※生成AI作画(提供:Pixabay)

A:工学部・留年のリアル2024

P:毎年、この時期になると、留年について書いた、下の2016年の記事のアクセス数が増えるんですよね。

 

 

農工大の最新【2024年度)の履修案内

https://www.tuat.ac.jp/documents/tuat/campuslife_career/campuslife/course/2024risyu_kogakubu.pdf

によれば、

「知能情報システム工学科では、3年次に進級基準を設けます。
3年次進級基準:1、2年次に開講される知能情報システム工学科の専門基礎科目・専門科目のうち未習得必修科目の合計が4科目以下であること」

Z:つまり、専門科目で未履修が5科目あると、3年に進級できないと…大学・学部・学科の違いはありますが、ぼくらの学生時代よりも厳しいですね。

P: 4年間放置すると、卒業できない学生が増えるので、中間にハードルを設けたのかな? 

Z:コロナ騒動もあったので、20年以降の学部生は気の毒でしたが!

P:そして、生成AI(Google gemini)に「工学部 留年」できいたら、

『工学部においても、留年する学生は一定数います。

岐阜大学教育推進学生支援機構の調査によると、工学部では入学後留年することなく4年間で卒業した学生は78%、残りの22%は1年以上留年しています。(後略)(24年11月23日)

Z: リンク先の岐阜大学の文書(24年度工学部入学生向けPDF)で、文の続きが

3%の学生さんは残念ながら途中で卒業を諦め退学されています。勉強するときはしっかり勉強。遊ぶときは遊ぶ。とメリハリのある生活を意識してください。一番大事なのは、講義に出席すること。単位を取るためにはあらゆる努力をすること。」

たとえ留年しても、あきらめずに卒業された人の方が圧倒的に多いので、がんばってください。

B: 理系学生の青春時代は?

P:がんばると言えば、このごろ通勤電車の中で、学校のテスト期間は過ぎたはずなのに、参考書や単語帳を開いている学生を目にするんですよね。

Z: ぼくの時代でも、お正月を過ぎると、3年生は高校に登校しなくても良かったですが、まだ11月なので。

でも、そろそろ焦ってきますよね。

P: 受験生の夜食といえば、筆者の時代は即席麺でした。

そして、最近CMでみたのが ↓

 

最初の発売が40年前、当時は若者を「ヤング」と呼んでたらしいですね。

このサイトを見てたら、ふと「青春っていつからいつまでか?」気になったんですよ。

Z:「青春18きっぷ」は年齢制限ないみたいですが。

https://tickets.jr-odekake.net/shohindb/view/consumer/tokutoku/detail.html?shnId=124000438

P:実は、中国の古代思想(陰陽五行思想)では、人生を「青春」、「朱夏」、「白秋」、「玄冬」にわけています。

 

 
 青春:誕生~25歳頃まで
 朱夏:25歳頃~60歳頃まで
 白秋:60歳頃~75歳頃まで
 玄冬:75歳頃~
Z:すると、工学部生は、大学院修了までが「青春時代」ということですね?
P: 国公立大・理系をめざすと、12歳~24歳まで、高校受験・大学受験・学部卒業(単位&卒論)、院修了(就活・修論)とあって、青春時代という実感がなかった人も多いと思います。
ただ、今のZくんのメーカー勤務生活(年休120日以上! フレックス勤務)を見ていると、筆者は「ホワイトな春」という言葉が浮かぶんですよね~(筆者の造語です)。
学生のころ、早寝早起き作戦で留年をギリギリ回避したご友人Jくんの職場(やはり大手メーカー)も、推し活で平日2日休んでも平気らしいですし。
Z: Pさんは、仕事のほかにブログも続けて「朱夏」って感じですね。
P:さらに先には、白秋・玄冬…と続くわけです。
学生のみなさんだと、「青春」の先を見るのは難しいと思いますが、先の岐阜大の文書にあった「勉強するときはしっかり勉強。遊ぶときは遊ぶ。とメリハリのある生活」で、今をのりきってください。
 

【工学部/エンジニア Zシリーズ】

 

 

【BGM】

P:スキマスイッチ「奏」

Z:キタニタツヤ 「青のすみか」

【写真】先頭画像以外、筆者

 

