美容鍼灸をテーマに行われた現代医療鍼灸臨床研究会(その4)
GWに入って前半戦はかなり余裕がある予約状況です。
のんびりというより暇~、という感じ。
こういう時はくよくよしないで一生懸命調べ物。
現在の調べ物は「診療情報提供」「医療連携」「御高診願い」
中医誌でもJSTでもほとんどひっかからない検索ワードです(苦笑)。
まあ、そんなわけで、3月に発表した内容は
もしかすると当たり前すぎて誰も報告していないか、
いや、自由診療鍼灸臨床では余り診療情報自体が行われていないか、
さもなくば、皆さんがそれぞれ自由なフォーマットでやっているか、
そんな感じなのですね。
原著として書くからにはしっかりと背景も押さえておきたい。
Macのデスクトップが大変な混雑&プリントアウトした資料が多いこと!
昨晩、ほとんどに目を通す事ができました。
一方でTwitterにも書いたのですが、
美容鍼がらみでも参考文献が続々到着。
こっちも面白いな~。
と・・・
あ・・・
タイトルの内容に入っていませんでしたね。
さあ、
前回、
「ひっかっかる(苦笑)」
と書いたところで終わってしまった
山崎先生の発表分の報告の結果を書いておかなければなりません。
「圧刺激が皮膚に与える影響
ー細胞面積と皮膚血流を指標とした検討ー」
この結果ですね。
だって、「前揉法・後揉法」という部分をのぞけば
完全なる指による圧刺激の報文です。
なぜなら刺鍼していないから。
つまりはあまし領域の学術研究。
対象と方法:
実験1
健常成人女性(圧刺激群7名、無刺激群5名)を対象、
顔面経穴に対する15分間の圧刺激を週2回、1ヶ月間行う。
皮膚性状測定を行う。
実験2
健常成人女性4名を対象として、実験1と同じ経穴への15分間の
圧刺激を行う。
皮膚血流量測定を行う。
無刺激群との比較をする。
統計処理は、実験1については
wilcoxonの符号つき順位検定を、実験2については、
二元配置分散分析を行った。
というものでした(昨日のエントリと同様)。
【結果】
実験1において圧刺激による角質細胞面積の低下傾向、
すなわち、表皮細胞の増殖促進を認めた。
実験2では圧刺激による顔面皮膚血流量の増加を認めた。
まあ、想像通りの結果となりましたが。
考察部分で
圧刺激は表皮細胞に対する直接の物理刺激ではなく、
血流促進などの細胞外環境の改善を介して、
皮膚の新陳代謝を改善すると考えられた。
これらのことから、
皮膚に対する圧刺激が美容につながる可能性があること、
またその機序の一端が明らかとなった。
とまとめられています。
筆者注:
皮膚の圧刺激応答系には
傳田先生の「皮膚は考える」にもあるように
ケラチノサイトの圧応答系の存在を考察に加えて欲しかったです。
ですから、化粧品科学の領域では
もっと先を進んで
ケラチノサイトへのメカニカルストレス(筆者注:圧刺激です)、
浸透圧、温度及び科学刺激(筆者注:pHなど)に応答する仕組みが
備わっていることは既知の事柄なので、
山崎先生の調査報告は
圧刺激は表皮細胞に対する直接の物理刺激ではなく、
血流促進などの細胞外環境の改善を介して、
皮膚の新陳代謝を改善すると考えられた。
この部分で、つっこまれどころ満載です。
調査不足。そして、この考察を導き出すには
「血流促進等の作用機序の改善」が如何に起こるか、との
メカニズムにかかわる報文検索をしておかないといけないと思いました。
Epidermal keratinocytes as the forefront of the sensory system
感覚系の最前線としての表皮角化細胞(ケラチノサイト)
1: Exp Dermatol. 2007 Mar;16(3):157-61.
Denda M, Nakatani M, Ikeyama K, Tsutsumi M, Denda S.
Shiseido Life Science Research Center,
Yokohama, Japan. mitsuhiro.denda@to.shiseido.co.jp
これを読んでおきましょう。
しかし、これよりも16年前の1991年、
LANSET(ランセット誌)にこんな論文も出ている。
「炎症反応のイニシャレーターとしてのケラチノサイト」
この論文は大変面白いのです。
だいぶ前に「スキンケアの科学:服部道廣著;裳華房刊(廃刊)1990」で
この論文が紹介されていました。
その本の挿画にわかりやすく機序が書かれています。
ところが、この引用文献の
研究者名、ランセットのページ番号などが
スペル違い、そしてページ番号違いで
調べるのに時間がかかった・・・・(苦笑)。
意図的なのだろうか?
