先月下旬に、年金改革関連法案が国会で賛成多数で可決されました。日本維新の会以外の野党はこの法案に反対していました。

 

日本を破滅させたい(偽)民進党は、年金カット法案などと事実とは異なるレッテル張りをし、テレビや新聞などの反日系のマスコミがそれをそのまま垂れ流して印象操作を必死にしていました。

 

(偽)民進党の柚木道義衆議院議員は、衆議院厚生労働委員会でデタラメな数字を書いたフリップを持ち出して、誤った数字だけを独り歩きさせようという国民を騙すようなことをやっていました。

 

柚木氏は、このフリップの使用を許可されなかったのに、ルールを破って委員会審議にフリップを掲げていました。柚木氏は、フリップの使用を認めなかった自民党側が悪いというようなことを言っていましたが、使用が認められなかったのはフリップの数字がデタラメだったためです。しかし、反日系のマスコミは、フリップ使用が認められなかった理由には一切触れることなく、あたかも自民党が柚木氏の質問の邪魔をしているような伝え方をしていました。

 

 

では、今回の年金改革関連法案によって、年金額がどのように変わるのかを簡単に説明します。

 

まず、年金額というのは、物価や賃金の水準の変化に連動して毎年改定するような仕組みになっています。新しく年金を受け取り始める年金額については賃金水準の変化に連動し、受け取り始めた後の年金額については物価水準の変化に連動して、原則として改定するようになっています。

 

現在の仕組みになったのは平成12年からで、それ以前は受け取り始めた後の年金額についても、物価水準ではなく賃金水準の変化に連動するようになっていました。年金額が賃金水準の変化に連動して改定するのは、現役世代の生活水準の変化つまり賃金水準の変化に、年金受給者の生活水準の変化を合わせるためでした。

 

このように現役世代の賃金水準の変化に連動して年金額を決めるということは、年金財政にとっても理に適ったものです。公的年金の中でも厚生年金は、賃金の額に応じて厚生年金の保険料が決まるからです。現役世代の賃金が下がっているのに年金額を下げなければ、保険料収入が減ってしまうのに年金の支給額が変わらないとなれば、年金財政の収支は悪くなってしまいます。

 

その後、平成16年の改正によって年金額の改定ルールについて特例措置が規定されました。平成12年以前は賃金の伸びが物価水準の伸びを上回るのが一般的でしたが、平成12年以降は賃金水準の伸びが物価水準の伸びを下回ることが想定されるようになりました。

 

そこで、賃金水準(表では賃金改定率)と物価水準(表では物価改定率)がプラスかマイナスか、賃金水準の伸びと物価水準の伸びのどちらが大きいかによって、下の表のように年金額の改定をすることになりました。

 

年金改定ルール(現行)

注)年金改定率がゼロというのは、年金額が据え置かれるということです。

 

この特例措置のルールだと、一番下と下から二番目のケースになると、賃金水準が下がっているのに対して、年金額は賃金水準ほどには下がらないか年金額が据え置きということになります。そうなると、賃金水準が下がって保険料収入が減る額に対して、支給する年金額の減る額が小さくなり、年金財政が悪化することになります。

 

実際、この特例措置を導入してから10年間のうち6回はこの二つのケースに当てはまってしまっています。つまり、年金の保険料を納めている現役世代の賃金が下がっている割合に対して、年金受給者の年金額はそれほど下がらず、現役世代の方がより苦しい状況になってしまっていることになります。

 

結果として、年金保険料を支払っている現役世代には不利で、年金を受給している世代に有利な仕組みになっています。

 

 

今回の年金法案では、賃金改定率が物価改定率よりも低く、かつ賃金改定率と物価改定率が共にマイナスか賃金改定率のみマイナスの場合でも、新たに受け取り始める年金額も受け取り始めた後の年金額のどちらも賃金改定率に連動させることになります(表の赤枠の部分)。

 

年金改定ルール(見直し後)

 

(偽)民進党は、現行の規定よりも年金額が下がるケースが増えるということから、年金カット法案などというレッテルを貼っています。しかし、公的年金というのは現役世代が支払っている保険料によって、支給する年金を賄う賦課方式ですので(詳しくは「公的年金は保険料が積み立てられていない」参照)、公的年金制度の仕組みに対しては理に適った規定になります。

 

よく今の年金額をカットすると、現役世代が将来受け取る年金が減ってしまうということを言う人がいますが、それは正しいとは言えません。日本の公的年金は賦課方式ですので、現役世代の保険料(プラス税金)で、その時の年金給付を賄います。年金の賦課方式というのは、現役世代から年金受給世代への所得移転なのです。現在の年金額をカットすることによって、現役世代の負担は少なくなるのが事実です。

 

将来の年金額が減るかどうかは、将来の現役世代の賃金によって決まります。現役世代の賃金の合計が増えれば、当然年金の保険料収入も増えますし、所得税なども増えて税収も増えます。公的年金の原資は保険料と税金ですので、これらが増えるかどうかで年金額が増えるかどうかが決まります。

 

今回の法案による見直し後は、賃金水準に応じて年金額が改定されるケースが多くなり、平成12年以前のルールに近付くことになります。

 

ちなみに、上述の(偽)民進党の柚木氏は、今回の年金改革法案によって将来の年金が3割カットするという、根拠がなくトンデモないフリップを掲げていました。どこをどうやって試算したら、そんなことになるのか聞いてみたいものです。年金額3割カットということは、賃金も3割カットということになりますね。

 

こうしたことから、年金カット法案というのが悪質なレッテル張りであることが分かると思います。それを指摘せずに、そのまま垂れ流してしまうマスコミは、報道機関と言えるものではなく伝書鳩と呼んだ方がいいでしょう。

 

また、今回の年金改革法案の素案は、実は平成242月に当時の野田佳彦(現(偽)民進党)政権下で閣議決定した社会保障・税一体改革大綱です。(偽)民進党は、自分達が当時閣議決定したことに対して反対しているのです。

 

ちなみに当時の首相は、(偽)民進党の現在の影の支配者と言われている野田氏です。柚木氏など(偽)民進党議員がイチャモンをつけるのであれば、自民党ではなく野田氏ではないでしょうか。

 

そういえば、TPPも民主党政権時に参加することにしましたし、南スーダンへの自衛隊派遣も民主党政権時に決めましたが、これらについても(偽)民進党は自民党政権を批判していますね。伝統芸はブーメランだけでなく、マッチポンプも得意なようです。本当に素晴らしい政党ですね。

 



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