A) 担保物権としての抵当権

P: 宅建26で、用益物権と担保物権の違いについて、生成AIが、

  用益物権は、他人所有の土地を一定の目的のために使用収益する権利

一方、
  担保物権は、物の交換価値を支配する権利

と説明。

用益物権の方はイメージしやすかったですが、担保物権の「物の交換価値を支配」というのは? でした。

S: 「交換価値」は、物を売ったときにお金が得られる(物⇔お金)価値のことです。 

「交換価値を支配」とは、売った代金が自分の手元に入るということで、担保物権は、それぞれで、「支配の仕方」が違いますので、ここは「その他・用益物権」の回で、まとめて説明の予定です。

さらに、用益物権と担保物権の大きな違いとして、 

  担保物権には、必ず元になった債権がある

という点です。

ここは、生成AI(Google gemini)に、「担保物権 元になる債権」できいたら

『担保物権の元になる債権は「被担保債権」と呼ばれます。

担保物権は債権回収を目的とした手段であり、被担保債権が存在しなければ担保物権も存在しません

この性質を「付従性」といいます。
担保物権と被担保債権の関係は、次のような例で説明できます。
 AがBに100万円を貸し付けた場合、AはBに返済を請求する権利(債権)を有します。
 AがBの返済能力に不安を感じ、Bが所有する建物に抵当権を設定してもらうと、Bが返済できなくなった場合にAは抵当権を行使して競売にかけ、競売代金から返済を受けることができます。
この場合、貸し付けた100万円が「被担保債権」です。(後略)』(24年11月3日)

P: 抵当権の具体例まで挙げて、説明してくれてますね。

S: 生成AIの説明どおり「担保物権には、必ず元になった債権がある」を、民法の用語でいうと「付従性」になります。

この付従性は、質権・留置権など他の担保物権にも共通ですが、また「不可分性」という概念があって、生成AI(Google gemini)に、「担保物権 不可分性」できいたら、

『担保物権の不可分性とは、担保物権と被担保債権が分けることができない、一体であるという性質です。
担保物権の不可分性の具体例としては、次のようなものがあります。
  被担保債権が少しでも残っていれば、担保物権となった目的物全体に抵当権の効力が及ぶ。(後略)』(24年11月3日) ※1

P: ここも、具体例を挙げてくれてます。

S: 抵当権などの担保物権は、このように、元の債権と切っても切れない関係にあって、その債権譲渡(宅建24)や相続などで債権自体の持ち主が変わったときに、抵当権がどうなるか?  これだけでも、宅建試験問題がいろいろなパターンで作りやすく、逆に勉強する方は大変になります。

B) 住宅ローンと抵当権

P: 「担保物権~」で、ほかにも生成AIに聞いたんですが、事例紹介は、やはり「抵当権」ですね。

S: 抵当権は、質権・留置権など他の担保物権と比べて、土地や建物などの不動産を担保にするときに便利な手段なので、広く利用されています。

宅建23(弁済)の冒頭で、知人(40代)が、マンションを買って、さすがに全額キャッシュとはいかず、住宅ローンを組んだと話しましたが、住宅ローン=借金で、貸した側(債権者)は、この借金の担保として、抵当権を設定します。

この、抵当権の設定のステップをたどると、抵当権がどんなものか? イメージしやすくなると思います。

P: 銀行のホームページなどをみると、

 

銀行の事前審査でOKがでれば、「住宅ローンの契約」→「住宅ローンの融資の実行」、一般的には、銀行に買主・売主・仲介の宅建業者が一堂に会して、その場で不動産登記(所有権移転登記)と抵当権設定登記の手続きが行われるわけですよね。

S: そうです。

ただし、ここでは、仲介業者を省いて、下図のような関係で、抵当権を設定するとします。

 