このあたりはあマ指の領域を学んでいる方々のベーシックとして
位置づけたいところですね。
私の著作(フェイシャルの)にはこういった内容を加えるつもり。
あ"~っ!!
あまし領域の学術団体としての
(社)日本東洋医学系物理療法学会が頑張らないと!(泣)
もっと、徒手技術の検証をする方が増えて、
あん摩マッサージ指圧の学術報告ができる唯一の学会としての
日東医が頑張っていかないと、
鍼治療の際に行われる
前揉法、後揉法を仮定・・・
そんな論文が多く出て、
15分程度の顔面の経穴の圧刺激は
鍼治療の範囲、ということになっちゃうよ~!!
そういうことなのです・・・・(半べそ)。
多くのあマ指師の方に知って頂きたいですね。
さ、
明日からは他のパネラーの報告を取り上げます。
本ブログをお知り合いに伝えてくださいね。
一番下にツイート、FBのいいねボタンがありますので
皆様のお友達のあマ指師に。
どうぞよろしくお願いいたします。
日東医学会にも入ってね~。
今日はここまで。
GW臨時休診情報!
GWは29日(学術講習会)、30日(通常休診日)が休診となります。
5月は後半にお休みを頂戴する関係でGWは施術受付しております。
どうぞ遠慮なくお申し付け下さい。
鍼灸マッサージ専門学校生への割引も適用中です。
今日はここまで。
おしまい。
断酒;昨日は飲みませんでした。
腹筋;昨日はがっつり、腹斜筋も鍛えました。
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おわり
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からどうぞ(ネットショップ有り)。
ジュンク堂書店、三省堂書店、アマゾン、医道の日本社ショップに加え、
日本スリービーサイエンティフィック、たにぐち書店様にても取扱い。
平成22年からスゴ腕ネット、22年末から「トワテックメディカルダイレクト」様にて
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つまりはあまし領域の学術研究。
対象と方法:
実験1
健常成人女性(圧刺激群7名、無刺激群5名)を対象、
顔面経穴に対する15分間の圧刺激を週2回、1ヶ月間行う。
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実験2
健常成人女性4名を対象として、実験1と同じ経穴への15分間の
圧刺激を行う。
皮膚血流量測定を行う。
無刺激群との比較をする。
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というものでした(昨日のエントリと同様)。
【結果】
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すなわち、表皮細胞の増殖促進を認めた。
実験2では圧刺激による顔面皮膚血流量の増加を認めた。
まあ、想像通りの結果となりましたが。
考察部分で
圧刺激は表皮細胞に対する直接の物理刺激ではなく、
血流促進などの細胞外環境の改善を介して、
皮膚の新陳代謝を改善すると考えられた。
これらのことから、
皮膚に対する圧刺激が美容につながる可能性があること、
またその機序の一端が明らかとなった。
とまとめられています。
筆者注:
皮膚の圧刺激応答系には
傳田先生の「皮膚は考える」にもあるように
ケラチノサイトの圧応答系の存在を考察に加えて欲しかったです。
ですから、化粧品科学の領域では
もっと先を進んで
ケラチノサイトへのメカニカルストレス(筆者注:圧刺激です)、
浸透圧、温度及び科学刺激(筆者注:pHなど)に応答する仕組みが
備わっていることは既知の事柄なので、
山崎先生の調査報告は
圧刺激は表皮細胞に対する直接の物理刺激ではなく、
血流促進などの細胞外環境の改善を介して、
皮膚の新陳代謝を改善すると考えられた。
この部分で、つっこまれどころ満載です。
調査不足。そして、この考察を導き出すには
「血流促進等の作用機序の改善」が如何に起こるか、との
メカニズムにかかわる報文検索をしておかないといけないと思いました。
Epidermal keratinocytes as the forefront of the sensory system
感覚系の最前線としての表皮角化細胞(ケラチノサイト)
1: Exp Dermatol. 2007 Mar;16(3):157-61.
Denda M, Nakatani M, Ikeyama K, Tsutsumi M, Denda S.
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これを読んでおきましょう。
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この論文は大変面白いのです。
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この論文が紹介されていました。
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調べるのに時間がかかった・・・・(苦笑)。
意図的なのだろうか?
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位置づけたいところですね。
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あ"~っ!!
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日東医が頑張っていかないと、
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前揉法、後揉法を仮定・・・
そんな論文が多く出て、
15分程度の顔面の経穴の圧刺激は
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