(6)「オイルマッサージ」を発掘 | 院長の徒然なるままに。

(6)「オイルマッサージ」を発掘

今回の発掘品は「オイルマッサージ」今井義晴/松本弘巳著
 医道の日本社刊  昭和44年初版本の第二刷である。

専門学校の図書館には蔵書として収蔵されていると思うが、
私ははじめてお目にかかった。

興味深いのは著者の今井、松本両氏の著述部分に対して、
実技の画像などについては

ユーゴスラビア生まれのエテロビッチ・ヴェスラ女史の施術画像を
用いているところにある。

ヴェスラ氏は1936年ユーゴスラビア生まれ、
1958年にヴェラデメルナーガル理学療法学校を卒業、
西ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、南米にて
全身美容の技術指導と研究を重ねる。
1964年にオーストラリアに全身美容研究所を開設したそうである。

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さて、この書籍には「推薦の言葉」が巻頭にあり、
私の卒業した学校の創立者でもある
後藤真一によるものなのであった。

_________
マッサージ師は、何よりも自分の技術に誇りを持ち、しかも天狗にならず、
持つ技術の幅をひろげ、更に深めようとする謙虚さと意欲を持つことが大切である。

日本按摩術や指圧がどんなに優れた技術であろうと、
強い刺激より柔らかな刺激を求めつつある医学の動向の中で、
世界に雄飛してゆくためには、正しい全身マッサージの技術を
一応身につけることが大切であると信じている。

その意味にて、本書の出版をよろこび、
ひろく技術者に読まれることを希望するものである。
_________
と書かれている。

後藤真一先生の生の声を聞いているようで姿勢を正してしまう。

そして、内容であるが、

画像のみならず、術手の動きなどを簡易ではあるが
わかりやすくしようとつとめて慎重に吟味したと
思われる図を併記し、丁寧に解説してある。

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この手法は私が用いる手法に実に似ている。

私はハンス・ハルトック先生にクラッシックマッサージを学んだが、
ドイツのクラッシックマッサージの手法は
ヴェスラ氏の技術に息づいているのであろう。

また、この書籍を発掘しての最大の収穫は
私が取り入れたことのない手技手法があったことである。

仰臥位における胸郭部の施術、
及び腹部のバラエティに富んだ施術は
一度真剣に復習して取り入れる可能性を
模索したくなった。

動画などで見ることは今はかなわないが、
手法の解析などを通して、後進に伝えることが出来れば
いいな、と思う。

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尚、筆者の論文
「統合医療で取りざたされる徒手療法のあはき法との整合性
~癒し、リラックスの名の下に無免許施術が広がるわけ~」は
本年9月頃発刊の「日東医学会誌」に掲載されます。


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