台湾の作家、呉明益さんの長編小説。
一台の自転車「幸福号」とともに失踪した父と、「僕」の家族の物語。
大人になった「僕」は、失われた何かを取り戻すかのように、父が乗って消えた「幸福号」を探し始める。古物屋をめぐり、街を歩き、いろんな人に出会いながら。
少しずつ手がかりを得るたびに、自転車「幸福号」の歴代所有者の人生をさかのぼっていく。台湾の、日本の、東南アジアの歴史をぐいぐい巻き込んで、気が遠くなるような時間を経て、ついに「僕」のもとに戻ってきた「幸福号」。でも肝心の、自転車とともに失踪した父は?そして失踪した理由は?
えっ、そんなところに…というクライマックスまで、ものすごい熱量で描き切る。えらいもん読んだ。一人の人間の仕業と思えない、奇跡のような小説でした。また読み返したい。再読棚、決定!
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●台湾の本(隠居の本棚より)
・『満里奈の旅ぶくれ』(渡辺満里奈さんの台湾食い倒れ・飲み倒れ本)
・『渡辺直美のたら福まん腹台湾』(日台ハーフの渡辺直美さんが食べまくる本)
・『台湾で日本を見っけ旅』(おがたちえさんの、台湾に残る日本を探す漫画)
・『台湾人には、ご用心!』(台湾研究者の酒井亨さんが台湾と台湾人を徹底解剖!)
・『台湾論』(小林よしのりさんの台湾マンガ。台湾と日本の深い縁がよくわかる)
・『李登輝学校の教え』(台湾の元総統・李登輝さんと小林よしのりさんの対談)
・『わたしの台南』(日台ハーフの一青妙さんの、台南ガイド本)
・『私の箱子』(一青妙さんの自伝的エッセイ)
・『海角七号 君想う、国境の南』(大ヒットした台湾映画のノベライズ)
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