ここで、C銀行が住宅ローンという形で、Bへ不動産Dの購入資金の一部を貸した(債権E)ので、

  債権者C → 債務者B

P: 当ブログでの、債権/債務関係の矢印(→)の使い方については、宅建17で説明済みです。

また、不動産の所有権移転登記については、宅建03と、宅建09で相続登記等と関連してふれています。

S: 債権者のC銀行は、貸金Eの担保として、不動産Dの所有権がAからB移転した(所有権移転登記)後、不動産Dへ抵当権を設定します。

宅建03で、 不動産登記について

 ・「表題部」は土地・建物のプロフィールのようなもの
 ・「権利部」には、甲区に所有権に関する事項。乙区に所有権以外の権利に関する事項を記載

と紹介して、権利部・甲区(所有権)については説明しましたが、乙区は「所有権以外の権利」とだけでしたね。 ※補足2

法務省の見本(PDF)の乙区まで紹介すると、下図です。

P:朱文字で「見本」とある部分に、ちょうど抵当権設定の記載事項がかいていますね。

S: この見本では、順位番号1だけですが、2,3…と登記されていることも珍しくありません。

宅建試験でも、抵当権の順位問題が出題されることがありますので、今後、また触れます。

 

なお、図の最後に「共同担保目録」の記載欄がありますが、共同担保や共同抵当は、宅建試験ではあまり出題されていませんので、説明はしません。

C)抵当権の実行

S: もし、Bが住宅ローンを支払えなくなると、C銀行は抵当権を実行して、不動産Dを競売にかけます。

P:「抵当権 実行とは」で、生成AI(Google gemini)に聞いたら、

『抵当権の実行とは、債権者が抵当権に基づいて、担保となっている不動産を競売し、その代金で債権を弁済することです。
抵当権の実行の流れは次のとおりです。
 債務者が期限の利益を喪失した場合、債権者は裁判所に抵当権に基づく不動産競売を申し立てる。
 裁判所が不動産を調査し、競売手続きを実施する。
 最高価格の申出人に対して不動産が売却される。
 売却代金は抵当権者の順位に従い配当され、債権が弁済される。
抵当権の実行は、債務者が約定通り借金を返済していなかった場合に行われます。

金融機関は、通常、住宅ローンを滞納して1ヶ月〜3ヶ月経つと督促状や催告状を送付します。(後略)

競売は、裁判所が行うんですね!

S: 不動産を売ったお金は、乙区に登記された抵当権者に順に分配されて(今回はC銀行だけですが)、残りはBが受け取れます。

P: 代わりに、マイホームではなくなると…。

S; 不動産競売手続きについては、2022年宅建試験問4 肢2(賃借権については後になりますが、別記事で)で出題されていますので、

     ※不動産適正取引機構HPより

参考として、下のHPを紹介しておきます。 ※補足3

 

 

実際には、競売でなく任意売却などの方法もあります。

宅建試験では、設問の中で、「不動産を任意に売却」くらいの表現で、詳細が出題されることはありませんが、住宅ローンの支払いが大変そうな方が周囲にいたら参考に ↓。

 


<余談 公売手続き>

P: 上の、マイホーム競売とはスケールが違いますが、先日、ネットで、東京都M市が、地方税の滞納で差し押さえたゲーム機器(Nintendo Switch)を官公庁オークションに出品していました。

官庁だと

  税の滞納 →担当部署が動産・不動産差し押さえ →公売

という流れのようですね。

S: 宅建試験ではさすがに公売の出題はないようですが、実は昨今話題の闇バイトの実行犯には、税金滞納が数十万円あったため、「ホワイト案件」に応募した人もいたらしいですね。

 

 

P: 強盗致死で無期懲役だと、最低でも30年服役…その間当然、スマホなし!

S: 税金滞納だと、相談窓口がありますので、まずは相談することですね。

 

 

P:今回は、そもそも抵当権がどんなものか? そして抵当権の設定、実行のながれなどをざっと紹介しました。

S:次回は「抵当権の効力」を予定しています。

 

【補足】

※1 抵当権の性質

抵当権には「付従性」「随伴性」「不可分性」「物上代位性」という、4つの法的性質があります。

物上代位性については、別の記事でふれます。

※2 乙区に登記できる権利。

 担保権:抵当権,根抵当権,質権,先取特権など
 用益権:地上権,賃借権,永小作権,地役権など

 逆に、占有権、入会権、留置権、使用貸借権などは、登記できません。

※3 参考:裁判所HPより

ページの最初の図で、流れがわかります

 

 

【BGM】

S選曲:BARBEE BOYS 「負けるもんか」

P選曲:SPYAIR 「オレンジ」

【写真】最後(筆者撮影・代官山駅近く)をのぞき、提供:Pixabay

 

序) 宅建Tシリーズ開始1年。令和7年に向けて

P: 令和6年度の宅建試験が、10月20日(日曜)に行われました。

Sさんは受験されなかったわけですが、令和7年度は宅建試験受験・合格をめざすつもりですよね?  

