日曜日に行われた全国高校駅伝、今日は女子についての結果と感想を。
上位の順位は以下のようになりました。
1位 世羅(広島)
2位 神村学園(鹿児島)
3位 仙台育英(宮城)
4位 北九州市立(福岡)
5位 立命館宇治(京都)
6位 須磨学園(兵庫)
7位 薫英女学院(大阪)
8位 学法石川(石川)
レース前は昨年優勝の仙台育英と、県予選で高校記録を更新した神村学園、この2強の一騎打ちという見立てであり、
神村学園はアンカーに強力な留学生、バイレ・シンシア選手が控えているため、
日本人選手だけで臨む仙台育英が4区までにどれだけ貯金を残せるかがポイントでありました。
レースは1区で北九州市立の酒井美玖選手が競技場の中の段階から集団を抜け出し、
そのまま後続に飲み込まれることなく、終盤はさらにリードを広げる圧巻の走りで区間賞奪取。
2区以降はその北九州市立に加え、立命館宇治、須磨学園といったダークホース的な存在だったチームが先頭を争い、
その後方から仙台と神村が追いかける、観ている側にとっては実に面白い展開でありました。
しかし、アンカーの時点で5位・神村とトップとの差は19秒しかなかったため、もうこの時点で神村の優勝は確定的となり、
案の定、1キロも行かない時点で一気に神村のシンシア選手がトップに立ちましたが、そこからが意外と伸びず。
その間に、神村のさらに後方23秒差、トップと42秒差でタスキを受けた世羅のテレシア・ムッソーニ選手が一気に追いつき首位奪取。
そのまま並走することなく抜き去って、独走で優勝を飾りました。
この高校駅伝での留学生問題はこのブログでも過去に何度も述べてきましたので、今日はあえてそこの部分には触れません。
今回は純粋に留学生の、特に世羅のムッソーニ選手の見事な走りを称賛したいと思います。
高校駅伝はアンカー区間に関しては男子も女子も同じコース、同じ距離を走るのでありますが、
今回のムッソーニ選手の区間記録5キロ14分37秒は、男子では区間7位に相当する驚愕のタイムでありました。
女子5千mのU-20世界記録が14分30秒台であることを考えると、まさにムッソーニ選手のレベルはワールドクラス。
優勝インタビューでの流暢な日本語を見ますと、頭が良く、地道な努力を惜しまない、
どんなことでも吸収できる、素直な性格であることがうかがえ、
これは日本の高校駅伝出身から世界の舞台へ羽ばたいたビタン・カロキ選手やサムエル・ワンジル選手に通ずるものがあります。
今回の高校駅伝女子は、未来の金メダリスト、ワールドレコードホルダーが覚醒した瞬間を、
世界に先駆けてテレビを通して見ることができた喜びを素直に感じ取ろうと思います。