季節柄、数あるクリスマス・ソングの中で、ボクにとって一番扱いたくないナンバーが「サンタ・クロースがやって来る」。

 

原題が「Here Comes Santa Claus」。なぜ扱いたくないのか、というと、メロディがシンプル過ぎて、できればこの時期に歌いたくない曲だからです(笑)。

 

でも本当はシンプルな曲こそ、歌うのが難しいもので、例えば「ジングル・ベル」もそうですよね。クリスマスに浮かれ気分なこれらの曲を歌うのは、あまりカッコ良くないのでなるべく避けたいのが本心でしょう。(本心ってのも変ですが)


この曲がシンプルな構成なのは、作ったのがカントリー歌手だったからというのも関係あるかもしれません。共作した内の一人が、当時人気歌手だったジーン・オートリー。1947年に自演したレコードがこの年の12月にアメリカでは大ヒットしたそうです。


この単調なカントリー曲を超絶アカペラ・コーラス・グループのペンタトニックスは見事に歌い上げています。素晴らしい!楽しい動画です。

 

 

この人の代表的クリスマス・ソング「恋人たちのクリスマス(原題:All I Want for Christmas Is You)」が今年のクリスマス期に発売以来25年ぶりにビルボード誌のHot100ナンバーワンに輝いたことをニュースで知りました。

 

マライア・キャリー。ボクはこの人のファースト・アルバムをCDショップで見つけてジャケ買いして、感服したことを思いだしました。冒頭の「Vision of Love」は素晴らしい歌唱でしたが、ボクはジャケット写真の黒のボディスーツに目がいってしまったことも告白せねばなりません(汗)。あれから30年近く経つのですね。

 

2015年のテレビ番組出演時(らしい)の「サンタ・クロースがやって来る」、とても楽しい映像です。マライア・キャリーがこの曲を近年もこのように歌えるのは素晴らしいと思います。

 

 

さてカントリー出身といっても過言ではないエルヴィス・プレスリーの「サンタ」歌唱もいいですね。本領発揮。彼の独特の喉の奥からしぼり出すような声がなんともセクスィーではありませぬか。環境問題なんかなかったハッピーな時代です(笑)。

 

 

さてジャクソン・ファイヴも楽しく歌っています。これは動画ではないのですが、この当時のマイケルの歌った「ABC」や「アイル・ビー・ゼア」に通じる歌力をここでも感じます。

 

 

ボクの憧れだったドリス・デイの「サンタ・クロースがやって来る」では、彼女の独特の歌唱法が光ります。シンプルな曲をシンプルに歌いつつ、個性を発揮するドリス・デイ。この人の「シークレット・ラヴ」に聴く歌の包容力にボクは子供のころからシビれていました。

 

ちなみに録音は1949年の7月1日だそうです。夏も近づくころに、ドリス・デイのみならず多くの歌手はクリスマス・ソングを録音するのですね。歌手の季節感ってどうなってるんでしょう(笑)。

 


クリスマス・ソングの陰にこの人あり。アーヴィング・バーリンと共に世界に知られたビング・クロスビーが、ボクの大好きなアンドリュー・シスターズと「サンタ・クロースがやって来る」を録音したのはドリス・デイと同じごろの1949年。やっぱり初夏だったのでしょうか?(笑)。

 

 

さてここまできたら、オークリー・ハードマンと一緒にこの曲を作って創唱したジーン・オートリーのヴァージョンを聴かないとね。1947年の録音です。

 


ここまで聴くと分かりました。この「サンタ・クロースがやって来る」が、ボクがブログで扱いたくない、またこの季節に歌いたくないナンバーだった理由に気づきます。カントリー・ソング色が濃ければ濃いほど、歌うのが田舎たく聴こえてしますのです。

 

そうか、ボクが歌いたくない理由はここにありました。納得。