公会計の動向 -37ページ目

特別会計の説明を充実

 日経が7月14日に掲出した「「特会」の意義、財務省が広報 「埋蔵金」論を意識 」は、財務省が予算の「特別会計」の説明に躍起になっており、ホームページ上で公表した「2009年版 特別会計のはなし」で、「霞が関埋蔵金」など特会批判への反論を展開していると報じる。特会は「得体の知れないものではない」と訴えており、衆院選では、民主党が特会見直しで新規政策の財源を確保することを公約に掲げる方針で、選挙後の財政論議の中心テーマとなる公算も大きく、先回りする形で、広報活動を積極化していると記事は評する。「特別会計のはなし」は財務省が毎年公表する説明資料で、例年は淡々とデータを紹介しているが、今年は冒頭から特会批判への反論を展開しており、国民の目が届きにくく、無駄遣いの温床だとの批判に対し、「受益と負担の関係や事業ごとの収支をわかりやすくする」のが特会の狙いだと訴えているとか。特会批判の代表例の「霞が関埋蔵金」論についてもコラムを設けて反論しているとのこと。


公表資料:平成21年版 特別会計のはなし

民主党による事業仕分け

 読売が7月8日に掲出した「「事業費の28%にムダ」民主が09年度予算を検証」は、民主党が7日、予算の無駄遣いを検証する「事業仕分け」の報告会を開き、21年度予算に盛り込まれた2767事業のうち85事業をサンプル抽出して必要性や合理化の可能性について検討した結果、対象事業費の28・2%にあたる1989億円分に「ムダ」があると結論づけたと報じる。民主党は次期衆院選の政権公約(マニフェスト)の財源に関連して、「国の総予算207兆円から年金給付など必要経費を除いた約70兆円のうち、10%強は歳出カットできる」と主張しており、今回の結果を「主張が裏付けられた」と受け止めているとか。

私大の就活支援に対する補助金

 東京新聞が7月7日に掲出した「文科省、私大の就活支援に補助 400事業を採択 」〔共同〕は、文部科学省が7日、学生の就職指導を進める取り組みに補助をする学生支援推進プログラムとして、私立大などの400件を採択したと発表したと伝える。不況の深刻化で厳しい就職事情の中、就職担当者の増員や説明会の開催など、学校がきめ細かく対応できるようにするのが狙いで、本年度から始めたとのこと。内訳は大学単独の取り組みが296件、短大84件、高専1件で、このほか大学と短大の共同事業が19件あり、いずれも私立校とのこと。「インターネットを利用した求人情報システムの機能強化」(日本大)、「女性の情報技術者養成」(大妻女子大)などの取り組みが選ばれたとか。大学は2~3年間、短大・高専は2年間、国が年間800万~900万円を財政支援するとのこと。

過疎債をソフトにも使えるようにしようという話

 東京新聞が7月2日に掲出した「医師確保に基金創設 新過疎法で自民党方針 」〔共同〕は、自民党過疎対策特別委員会がまとめた、来年4月の施行を目指す「新過疎法」について、地方債の一種である「過疎債」を活用して過疎の自治体が新たに基金をつくり、医師確保や巡回バスの運行といったソフト事業に使えるようにするのが柱となっていると報じる。現行の過疎法が来年3月末で期限切れとなるため、議員立法で今秋の臨時国会提出を目指すとのこと。人口減少や高齢化、基幹産業である農林水産業の衰退が急速に進むと予想される過疎地域で、住民サービスの質を維持するのが狙いとか。過疎債の使途は、これまで過疎自治体の道路や施設整備などのハード事業に限定されていたが、道路などの整備が一定程度進んだことや、過疎地域の存続には今後、生活交通の確保、地域医療の充実、若者の定住促進などソフト面の対策が重要との声が強まったことから、ハード中心の施策を見直すとのこと。具体的には、過疎債で自治体が調達する資金について、基金を通じてソフト事業にも使えるようにし、これまで同様、過疎債の元利償還額の大半に国からの地方交付税を充てるとか。過疎債などの対象となる過疎地域を指定する要件は、人口減少率や財政力、高齢化率といった現行の指標を参考に、今後具体的に決めるとのこと。このほか過疎地域のインフラ整備に対し国が補助率をかさ上げする仕組みは継続する方針とか。