S: はい。 ※補足1
ただし、あくまで目的は、「住み替えにむけての知識を身につける」
その手段が「宅建試験合格をめざす」です。

さらに、約1年間この宅建Tシリーズを続け、大学生時代に専攻した「民法」を、60代になってあらためて勉強してみて、20代のときとはまったく違う「深さ」で学べてます。
P: 筆者は逆に、学生時代にはカリキュラムの事情で「法学入門」すら履修できなかったんですが、本シリーズを文章にまとめるために、生成AI(Google gemini)の助けを借りながら、民法に触れて、いろいろ社会常識も身についたと思います。
しかし…、口語化されたと言っても、民法(法律)の条文は…。 ※補足2
 例:『第242条 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。ただし、権原によってその物を附属させた他人の権利を妨げない。』

S: 残念ながら、宅建試験の出題でも、民法ほかの法律の言い回しで出題されます(下は2023年試験問3の一部)ので、

このシリーズでも、だんだん条文の紹介が増えてきましたね。

ただ、Pくんのおかげで? 法学未履修者はどこでつまずきやすいかが分かりましたので、そこを重点的に説明してきました。

A) 令和6年 宅建試験・民法の出題は?

P:今(24年10月末)のところ、公式ページ(補足1参照)にはまだ、令和6年の試験問題は掲載されていませんが、ネットには載ってますね。
S:下記のサイト

 

 

によれば、今年も「不動産登記法」「区分所有法」を含む「民法など」のジャンルで、14問出題されています。
P: 問8の問題は、宅建24の、B)民法の「発信主義」と「到達主義」 を見ていれば、肢1を読んだだけで、正誤が判断できましたね。
S: 問8は、いわゆる条文問題と言われる問題で、これからも、短くて重要な条文は、出題されるとみておいた方がよいでしょうね。
ちなみに、問8の肢4(民法第5条)は、宅建13で条文を紹介ずみです。
P: 問6は、正しい肢が何個あるか? を答える、いわゆる個数問題ですね。
S:各肢とも正確な知識がないと、個数問題は解けないので、民法に限らず、試験対策としては大変ですが、下記ページのアドバイスのように、少なくともケアレスミスは避けたいところです。

B) 令和7年 宅建試験に向けて 新・基本テキストでのぞむ

P: 当ブログでは、まだ民法の抵当権の説明も済んでない段階ですが、これから約1年で、民法から借地借家法・建物区分所有法・不動産登記法(仮登記)まで、終えられますかね?
S: 宅建Tシリーズでは、宅建試験合格もですが、本来の目標である「住み替え」に関連する知識も、随時まじえて書いていきたいと思いますので、焦らずに行きます。
P: この1年でも、相続登記の義務化空き家管理制度とかありましたよね。
あと、昨今は、首都圏で闇バイト強盗に郊外の一戸建てが狙われるので、S家も心配では?

 

 

S: そうなんですよ。

住み替え先として、中古一戸建てでなく、マンションも検討となると、「建物区分所有法」(試験で例年1問)は、自分たちのためにしっかり勉強するつもりです。 ※補足3

一方で、宅建試験合格をめざすとなると、基本テキストを新年(令和7年1月)から、

「2025年版 らくらく宅建塾 」 (24年12月下旬発売予定)にする予定です。

 

 

Pくんも、これまではLECの「合格のトリセツ」を読んでくれてましたが、次は上記の「らくらく宅建塾 」 になります。

P:「合格のトリセツ」は、まったく法律の知識のない人が読んで、宅建試験に必要な基礎知識がどんなものかを、概観するには良いと思いました。

ただし、今年の試験問題と見比べると、この本(3分冊)だけで、宅建試験合格は…。

S: 宅建試験合格のためには、高校・大学入試と同様「過去問集」も必須なんですが、まずは、上の基本テキスト25版で、年始スタートの予定です。

 

P:では、年内は?

