{作詞:喜多条忠、作曲:南こうせつ、編曲:木田高介} 1970年代に入って登場した新しいタイプのフォークソングが、若者の生活感を反映した「四畳半フォーク」。1973年に発売された南こうせつとかぐや姫のアルバム『かぐや姫さあど』からシングルカットされた「神田川」が代表作です。 

 

当時人気を呼んでいた上村一夫の連載マンガ『同棲時代』をイメージさせる歌詞と、ヴァイオリンのイントロの哀感あふれるメロディが、またたく間に全国に広がって、同年10月22日からオリコンシングルチャートの1位を7週続ける大ヒットとなりました。

 

作詞は喜多條忠で、放送局のラジオ番組の構成をしていた時に知り合った南こうせつから作詞を依頼されたそうです。 一方で、ニューミュージックと後に名付けられた荒井由実の最初のアルバム「HIKOKI-GUMO」の発売に先立つこと2か月。

 

日本のポップスの多様化の始まりでしょうか。(なおこの時代にはまだJ-POPという呼び名は登場しておりません。) この曲はさっそく映画化され、東宝映画『神田川』(1973年)でさらにヒットは加速したようです。 最初は映画の予告編(主演:関根恵子、草刈正雄)のバックにレコードのシングルバージョンが背景に使われている映像です。  

 

これだけヒットした曲ですから、カヴァーは多くないのではと思いましたが、意外にもこの人が・・。 桑田佳祐の歌う「神田川」  

 

また福山雅治もカヴァーしています。

 

 

あれだけ大ヒットすると同じテンポ、同じタイプのアレンジが多いはずですが、さすがは吉田拓郎!ロックヴァージョンの「神田川」でインパクトを与えてくれます。

 

女性のシンガーでは坂本冬美のカヴァーアルバム『Love Songs II』に収録された「神田川」です。  

 

最後は、南こうせつとかぐや姫メンバー3人によるライヴ収録映像です。   

 

喜多條忠は、かぐや姫では「赤ちょうちん」、「妹」と続けてヒット作を放って売れっ子作詞家となり、 梓みちよ「メランコリー」やキャンディーズの「やさしい悪魔」、柏原芳恵「ハロー・グッバイ」など、演歌やポップスのジャンルを問わず、多くの作詞を残して、3年前に74歳で亡くなったそうです。 

 

ボクはキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」の季節のご挨拶のようなタイトルと歌詞にビックリした記憶があります。