 ハード事業に限定していた趣旨は、ハードの効果が長期間継続するため、単年度で負担するのは不合理である、ということではなかったか。

大阪府発注の下水道業務委託で高い入札率

 MSN産経ニュースは7月2日に「談合? 9割超で1社入札 大阪府発注の下水道業務委託 」を掲出。

 記事は、大阪府が今年1月に実施した下水道施設の運転管理業務の一般競争入札23件のうち22件で、1社だけが応札する「1社入札」だったと報じる。事前に予定価格も公表されたが、落札率は約98%と高止まり状態であり、府は談合などの可能性があるとして落札業者から事情を聴いたが否定されたとのこと。府は府警や公正取引委員会に情報提供するとともに、3年後の次回入札に向けて「1社入札」の改善策を検討するとか。府契約局によると、23件は下水処理場やポンプ場の装置の運転・管理を請け負う業務で、今年3月末から平成24年3月末までの3年契約で、昨年12月に公表された23件の予定価格は1億7315万~25億8040万円となっていて、予定価格の総額は約203億円にのぼり、今年1月中旬に入札が行われたとのこと。22件のうち16件は、最初から1社しか申し込みがなく、残る6件は2~3社が参加したものの、落札業者以外はすべて入札を辞退したか放棄したとか。22件の落札率は92・9~99・9%。で、社が申し込んで「1社入札」にならなかった1件でも、次点の業者は予定価格と同額で応札していたとのこと。22件のうち21件は、前年度の請負業者が引き続いて落札しており、このうち14件は、大阪市の施設管理会社や同社を含む共同企業体(JV)が落札していて、落札総額は約100億円にのぼっていたとのこと。一方、この管理会社が落札した一部入札については昨年12月、外部から府に「特定業者が参加予定10社に辞退するよう圧力をかけたとの匿名情報がある」と指摘があり、府契約局は入札直後の1月下旬、同社などから事情を聴いたが、否定したため、不正が確認できないとしてそのまま契約したとの由。府契約局の担当者は「今回は入札から契約開始まで2カ月余りしかなく準備期間が短かったので、各業者が新規業務の入札に参加するのを避けたのかもしれない」と推測しており、「3年後は入札条件の緩和で競争率を高めたり入札時期を早めたりするなど、改善策を検討したい」としているとか。一方、業界関係者は談合自体は否定しつつも、「業界では、すでに特定の業者が請け負っている“既存物件”は、入札があっても他社は手を出さないという暗黙のルールがある」と指摘しているとか。「1社入札」をめぐっては昨年12月、府が昨年度に発注した下水道施設の電設工事で17件のうち16件で1社入札だったことが発覚しており、橋下徹知事が緊急措置として予定価格の事前公表を中止し、今年4月には参加条件を緩和するなどの改善措置を打ち出しているとか。

19年度決算を参議院は否決

 読売が7月1日に掲出した「07年度決算、参院で否決…首相「誠に遺憾」 」は、参議院が1日午前の本会議で、19年度決算を民主、共産、社民、国民新各党の反対多数で否決したと報じる。決算の否決は18年度に続いて2年連続とか。衆議院は6月25日に可決しているが、決算については、衆院、参院のどちらか一方だけで否決された場合の法律上の規定がなく、実質的な影響は生じないと記事は伝える。本会議では、政府に予算執行の適正化を求める警告決議を野党各党の賛成で可決しており、会計検査院の決算検査報告で、法令違反の指摘件数と金額が過去最悪だったことを批判し、厳正な対処を求める内容とか。これに対し、麻生首相は「参院の理解を得られなかったのは誠に遺憾だ。今後このような指摘を受けることがないよう、改善指導していく」と述べたとの由。

雇用安定基金が急減

 日経が6月28日に掲出した「雇用対策資金、残高3分の1に 労働保険特会、09年度補正後 」は、労働保険特別会計の雇用勘定のうち、雇用対策のために使う雇用安定資金の残高が21年度補正後(予算ベース)で約3200億円と20年度補正後(同)と比べ、3分の1になったと報じる。21年度補正予算で雇用調整助成金のために約6000億円を取り崩すのが響いたもので、雇用情勢は依然厳しく、追加対策が必要になれば積立金がさらに減る恐れがあると記事は伝える。国は失業保険給付に備える積み立てとは別に、雇用対策のために事業主のみから保険料を徴収していて、収入から支出を引いた差額を雇用安定資金として積み立てており、14年度以降、景気拡大や無駄な事業の削減などで雇用安定資金の残高は上昇傾向にあり、19年度末に約1兆円まで積み上がっていたとのこと。