S: 前回(宅建26)、物権①として用益物権を説明したので、本来は、残りの担保物権、留置権・質権などを紹介する予定でしたが、先に宅建試験でも頻出の「抵当権」を理解してから、抵当権との比較で覚えていく方がよいと思いまして。

年末までに、抵当権・根抵当権・法定地上権の説明がすめばよいですが。

P: 「合格のトリセツ」によれば、抵当権や不動産登記法の出題は、難問が多いそうですね。

S: 下記の記事に、「抵当権」の重要な過去問が紹介されています。

https://ss-up.net/teitouka.html

記事中でも、紹介するかもしれません。

 

【補足】

◎補足1

 宅建試験は、(財)不動産取引推進機構が実施しています。公式試験情報は↓

◎補足2 ※Sさんによる補足

Pくんが、法律の条文と格闘しながら着実に前進してるのは、高校生時代から、「孫子推し」で、漢文を幅広く読んできたためと推察しています。今回(宅建27)も、本来なら、宅建26:物権①の続きで、担保物権を取り上げる予定が、見送ったときも、"(抵当権以外の)担保物権は、宅建試験的には鶏肋でね”で、あっさり納得してくれました。』

◎補足3

ネット情報によれば、「賃貸されている部屋」が多い物件や、管理費・修繕積立金が安い物件は避ける など一戸建て以上に、隣近所との関係が要注意らしいです。あと、床の工法=直床工法と二重床工法の違いとか。

【BGM】

S選曲:BOOWY 「B-BLUE」

P選曲:SPYAIR 「青」

【写真】 撮影:筆者 撮影地:代々木・渋谷・代官山

 

※宅建Tシリーズと「基本テキスト」については「序章」をご覧ください。

A)民法の物権は10種

P:「物権」と「債権」の違いについては、宅建06に、生成AIに尋ねた回答を載せまして、物権の代表例が、

  所有権・地上権・質権・抵当権 [担保物権]

でした。

そういえば、所有権以外は、これまであまり縁がありませんでしたね。

S:民法の物権の種類を、生成AI(Google gemini)に「民法 物権 種類」できいたら、

『民法で定められている物権には、次の10種があります。 

※筆者Pが付加した丸数字や★などのマークについては後述
 ①占有権
 ★所有権
 ★地上権
 ・永小作権
 ②地役権
 ・入会権
 ③留置権
 ④先取特権
 ⑤質権
 ★抵当権(根抵当権を含む)
物権は、法的に物の支配を根拠づける権利で、民法第2編で定められています。

本権と占有権の2種類に分類され、本権は所有権と制限物権に分類されます。

制限物権は、物の利用・収益・処分のどれかに対し何かしらの制限・制約を受ける物権で、用益物権と担保物権に構成されています。
用益物権は、他人所有の土地を一定の目的のために使用収益する権利で、地上権、永小作権、地役権、入会権などが該当します。

担保物権は、物の交換価値を支配する権利で、民法上法律の定めがある典型担保物権と、慣習等で認められる非典型担保物権に分類されます。

典型担保物権には、抵当権、質権、先取特権、留置権などが該当します。』(2024年10月14日)

分類は、文章だけだと分かりにくいので、図にしました。

宅建試験で重要な★の権利のうち、所有権は独立した記事で説明済み、抵当権は今後説明予定です。また、地上権は、今回は簡単に触れて、抵当権や賃貸借と関連したときに、また説明します。

