ひらいめぐみさんの転職エッセイ。

ひらいさんは20代で転職6回、会社という会社をさすらいつづけた結果、仕事よりも転職のほうがどんどんうまくなっていったという(笑)。なんという安心感!

読みながら、そういえば私は「転職」という言葉を使ったことがないな、と思った。だってバイトの場合、特にかけもちなんかしていると、いったいどこからどこが「転職」になるのかもよくわからん。「転職」って、会社員の文化だったんだなあ。

会社員って、私にとっては、あったかもしれない人生。でもその道を選ばなかった私にとって、いわば失われたもうひとつの人生なんですよね。転職サイトの話なんて、もう完全に異文化。こんなことになってるのか~、と興味津々。

と同時に、仕事って何だろう、と思わずにいられない。

10代の頃は、私が仕事を見つけるのだと思っていた。20代になり、いろんなつながりのなかで、仕事のほうが私を見つけるという、まったく逆方向の、謎の事案が発生。一生懸命応えると、また次の仕事が私を見つけた。そうやって一生懸命応え続けていたら、30代でなぜか生活していけるようになっていた。そして経験上、仕事が私を見つけたパターンのほうが、結果的にみんなに喜ばれる。これいかに!?

「ほんとうに極めるべきは、職業ではなく『自分自身』なのだ。」(209p)

あ、もしかして私がやっていたのはそういうことだったのか!自分自身を極めれば、職業はあとからどうとでもついてくるのだとしたら…。これは働くということにまつわる、隠された可能性を白日のもとにさらす名文ではないだろうか。


 

 



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