参議院決算委員会が警告決議を賛成多数で可決

 毎日jpが6月30日に掲出した「国会:07年度決算案認めず 」は、参院決算委員会が29日、19年度決算案を野党の反対多数で認めなかったと報じる。ただ、既に執行済みで効力はないとのこと。また、消えた年金記録問題への政府の対応などに関する警告決議案を野党の賛成多数で、「かんぽの宿」の施設譲渡を巡る不透明な契約の是正など9項目の措置要求決議案を全会一致で、それぞれ可決したとか。


 同じ話を、朝日が6月29日に掲出した「07年度決算不承認 参院決算委で戦後初、野党反対多数 」は、参院決算委員会が29日、政府の19年度決算を民主、共産、社民の野党各党の反対多数で不承認にし、さらに、厚生年金の標準報酬月額の記録改ざん問題などをめぐり、内閣に適切な措置を講じて結果を報告するよう求める「警告」を野党の賛成多数で議決したと報じる。決算を不承認にしたうえ、全会一致を原則としてきた警告を野党の賛成多数で議決したのは、現在の議決方法となった昭和42年以降初めてとか。参院は昨年も決算を不承認としたが、警告決議は実現しなかったとのこと。警告は、国費の不適切な経理処理が1254億円と金額で過去最悪となっていることに「遺憾である。政府は事態を重く受け止め、厳正に対処すべきだ」と指摘しており、年金記録の改ざん問題では「被害者の救済に全力を尽くし、刑事告発を含む厳正な処分で、公的年金制度に対する国民の信頼回復に万全を期すべきだ」と政府に対応を求めたと記事は伝えているが、毎日が伝えた措置要求決議には言及していない。

年金運用は過去最悪

 東京新聞が6月28日に掲出した「年金運用、9兆円台の赤字 株価下落で過去最悪 」〔共同〕は、国民年金と厚生年金の積立金の市場運用で、20年度に9兆円台の赤字となったと報じる。単年度の赤字額としては、年金積立金管理運用独立行政法人(旧年金資金運用基金)が市場運用を始めた13年度以来、過去最悪で、赤字は2年連続とか。昨年9月の「リーマン・ショック」後の世界的な株価下落や円高による為替差損が響き、市場運用利回りもマイナス10%前後まで落ち込んでいて、19年度末で7兆円余りあった累積黒字は失われた計算になるとのこと。年金給付にただちに影響が出ることはないが、マイナス運用が続けば年金財政への影響も懸念されると記事は伝える。公的年金の積立金は全体で約140兆円で、うち90兆円余りを、厚生労働相が同法人に委託し、約8割を国内外の債券市場、約2割を株式市場で運用しているとのこと。20年度の市場運用分の収益は、昨年4~6月期が1兆3042億円の黒字だったが、株価下落の影響などを受け、同7~9月期が4兆2383億円、同10~12月期が約5兆7398億円の赤字となっていて、今年1~3月期も赤字は確実な情勢だったとか。市場での運用利回りは昨年4~12月期がマイナス9・13%、20年度通年では10%前後とさらに悪化したとのこと。


 日経が7月1日に掲出した「公的年金、運用損最悪に 08年度9.6兆円、世界株安が直撃 」は、公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が1日i発表した2008年度の市場運用利回りがマイナス10.03%だったと報じる。運用損失は過去最悪の9兆6670億円とか。金融・経済危機による世界的な株安が響いて、過去2年の累積赤字は15兆円強と、市場運用を始めた01年度以降の累積収益に相当する規模に膨らんだとのこと。GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を運用しており、3月末の運用資産総額は約117兆円で、このうち市場運用分が約92兆円を占めているとか。資産構成割合は国内債券が67%、国内株式が12%、外国債券が11%、外国株式が10%となっている。

問題が他にないか調べた偉大な市役所

 朝日が6月22日に掲出した「ふるさと納税20人の住民税控除漏れ 東京・武蔵野市 」は、東京都武蔵野市が22日に、ふるさと納税などで寄付をした市民20人に対して5月、個人住民税を控除せずに計算し、計72万円多く請求していたと発表したと伝える。ふるさと納税は、個人が居住地以外の自治体に寄付したとき、原則5千円を超えた金額分について居住地の住民税と所得税を控除する制度だが、武蔵野市によると、昨年、ふるさと納税や日本赤十字社東京都支部などに寄付した20人に対し、市民税計43万円、都民税計29万円を控除せずに請求したとのこと。担当職員が寄付の領収書や金額の記載を見落としたとか。今月、税額の通知書を受け取った男性が不審に思って市に問い合わせて発覚し、再点検したところ、ほかにも19人に同様の控除漏れが判明したとのこと。