なお・印の永小作権と入会権は、大学の授業でも「教科書を読め」レベルだったと記憶してますので触れません。

B)それぞれの物権について

B-1 占有権

P: 占有権だけが「本権以外」で、別格という感じですね。

S:「物権」は文字通り、「物の支配の権利」なんですが、その支配のありようが、占有権と他の物権とで違うんですよ。

ここも、生成AIに「本権 占有権」できいたら、

『有権と本権は、物権を区別する概念で、次のような違いがあります。
◎本権
物の支配を根拠づける法的な権利で、所有権や賃借権、質権、地上権などが該当します。
◎占有権
物を現実に支配しているという事実状態を尊重して、法律上認められている物権です。自己のためにする意思を持って物を所持することによって取得します。
占有権は事実上の支配関係を保護するための権利として認められており(後略)』(2024年10月19日)

P: 占有権は、現実世界でモノを占有している状態を保護する権利で、他の権利はバーチャルな法的世界で、物を支配できている権利…というイメージですね。

宅建10(取得時効)で、所有権といっしょに触れていますのでごらんください。

 

B2 本権>制限物権>用益物権

B2-1 地上権

S:占有権以外の権利(本権)は、「物の支配を根拠づける法的な権利」ありましたが、「地上権」は文字通り、他人が所有する土地の上に、建物や草木を所有できる権利です。

民法265条

『地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。』

条文はシンプルなんですが、土地所有者はいったん地上権設定の契約をすると、自分の所有地であっても、自分はその土地を使用できなくなります。

P: では、地主さんにとって地上権を設定するメリットは?

S: 契約時の取り決め次第なんですが、一定の地代を支払ってもらえることでしょうね。

土地を持っていると、固定資産税がかかりますから、今後も使う見込みのない土地からお金が入るなら…と。太陽光発電設備などでは、よく地上権が設定されたようです。

あと、法定地上権といって、たとえば、建物と土地の持ち主が、別々になったら、自動的に建物に設定される地上権もありますが、こちらは、抵当権について触れた後の説明になります。

また、地上権は賃借権(債権)との相違が、たとえば2022年の宅建試験でも、下記のように出題されていますので、賃借権と併せてくわし触れます。

※不動産適正取引推進機構HPより

 

B2-2 地役権

P:  地役権は、文字通り「土地を役だてるための権利」ですか?

S: ここも条文をみましょう。

280条

『地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。(後略)』

「他人の土地を自己の土地の便益に供する」の部分は、Pくんのイメージに近いですね。

ただ、この地役権では、下の281条のように、他人の土地を「承役地」、自分(地役権者)の土地を「要役地」と呼んでいまして、ここの記憶は、時間がたつとけっこうあいまいになるんですよね…。

 

民法281条

『1: 地役権は、要役地(地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2: 地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。』

 

P:  では、筆者Pが地役権者になりたくて、Sさんに地役権の設定をお願いする立場だとして、条文に補足すると
『280条 地役権者Pは、設定行為で定めた目的に従い、他人Sの土地を自己Pの土地の便益に供する権利を有する。(後略)』
『281条
1: 地役権は、要役地(地役権者Pの土地であって、他人Sの土地から便益を受けるものをいう。以下同じ。)の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し、又は要役地(※地役権者Pの土地)について存する他の権利の目的となるものとする。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

2:  地役権は、要役地(※地役権者Pの土地)から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない。』

S: Pくんは、要役地が自分の土地で、地役権者という設定で覚えておくと、下記のような出題(2020年12月問9)でも迷わないと思います。

地役権は、ひんぱんに出題されることがないようなので、詳しくは下のリンク先などをご覧ください。

 

 

C:相隣関係(民法改正2023)

S: 地役権は当事者同士の話し合いで契約により設定されますが、事情によっては、下の210条のように、他人の土地を通行する通行権を、民法で認めています。

民法210条

『1:他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2: 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。』

民法211条

『1: 前条(210条)の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
2: 前条(210条)の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。』

条文の中身は紹介しませんが、212条で、通行料(償金)について規定しています。

P: 通行料を払わないとどうなるんですか?

