
こんな優しいルックスと美しい声の持ち主がジョシュ・グローバンです。
たまたまデヴィッド・フォスターが彼のデモ・テープを聴いていて、1999年のグラミー賞のセリーヌ・ディオンとアンドレア・ボッチェリとのデュエット「ザ・プレイヤー」のリハーサルにジョシュを代役起用します。
そのリハーサルを観客席で聴いていたテレビ司会者が、ジョシュの起用を決めたそうです。マイケル・ブーブレ同様、デヴィッド・フォスターに見出されたシンデレラ・ボーイです。
そしてデヴィッドのプロデュースになる2枚目のアルバム「クローサー」に収録した「ユー・レイズ・ミー・アップ」でジョシュ・グローバンは大ブレイクします。NHKのスタジオ・バークでも出演して歌っています。
こんな曲です。きっと誰でも聴いたことがあるはずです。
ジョシュ・グローバン「ユー・レイズ・ミー・アップ」アフリカの子供たちと一緒に歌っています。
この曲、とりわけ日本では2006年トリノ・オリンピックで荒川静香さんが金メダルを取った後のエキジビジョンで使って一躍有名になりました。アイス・スケート競技の本選では演奏のみしか使えませんが、エキジビションの音楽には「歌もの」がOKなのです。

その時のヴァージョンは、アイルランドの女性グループ、ケルテック・ウーマンの歌と演奏によるものでした。

「ユー・レイズ・ミー・アップ」という曲を遡って行くと、ヨーロッパのある音楽ユニットTHE SECRET GARDEN(シークレット・ガーデン)に辿りつきます。これはかれらのオリジナル曲なのです。
実はいまから5年くらい前、私は知人に誘われて渋谷オーチャード・ホールに彼らのコンサートに行って初めてこの曲を知りました。もちろんジョシュ・グローバンのCDが出る前のことです。
そのコンサートに行く気になったのは、彼らのCDを1枚だけ買っていて、とても優しい音楽性に惹かれていたからです。
そのコンサートは本当に素晴らしいものでした。なかでも初めて聴いた「ユー・レイズ・ミー・アップ」は心に残り、帰りにロビーのCD即売場でこの曲が入っているアルバム「レッド・ムーン」を買い求めたくらいです。
以来、「レッド・ムーン」は愛聴盤のトップ・ランクの1枚となりました。

CDでも歌っているブライアン・ケネディの歌唱ヴァージョンがYouTubeにありました。
シークレット・ガーデン「ユー・レイズ・ミー・アップ」、ぜひゆっくり聴いてみてください。
シークレット・ガーデンは、ノルウェイのラルフ・ラブランド(男性・作曲・keyboard)とアイルランドのフィンヌーラ・シェリー(女性・作曲・violin)のユニットです。
演奏では、アイリッシュ・パイプなどの地元楽器とピアノや弦、さらにはシンセなどの新旧ミクスチャー・サウンドが斬新です。とりわけ「ユー・レイズ・ミー・アップ」はアイルランドのエアーを取り入れた曲だそうで、ケルトの香りがします。

ジョシュ・グローバンとデヴィッド・フォスターからずいぶん脱線してしまいましたが、この曲のオリジナルをどうしても知ってもらいたくてこんな長ネタとなりました。
*次回は、もう一度デヴィッド・フォスターの王道に戻って、セリーヌ・ディオンについてです。