客を対象に、11月16日から「旅客保安サービス料」500円を徴収すると発表したと報じる。航空券の発券時に、従来の旅客サービス施設利用料(大人2040円)に上乗せするとのこと。同社によると、13年の米同時多発テロ以降、手荷物検査やハイジャック防止のための費用が急増し、今年度は約60億円かかる見込みで、「保安レベル維持」を目的に、利用客に負担を求める制度の導入を決めたとの由。また、世界的な景気低迷や新型インフルエンザの流行で発着回数が減少しているため、11月1日以降、航空会社から受け取る着陸料を1トン当たり125円引き下げ、便数確保を図るとのこと。

20年度の財政健全化団体は21市町村

 共同が10月2日に配信した「「財政健全化団体」は21市町村 」は、総務省が2日、自治体財政健全化法に基づき20年度決算から始まった財政悪化度の初判定で、大阪府泉佐野市など12道府県の21市町村が破綻懸念から財政健全化計画策定が義務付けられる「財政健全化団体」になるとの結果を発表したと伝える。21市町村のほとんどは公共投資に伴う過大な借金を抱えており、健全化計画には、公共施設の使用料引き上げなどが盛り込まれる見通しで住民生活にも影響しそうと記事は伝える。

消費者庁の移転で必要な経費

 毎日jpは10月2日に「消費者庁高額家賃:移転でも6億円ムダ 思案の担当相 」〔奥山智己、山田泰蔵〕を掲出。

 記事は、消費者庁が現在の山王パークタワー(東京都千代田区)に入居する際にかかった設備工事などの入居関連費が13億円に上ることが分かったと報じる。移転すれば備品の購入費などを除く6億円が無駄になるうえ、設備工事などに数億円の新規負担が必要になるとのこと。福島瑞穂消費者担当相は、過去分を含めた移転コストと、高すぎると批判されている現行賃料年8億円の減額交渉をてんびんにかけ「どっちが得か」と思案をめぐらせていると記事は伝える。同庁によると、入居関連費の内訳は、▽電気、空調やセキュリティーなどの内装設備工事5.3億円、▽机、椅子、テレビなどの備品2.6億円、▽LANシステム構築費4.3億円、▽設備工事期間中の賃料7000万円、▽引っ越し費用1000万円、となっており、移転の場合、机や椅子などの備品はそのまま運べばいいが、内装設備工事など6億円が無駄になるとのこと。引っ越し先ではもう一度数億円を負担しなければならず、同庁職員は「建設中止になった八ッ場ダムと同じだ」と漏らすとか。しかも、4年半後には入居を要望している内閣府の新庁舎が完成の予定であり、大手不動産業者は「賃料8億円は現状でも相場より安い。格安のビルを選ばなければ移転費用を含め4年間でペイするのは難しい」とみていると記事は伝える。旗色の悪い移転構想だが、与党内には賛成派も多いとか。民主党の中堅議員は「入居コストは前政権が勝手に決めたもので、鳩山政権の責任ではない。しがらみを絶つためにも移転する方がいい。そのためなら数億円のコストは無駄ではない」と話しているとのこと。内閣府が民主党などの反対を押し切って入居先を公募したのは、法案審議中で設置すら決まっていなかった今年3月で、18棟が応募し、内閣府の局長ら幹部で作る審査委員会が同府からの距離を最重要視して採点し、7番目に賃料が高く、2番目に距離が近いいまのビルを選んだとか。契約期間は来年3月末まであるが、明け渡しには原状回復工事が必要なため、少なくとも1カ月前には引っ越さなければならず、新事務所の設備工事期間なども必要なため「月内にも公募しないと間に合わない可能性がある」(大手不動産会社)とか。同庁幹部は「麻生政権の発足前倒しで準備作業が混乱し、いま鳩山政権の移転問題で四苦八苦している。何事も政治主導ですから移転でも、とどまるのでも構いません。早く決めてくれないと仕事が回らない」とぼやいているとの由。

着陸料の値下げを検討

 読売が9月29日に掲出した「空港使用料や着陸料の値下げ検討…国交省 」は、前原国土交通相が空港整備に関連する特別会計の抜本見直しを指示したことを受け、国交省が、航空会社が負担し特別会計の財源となっている空港使用料や着陸料などの値下げの検討を始めたと報じる。国交省は10月初旬をめどに見直し案をまとめ、前原国交相が了承すれば22年度予算の概算要求に反映させる方針とか。国内空港の着陸料は国際的に見て高水準とされ、国内航空会社の国際競争力に悪影響を与えているとの指摘が根強く、政府監督下で再建中の日本航空は、着陸料などの負担が年間1000億円前後に上っていて、負担を軽減して経営再建につなげる狙いもあるとのこと。一方、不採算の地方空港などは、収入の減少により運営が厳しくなる可能性もあるとか。国交省は、これまでも地方路線維持などの目的で限定的に着陸料の引き下げを行ってきたが、今回は本格的な引き下げを検討すると記事は伝える。

