百万年書房の編集者・北尾修一さんの日記本。私はこれを闘病記と呼びたくない派で、「病気とかいろいろあるけど日常をやってる本」というのがしっくりくる。

とは言いつつも、冒頭から入院&手術のシーン。ぶつ切りになった意識の断片、何があったのこれ、怖…。

この後、私も仕事で北尾さんにお会いして、ガンだと言われなければわからないくらい元気そうだったので、気軽に読み始めたら、思ったより大変なことになっててビックリした。い、生きててくれてよかった~…。

あとから説明されるあのときのこと。私が病院でいつも感じる違和感ってこれなんだよな~。「私」という人間が、ムリヤリ「ただの被検体」みたいにさせられていくことのイヤさ。あの麻酔医、どういう気持ちでやってんの?麻痺してんのか、麻酔医なだけに?ってダジャレいってる場合じゃないよ!笑

北尾さんが、医学生たちの授業に立ち会うシーンがある。ストーマの交換のあまりのえぐさに貧血で倒れてしまう学生さん。あの学生さんも、いつかあの麻酔医みたいになっちゃうのだろうか。あのときの気持ち、忘れないでおくれよ!

って衝撃のあまりその話ばっかりになっちゃうんだけど、ほとんどの部分は、いろいろあるけど人生やってるよ!という日記です。

「死ぬのの怖くなさ」の話なんて最高でしたね。

あとここ。

「町行く人が狐の面をつけているようだ。全員が『だって、お金稼がないといけないじゃないですか』と呟きながら歩いているように見える。
 本当は、何もなくなっても笑っていられるやつが一番強いのに。」

わからない人には本当にわからない話だと思うけど、これがわかるうちは私は大丈夫。何かあったときに、お守りみたいにこの一文に戻ってくるために、ここにメモしておく。



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