S: 判例によれば、通行権自体はなくなりませんが、償金は債務不履行の扱いになるようです。

ちなみに、この通行権と同じような考え方を、ライフライン(水道・電気・ガスなど)に拡張した、

「第213条の2」が、2023年4月施行の民法改正で加わりました。

本文では、第1項だけ紹介しますが、

『土地の所有者は、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用しなければ電気、ガス又は水道水の供給その他これらに類する継続的給付(以下この項及び次条第一項において「継続的給付」という。)を受けることができないときは、継続的給付を受けるため必要な範囲内で、他の土地に設備を設置し、又は他人が所有する設備を使用することができる。』

この権利を、基本的テキスト(24年版)208ページでは、「隣地使用権」と呼んでいまして、23年改正で追加変更された、「竹木の枝と根」の規定や、前述の「通行権」、「目隠し」とともに、「相隣関係」の括りで、紹介しています。

P: Sさんこだわりの、「竹木の枝と根」の規定は、いちはやく宅建02(補足1)で話題にしていました。

S: 23年宅建の問2については、下記リンク先などをご覧ください。

 

 

「相隣関係」は民法改正がらみで、今後も形を変えて出題されるかもしれませんので、もしも24年試験で出題されたら、補足します。

なお、23年改正の資料(法務省作成)は、

https://www.moj.go.jp/content/001396638.pdf

 

P:担保物権については、まず抵当権から。

留置権・質権などの「その他」の担保物権は、その後になるそうです。

 

【BGM】

S選曲:Aimer 「茜さす」

P選曲:I Don't Like Mondays.「重ね色」

 

写真提供:Pixabay

※宅建Tシリーズと「基本テキスト」については「序章」をご覧ください。

※以下で、「2020年改正資料」としているのは、法務省作成の 「民法(債権関係)の改正に関する説明資料」(PDF)

A) 民法が適用される? されない?

S:「契約不適合責任」は、民法改正(2020)前は「瑕疵(かし)担保責任」といいました。

P:やはり、改正後の「(引き渡した物が)契約に適合しないときの責任」の方が、直感的に分かりやすいですね。

というか、「瑕疵」とか、松岡圭祐さんの小説の読者(『瑕疵借り』)じゃないと読めないでしょ!

S; 基本テキスト71ページによれば、宅建業界では、「売主の担保責任」と呼んでいたようです。

  売主が宅建業者で買い主が一般人

のときは「宅建業法」の規定(自ら売主制限)が適用されますが、 

  売主が一般人(宅建業者以外)のときは、「宅建業法」(自ら売主制限)は適用されません。

P:「宅建業者じゃない売主」なので、当然ですよね。

S:ちなみに、売主が宅建業者でも、相手も宅建業者のときは、やはり宅建業法ではなく、民法の出番です。

P: 覚え方としては、

  「売主が宅建業者で買い主が一般人」のパターン以外は、民法の守備範囲 ※1 ※2

ですね?

S: そうです。ちょうど、2020年(10月)宅建試験問42で、「売主が宅建業者で買主が~」のパターンで4肢出題されていました。

 

ただし、宅建業法がメインの出題です。

宅建業法も学習済みの方は、下記リンク先をごらんください。

 

 

B)民法の「契約不適合責任」の中身

B-1) 契約不適合責任とは?
S: 「契約不適合責任」については、生成AI(Google gemini)に、「民法 契約不適合責任 わかりやすく」できいたら、 

『民法における契約不適合責任とは、売買契約などの対象となる目的物が、種類や品質、数量に関して契約内容と異なる場合に、売主が買主に対して負う責任です。 
契約不適合責任の主な特徴は次のとおりです。
 2020年4月1日に施行された民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」が名称変更されたものです。
 契約内容に適合しているかどうかが問題となり、隠れた瑕疵かどうかは関係ありません。
 責任追及の手段として、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除の4つが認められています。
 契約不適合責任の期間制限があり、注文者は不適合を知った時から1年以内に請負人に通知しない場合は、契約不適合責任を追及する権利を失います。
契約不適合責任が問題となるケースとしては、次のようなものがあります。
 引渡された建物に雨漏れや傾きが見つかった場合
 土地に土壌汚染が見つかった場合
 事件・事故物件における心理的瑕疵(後略)』(2024年10月12日) ※3

P: 事例紹介に、「事故物件」をあげるとは!

