とこかげカルテット㊴
結局達也とリーは、二人そろって桐谷に拳骨をもらい、朝から大きなたんこぶをこしらえる羽目になったのである。「アイヤ~、まじで悪かっタ!」「本当だよ…」 自分も避けたとはいえ、達也はほとんどとばっちりのようなものだ。日本人ぽく手を合わせて謝罪するリーの向かいの席で、ざるそばセットを食べながらため息をついた。「よう、お前ら」「アッ…」「き、桐谷さん…」 ちょうどそこへやってきたのは、親子丼セットの乗ったトレーを持った桐谷だった。さっきあんなことがあっただけに妙に気まずい。「いやぁ、さっきは悪かったな。暑さでストレスたまっちまっててよ」「「い、いえ…」」 とりあえず桐谷の機嫌が直っているようなので、達也とリーはホッとした。