(5)「日本マッサージ術講義〜應病編〜」を発掘
今回の発掘品は「日本マッサージ術講義~應病編~」。
![$ふわ~っと社長!のブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20091224/11/oisoarom/6e/05/j/t02200313_0800114010351300137.jpg?caw=800)
河合杏平氏の著作である。
これまで4つの資料を取り上げてきたが、
今回の資料もなかなかのもの。
たとえば、最初に取り上げた
家庭マッサージ読本(紹介はこちら)
この時代より古い品。大正7年初版の第4版、昭和6年発行。
「家庭マッサージ読本」は指南書であったので図版も豊富だったが、
こちらは様相が異なる。
著作者の河合氏は陸軍の二等軍医で、従軍中にデータ統計なども取っているのであるが、
実際のところは、「名古屋産科院」の院長をしていたようだ。
著作は様々な疾患に対するマッサージの処方論をまとめたもので、
総論にはおもしろいことが書いてある。
____________
治病按摩術を適切に患者に施すには当該疾病の原因症状経過および、
予後を識別し、按摩術各手技の靱帯に与ふべき所謂生理的作用を参照して
作成せる処方と及びその処方を患者の体質年齢に応じて酌量すべき
遅速長短力度の強弱などすなわち処方に対する手技の分量を調節する
能力あるを要す。ただし、治病は医家の本分なればこの場合における
按摩、又当然医療の領域に帰せざるべからず。
然れども按摩は一種の技術にしてただ処方を作成するのみにては
治病の目的を貫徹する能わず。
又、たとえ手技老練にして一日数十名を施術する腕力あるも治病上の
知識に欠くるあれば、治病、効をそうするものにあらず。
現帝国内にある所謂マッサージ家が果たして治病の効績を示せるや否や
甚だ疑いなき能わず何となれば術者の多数は非医者にして病理に
通暁(つうぎょう)せざる者多きと他の一方に於いて医家一般は
治病に応用する上に於いてこれに同情を表するの士甚だすくなきを以て也
吾人は斯術普及上医家を術者たらしめんよりは医士と薬剤士との
関係におけるがごとく一種の専門的マッサージ家を養成し
医士は処方家となりて其施術を監督するを以て足れりとせり。
_____________
とまあ、このように按摩師の解剖生理、病理などへの知識不足が
問題であるのと同時に「刺激の量」に対する対処能力を重要視している。
さらに医師とマッサージ師の関係を医師と薬剤師のそれにたとえ、
専門士としてのマッサージ師を養成する必要性にも触れている。
この発想がその後の理学療法士制定へつながっていったのではないか?
さて
![$ふわ~っと社長!のブログ](https://stat.ameba.jp/user_images/20091224/11/oisoarom/6e/03/j/t02200334_0800121310351300143.jpg?caw=800)
河合氏のこの書籍には挿画が少ない。
ほとんどを文字で解説するため、難解であるが、
診療科目でもある産科部分に於いては挿画が見られた。
これは産科の「治病運動法」と呼ばれるいわば、
産後の褥婦へのリハビリ体操のようなものなのであろうか。
この抵抗運動は5、6回と回数も指定されているので、
経験上、ノウハウが蓄積されたものなのであると考えられそうだ。
しかし、この施術者は装束から今でいう看護師なのではないかと
思われる。現在にも通じる運動処方であるが、マッサージの書籍に
収載されているところがおもしろい。
巻末には、陸軍時代の臨床成績と思われる項目もあり、
筑波技術大学の和久田哲司先生の研究報告にも取り上げられているので
参考にされたい(直接pdfファイルダウンロードになります。ご注意を)。
これまでの古い資料の紹介へジャンプ
1 「家庭マッサージ読本」
2 「図解按摩読本」
3 「マッサージ講義」
4 「スポーツマッサージ」
リフレクソロジー考察へジャンプ
その1
その2
その3
その4
その5
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前回(12/2分)の告知分がすぐに完売したので、もう一度(感謝します)。
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ベーシックトリートメントモデルのリラックス系全身施術を網羅した
「マッサージスコアで学ぶオイルマッサージ」
ISBN-10: 4903965007
ISBN-13: 978-4903965000
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これは現在神奈川衛生学園専門学校と東洋鍼灸専門学校で
実技指導の際、学生達の指導中に放映している。
私がそれぞれのベッドを見て回る間、私自身の手技を
スクリーンを見ながら練習できるようにとの配慮からである。
学生からの評価もおかげさまで好評。
次回作のスポーツマッサージBTMを構築すると、
専門学校だけでは指導しきれなくなると予想されるので、
按摩マッサージ指圧師免許者、およびその過程の学生向けの
特別講義を開催するつもりだ。
基本形をしっかりと学び、地域で評判の技術者になって欲しいものである。
________________________
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