さよならをするために  に対する画像結果

{作詞:石坂浩二、作編曲:坂田晃一} 

 

わが国の歌謡曲の名曲数あるなかで、胸きゅんの切ないメロディ作りのNo.1作曲家は、坂田晃一だと思います。しっとりと心に沁みる数多い美メロの中でも特に好きなのが「さよならをするために」。 

 

これは。浅丘ルリ子と原田芳雄主演のロマンチックホームドラマ「3丁目4番地」(日本テレビ、1972年1月~4月放送)の主題歌で、ドラマ人気の力を得て1972年7月24日から2週連続でオリコンチャート第1位を飾りました。 主題歌は兄弟デュオ、ビリーバンバンが歌いました。まずはレコード音源です。

 

 

この曲の作詞は、ドラマにも出演していた石坂浩二。多才ですよね。 この曲、意外と女性歌手によるカヴァーが多いのです。最初は意表をついて、島倉千代子の「さよならをするために」

 

 

次は、なんとなくこの人が歌うと、こういう風に切なく響くだろうなと予想通りの岩崎宏美による見事なカヴァーです。  

 

歌心のある歌唱もいいですね。中森明菜の「さよならをするために」

 

 

面白いことに、ドラマ『キツイ奴ら』(キツイやつら)で(TBS系で1989年1月4日から3月15日)放送された劇中、流しのような派手な衣装でギターを弾き語る玉置浩二の歌は、短いけれどもなんと素晴らしい。  

 

最後は、成熟してのビリバンの音楽番組出演時の映像です。沁みますね。

 

【ここからは、韓流と坂田晃一に興味ある人へのおまけです】 

 

ボクはこの作曲家に個人的に興味があるので、この際、ご自身のホームページを訪ねてみました。 やはり彼にとってもこの曲は氏のヒット中の大ヒットらしく、以下のような解説が記されていました。 

 

(ご自身のサイトより引用) ========== 

・バロック調の印象的な前奏に続く器楽的なメロディが、歌謡曲、フォークソング全盛の時代に斬新であった。 

・ドラマの背景音楽として多用し得るメロディーとして先に作られたものに、後に歌詞があてはめられた。

 ・民放テレビ曲の主題歌としては初のNHK紅白歌合戦出場。

 ・当時の高校の音楽教科書に採用された。 

============= 

音楽的にも実に的を得た分かりやすい注釈でした。

 

坂田晃一については、ボクが持っている作曲家や編曲家の資料本には見つからなかったので困っていましたが、ここまで丁寧にご自身の作品解説がしてあるサイトは珍しいです。 ついでに彼の主な作曲タイトルを引用を続けます。 

 

============= 

主題歌CD:「もしもピアノが弾けたなら」(西田敏行)、2011年スタジオ・ジブリ作品主題歌「「さよならの夏~コクリコ坂から~」(手嶌葵)他、多数。 挿入歌CD:「鳥の歌」(杉田かおる)、他、多数。 NHK大河ドラマ:「おんな太閤記」、「いのち」、「春日局」。 NHKドラマ:朝のテレビ小説「おしん」、「雲のじゅうたん」、「チョっちゃん」 銀河テレビ小説「わらの女」他多数、金曜時代劇「茂七の事件簿-ふしぎ草紙」、他、多数。 民放テレビドラマ:「3丁目4番地」、「池中玄太80キロ」、「家政婦は見た」、「菊次郎とさき」、「松本清張の点と線、霧の旗」、他、多数。 アニメーション:「母をたずねて3千里」、「南の島のルーシー」、「青春アニメ全集」、他。 映画:日活「無頼」シリーズ、松竹:「ハナ肇の一発大冒険」、東映「日本一短い母への手紙」、「佐賀のがばいばあちゃん」、他。 コンサートプロデュース:「リゾナーレ高原音楽祭」、他、多数。 

============== 

 

いやはや、恐れ入りました。すごいヒットメイカーです。 

 

話題は飛びますが、2000年を過ぎた辺りで突然の韓流ドラマブームが沸き起こったときに、その代表作だった「冬のソナタ」の主題歌を聴いてボクは、「この曲は坂田晃一が作ったに違いない」と妙に得心しました。でも結果は違いました。韓国の作曲家の作品だったそうですが、その時には韓流ブームに興味のない醒めたボクには、メロドラマの音楽のありかたの模範解答は坂田晃一にあり、と納得しました。 聴いてみて違いが分かる人がいたら、教えてほしいくらいです。 「最初から今まで」。作曲 O Suk Joon, ユ・ヘジュン、作詞・歌 Ryuだそうです。

 

 

1998年、韓国の金大中大統領が、国の方針として文化政策を重点とする施策を実践。国を挙げてソフト産業の振興にシフトチェンジしたことは、その後の韓国コンテンツの隆盛を生み出したと言われています。 

 

一方で日本のクール・ジャパン政策、いけてるジャパンなどの無駄金使いの自画自賛を顧みると、クール過ぎてお寒い限りです。