口幅ったいようですが、この曲「カリニョーゾ」はブラジル・ポピュラー音楽(MBPと称される)の父、ピシンギーニャの代表曲です。

ブラジル人と仲良くなりたい方には、このメロディとピシンギーニャという音楽家の名前で接すれば、ブラジル人は大いに心を開いてくれると思います。
(ただし時代も変わっていますので、保証の限りではありませんが・・汗)

ラテン音楽の評論家、竹村淳氏によれば、ピシンギーニャのフルートやサックスの演奏は、「ショーロのお手本のような演奏あると同時に、
人類が誇りうる文化遺産」との高い評価。この曲を始めて聴く人にも、ボサノバの前身のような気持ちいいメロディの味わいが心に沁みるはずです。


最初は、トロピカリズモ時代から現在まで常に(国外追放されながらも)ブラジル音楽界の第一線で活躍しているカエターノ。
チェロのモレレンバウムは、スティングや坂本龍一氏と共演する世界的チェリストです。

カエターノ・ヴェローゾとジャキス・モレレンバウム 2000の共演シーンです。




珍しいマリーザ・モンチの「カリニョーゾ」も味わいあり。この人が歌うくらいですから、いかにブラジルの心を表すナンバーであるかが分かろうというものです。





かのジョアン・ジルベルトも淡々と歌っています。味わいありますね。




この曲が何年に作られたかは諸説あるそうですが、ジョアン・ジ・バロが歌詞をつけて当時の人気歌手オルランド・シルヴァが1937年に初めて録音したレコードが脚光を集めたそうです。
古いオリジナルを聴いてみたいと思います。




やはりエリス・レジーナにも登場してもらわなければ。1978年のライブ映像です。




最後は、アルゼンチンのピアソラを世界に広めたチェリスト、ヨー・ヨー・マがギターと共に録音した音源です。彼は、今度はブラジル音楽の原点を
世界に拡散してくれています。心に沁みます。




かくしてブラジル・ポピュラー音楽(MBP)が世界に愛される最初の機会を作ったピシンギーニャ。

この凝ったメロディが人の心をゆさぶり、ブラジルの代表的音楽家であることに変わりありませんが、竹村さんの本にはピシンギーニャが、曲の構成がジャズに影響を受け過ぎたとの批判を気にするあまり、この曲を表にださなかったからという逸話が紹介されています。


奥ゆかしくて、ハートウォームな名曲「カリニョーゾ」。

ボクのブログのブラジルへのチャレンジ、「ブラジル」「コルコヴァード」「カリニョーゾ」の3曲でワールド・カップ・モードに入り込んでいただければ幸いです。

いざ、日本チームはどこまで行けるかな?楽しみです。