B-2) 契約不適合責任の詳細

S; 宅建試験対策のために、下線を引いた部分を、順に補足すると、

 

①目的物が、種類や品質、数量に関して契約内容と異なる場合

→基本テキスト73ページに、「権利に関する契約不適合」の例として

 ・移転した不動産に、地上権や地役権がついていた場合

と、

 ・権利の一部が他人の所有

が紹介されていました。

P:「権利の一部が他人の所有」というのは、宅建06で、[不動産の共有、分割、二重譲渡」などを取り上げてますので、なんとなく見当はつきます。

そして、この宅建06で、「債権」と「物権」の違いにも触れて、物権の例として、「地上権」という名前だけは出てましたね。

S; 大学の民法の授業だと、「物権」を、下記ページのように分類して、それぞれの権利について学習するんですよ。

 

ここで出てきた、地上権は、宅建試験では「賃借権」との比較で出題されることが多いので、そのときにまた触れますが、地役権も2020年12月の宅建試験で出題されたりと、物権を一度まとめて説明した方が良いと思いましたので、次回は、地上権・地役権などの「物権」で。

② 隠れた瑕疵

S; 2020年の改正前の民法には、「隠れた瑕疵」という概念があって、そうなると、買主がその瑕疵を知ってたか? が問題になりますよね。

P: 前回も登場した、善意/悪意とか、過失/重過失が問題になると。

S:そこは、有名な判例で

  「瑕疵」は「契約の内容に適合していないこと」を意味するもの

としたのですが、それを改正で明文化しました(「2020年改正資料」42ページ)

民法 第562条
『1;引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2: 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。』
 

③ 買主の責任追及の手段

S: 売主から、契約の内容に適合しないモノを引き渡されたとき、買主は

 ・追完請求

 ・代金減額請求

 ・損害賠償請求(宅建21)

 ・契約解除(同上)

ができます。

追完請求は、上にあげた562条ですね。

P: この条文は、改正後の条文のためか、文章を読めば、なんとか意味がわかりますね。

S:では、代金減額請求も。ここも改正後の条文です。

民法第563条
『1:前条(562条)第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
2:前項(563条1)の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
 ①  履行の追完が不能であるとき。
 ② 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
 ③ 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
 ④ 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
3.第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。』

P: この条文も、中身を覚えろと言われると大変でしょうが、文章の意味は分かります。

「相当の期間」を定めて追完の「催告」とありますが、「相当の期間」ってどれくらいでしょうかね?

S; 調べてみましたが、明確な数字は出てませんでした。

生成AIの回答の例

 引渡された建物に雨漏れや傾きが見つかった場合
 土地に土壌汚染が見つかった場合

の2つでも、当然、「履行の追完」に必要な時間は違いますので、ケースバイケースでしょうね。

 

「4つの救済方法」の参考に、「2020年改正資料」43ページの表を載せます。

 

④期間制限

S: ここも2020年改正の箇所です。

民法 566条

『売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内その旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。』

ここは、改正前は「1年以内に(裁判上の)権利行使が必要」だったのが、「不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知」に変更されました。

P:種類や品質以外の不適合=今までの説明を聞いた限りでは、数量や権利に関する不適合 については、どうなりますか?

S: 566条のような、別途の条文がなければ、一般的な「消滅時効」の規定が適用されます。宅建11 ↓ をご覧ください。 

 

 

P:次回(宅建26)は、文中でSさんが話したとおり、「物権の概要」を予定しています。

 

 

 

【補足】

※1 基本テキスト108ページに、表がのっています

※2 「契約不適合責任」は、民法だけでなく「商法」にもあります。
生成AI(Google gemini)に、「契約不適合責任 民法 商法」できいたら、
『民法と商法における契約不適合責任は、次のような違いがあります。
適用範囲:民法は一般的に適用され、商法は商人間の売買に適用されます。
請求期間:民法と商法の両方で請求期間には制限があります。(後略)』(24年10月7日)
宅建試験の出題範囲外のため、当ブログではふれませんが、不動産売買の実務上はいろいろな注意点があるようです。

※3「AIの父」ヒントン名誉教授のノーベル賞受賞については、いずれ(年末年始?)、宅建Tシリーズ以外の記事で、触れる予定です。

【BGM】

S選曲:オフコース 「哀しいくらい」

P選曲:I Don't Like Mondays. 「Summer Ghost 」