国交相は空整特会を見直す考え

 東京新聞が9月27日に掲出した「国交相、空港整備特別会計見直し 代替財源に建設国債も 」〔共同〕は、前原誠司国土交通相が27日のテレビ番組で、日本航空の深刻な業績不振に関連し、需要が少ない地域に空港を整備する一因になったとされる特別会計制度を「最大の問題の一つ」と述べ、見直す考えを明らかにしたと報じる。八ツ場ダム(群馬県)と川辺川ダム(熊本県)の中止を含む143のダム事業などの見直しに続く公共事業関連の改革方針の表明で、各地の空港整備計画に影響しそうと記事は伝える。一方で前原氏は記者団に、那覇空港の2本目の滑走路計画を例に「本当に必要な空港はこれからも整備する」と言及し、代替財源としては「建設国債という話もあるかもしれない」と述べたとか。国内空港の大半は、国交省の社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定で設置、維持されており、前原氏は「特別会計があるためにどんな空港でも造り続ける仕組みになっている」と批判したとのこと。さらに番組後、記者団に「日航に(業績不振の)全責任を押しつけていいのか」とした上で、空港を造った以上は「採算の合わない便を飛ばさざるを得ないという現実がある」と指摘し、こうした悪循環が同社の健全化の「足を引っ張る可能性がある」として、再建計画と特別会計見直しを連動させる意向を示したとか。具体的な検討方法や見直しの時期については「具体的な検討の方向については「一般財源化か、特別会計を違う形で見直すか、わたしの一存では決められない。特別会計全体をどうするのかという政治判断になるので、首相を含めて内閣全体で相談したい」と述べるにとどめたとの由。

21市町村が早期健全化団体

 日経が9月21日に掲出した「「破綻懸念」は21市町村 日経調査、年度内に健全化計画 」は、全国の自治体のうち、北海道由仁町、大阪府泉佐野市など21市町村が、財政破綻の懸念から歳出削減などの計画を求められる「早期健全化団体」になることが、日本経済新聞の調べで明らかになったと報じる。破綻で国の管理下に入る「財政再生団体」は夕張市のみとか。半世紀ぶりに全面改定した地方財政の再建制度に基づくもので、今回が第1号との由。総務省が月内をメドに公表すると記事は伝える。9月にまとまった20年度決算により、21市町村は今年度中に財政健全化計画を作成しなければならないとか。

消えた年金の解消に名古屋市が参加

 東京新聞は9月14日に「名古屋市、「消えた年金」独自調査へ 社保庁に無償協力 」〔中日新聞〕を掲出。

 記事は、国民が支払った保険料が社会保険庁の記録に残っていない「消えた年金」問題で、名古屋市の河村たかし市長が13日、社保庁と連携し、市職員による独自の電話・訪問調査を実施すると明らかにしたと報じる。対象とするのは社保庁の調査がある程度進んで解決の可能性が高い年金記録4千件で、14日から、社保庁の保有する記録を、市が国民健康保険や介護保険を通じて得た個人情報と突き合わせ、10月中旬から電話や訪問調査を始めるとのこと。こうした自治体の協力・調査は前例がないとみられ、全国への広がりを期待する声も高まりそうと記事は評する。社保庁によると、だれが支払ったか分からなくなった年金記録は5千万件余で、半数弱は依然として解明されていないとか。うち770万件は調査の中で年金番号や氏名の一部が間違っているだけで解決の可能性が高いとされるが、当人と思われる人が引っ越したり、電話番号を変えたりして、社保庁で連絡がとれず確認できないでいたとの由。介護保険などで頻繁に情報を更新している市ならば、連絡先が分かる場合が多いとか。本来は国の事務を自治体が引き受ける場合、「委託料」が発生するが、消えた年金問題の解決を市長選の公約にも掲げた河村市長の方針で一切受け取らないとのこと。双方で覚書を交わし、個人情報の扱いにも慎重を期するとか。河村市長は「国のチョンボに対し、自治体は文句を言うだけ。役人はそれでいいかもしれないが、市民からしたら、なにも解決しない。(今回の調査は)納税者へのせめてものお礼。職員がボランティアで汗をかいてもよいぐらいだ」と話しているとか。


 東京新聞が9月15日に掲出した「神戸市「宙に浮いた年金」で調査 受給者特定へ、独自に 」〔共同〕は、神戸市が社会保険庁の「宙に浮いた年金」問題で、年金の受給者を特定するため、市の保有する国民健康保険や介護保険の個人情報を基に独自の調査を行う方針であると報じる。社保庁の作業で記録が特定できたものの、本人と接触できないケースを対象に連絡先を調べるもので、市は2千件程度に上るとみているとか。自治体では、保険料の通知などのため、個人情報を頻繁に更新しており、連絡先が判明する事例も少なくないとみられ、神戸市は、社保庁との協議を経て調査を進めるとしているとの由。

補正46基金の相当部分が交付決定済み

 朝日が9月4日に掲出した「補正予算の基金、6割執行済み 民主、財源に影響か 」〔福間大介〕は、麻生政権が21年度補正予算に盛り込んだ主な17基金(約4兆円)の60.2%にあたる2兆4050億円が既に執行されていると報じる。全46基金(約4兆4千億円)の55%にあたっており、民主党は、基金の執行を凍結して独自政策に振り向ける考えだったが、「財源」の確保は困難を伴いそうと記事は伝える。46基金のうち、予算額が500億円を超える基金の現状を担当省庁に聞いたもので、基金を設ける団体や都道府県に対して交付を決定したものを「執行済み」として集計したとのこと。民主党がマニフェスト(政権公約)で「ムダ遣いの恐れ」があると批判した「緊急人材育成・就職支援基金」(7千億円)と「農地集積加速化基金」(2979億円)は、ともに全額の交付を決定済みで、さらに省エネ家電を買うと付与される「エコポイント」の原資になる「グリーン家電普及促進基金」(2946億円)も含め、5基金が全額を執行済みとのこと。逆に全額が残っているのは5基金にとどまっているとか。民主党では当初、計4兆4千億円の基金から3兆円規模の財源を確保する考えが浮上していたが、基金の「未執行」は2兆円にとどまっており、25年度までに16兆8千億円の「財源」を確保する計画にも影響が出る可能性があると記事は評する。