今から15年くらい前、NHK-BSで放送された『AFI's 100Years 100 Songs(邦題:アメリカ映画音楽ベスト100)』を何気なくVHSビデオで録画していました。これが素晴らしい内容で、アメリカの映画業界関係者が映画100年の間に生まれた映画音楽のベルト100を投票で選んだ結果を紹介するというTV番組でした。

 

しかも映像はオリジナルの場面がふんだんに使われていて、後で観て感激。とりわけ1位に輝いたこの曲について、ボクはアメリカ映画界と音楽界の良心を感じました。この価値観は15年経っても不変だと思います。


1939年に16歳のジュディ・ガーランドが主演に抜擢されて、映画『オズの魔法使い』の劇中で歌った「虹の彼方に(Over The Rainbow)」。エドガー・イップ・ハーバーグ(Yip Harburg)作詞、ハロルド・アーレン(Harold Arlen)作曲。1939年度のアカデミー歌曲賞を受賞しました。

 

これが余りにも有名なシーンですが、その番組での紹介にいろいろなアーティストがそれぞれに熱くコメントしています。

 

・セリーヌ・ディオン;名曲だわ。誰もが子供のころから歌っている。

・ジュリー・アンドリュース;私たち音楽に携わる者は皆、ジュディに大きな恩を感じているわ。

・トニー・ベネット;史上最高のミュージカル歌手だよ。

・キャロル・ベイヤー・セイガー;切ないのに希望に満ちている。

・ポール・サイモン;あくまで大衆向けの音楽なのに、芸術作品としても完成されている。

・ディオンヌ・ワーウィック;“青い鳥”が飛べるなら、私も飛べるはず。

・バーバラ・ストレイザンド;人は皆、何かを求めて生きているわ。愛情や幸福をね。だからこそあの歌に共感できる。魔法のような歌よ。

 

 

次は、ケルテック・ウーマンの2018年地元アイルランドでのライヴです。今はメンバーは2人になったのでしょうか。

 

 

なおこのグループは、荒川静香がトリノ五輪で金メダルを取った時のエキジヴィションの音楽に選んだのが彼女らの「ユー・レイズ・ミー・アップ」だったことから、一躍日本でも人気と知名度が一躍アップしました。が、「ユー・レイズ・アップ」のオリジナルはシークレット・ガーデンなのですよね。

この曲のいきさつにご興味をお持ちのかたは、マイブログを以下のリンクでご参照ください。

(リンク⇒)https://ameblo.jp/popfreak/entry-10129692600.html


さて男性カヴァーの代表は、エリック・クラプトン。バックにビリー・プレストン(key),スティーヴ・ガッド(ds),ネイザン・イースト(b)ら錚々たる顔ぶれをバックに行った2001年9月ロスでのライヴ映像です。

 


大御所フランク・シナトラも1944年発売のレコードで歌っています。この頃のシナトラは、トミー・ドーシー楽団から独立してソロ歌手となり、アメリカのボビーソクサーを熱狂させたアイドル時代ですね。だからこの頃は大御所といううのは相応しくなく、せいぜい小御所でしょうか(笑)。米コロムビア時代のシナトラのレコードは、概ねこのようなストリングスを配した大甘ソングが多く、シナトラらしさを発揮するのは、キャピトルに移ってからというのが定説です。ボクも同感です。

 

 

一転して若者に一番人気のアリアナ・グランデが、マンチェスターでのテロ犠牲者追悼ライヴの最後に涙とともに歌っています。これは同じマンチェスターで行われたアリアナのコンサート終了時に爆弾テロによって数十名の若い命が奪われたことへの追悼のために行ったもの。勇気を出して同じマンチェスターで追悼ライヴを実行した(再度テロの恐れがあるのに)アリアナに敬意を表したいと思います。

 

 

名曲は若い世代に受け継がれて名曲となり続ける。その代表的な曲が「虹の彼方に」でしょうね。

 

さていよいよ来年3月に日本でも公開される映画『ジュディ』は、ジュディ・ガーランドの自伝的映画。主役はレネー・ゼルウィガーで歌も吹き替えではなく、本人が歌っているとのこと。ボクはこの人の『ブリジット・ジョーンズの日記』のプックリした体型に好感を持ったのですが、その時はどうやら役作りのため無理に太ったらしい。こんどの『ジュディ』の予告編を見たら、歳いってからのジュディのガリガリ姿を演じていて俳優業も大変な激務だな、なんて思ってしましました。観なきゃね。

 


さてこれで終わりにすべきかどうか、迷った年の瀬。でも、わずか47歳で世を去ったジュディ・ガーランドのためにも、死の3ヶ月前に行われたラストコンサートで歌った「虹の彼方を」は聴いておきたいと思ったので、ここに(音源だけですが)上げてみました。

お聴きになるかどうかは、ご自身で決めてください。これがボクの今年最後のブログ記事です。今年も読んでいただきありがとうございました。来年も飛び飛びですが、喜んでいただける記事をあげるべく頑張るつもりです。みなさま、良いお年を!popfreak


ジュディ・ガーランド最後のコンサートでの「虹の彼方に」。1969年3月25日コペンハーゲンにて。