7回目 対角線とグリットを取り入れての図法 牛乳パックを描く
三面図で大きさや形を理解しうえでパース作図に取り掛かります。通常のパースの流れです。全体的な復習も踏まえ対角線を取り入れた作図の流れを解説します。図1は牛乳パックの三面図です。正面の立面図にはイラストと文字がレイアウトしてあります。位置関係を細かく寸法表記はしていません。そこで対角線を使いそのレイアウトをパースに落とし込むことになります。左の三面図に対角線を描き込みました。対角線を描き込むことで概ね画像の位置は把握できると思います。これが作業の一段階です。ではパースが描きあがるまで解説していきます。 図2は描き始めから描きあがるまでの流れです。作図工程を六つに分けました。各工程について解説を進めます。①六面体を二つ重ねて外形の大きさを作る 図面から牛乳パックの大きさ縦横80センチ高さ160センチ、80センチの正六面体が二つ重なる形に収まります。消失点を意識しながらラフスケッチで2個重ねの正六面体を描きます。もし高さが低い場合でまずは同じ操作をして高さをすり合わせていきます。全体の表現イメージが見えてきます。これでよければこの画角で進めることになります。②左右の消失点を見つけ定規で線を引く 決定したアングルの下絵の線形が薄く残る程度に練りゴムで薄め、左右の消失点からそれぞれの辺を描き、垂線も描き足し決定した大まかな外形を確定します。③六面体の外形に対角線を引き図面の対角線と合わせながら外形を描く 三面図に対角線を引いたように外形のパース上にも同じ操作をして対角線を引きます。長方形の六面体は対角線により分割されます。要するに絵の上で番地が出来たようなものです。次に対角線が引かれた立面図に合わせて特徴のある牛乳パックの上部を割り付けます。これで牛乳パックの外形線が描きあがります。これは対角線のグリットに合わせた目分量の割り付けです。絶対的な位置関係を求めるなら、5回目 対角線を利用した正六面体の分割,対角線を使ったパース作図の中の図4で解説した立面図から直接高さ関係をパース作図に取り入れる方法があります。どのぐらいの精度進めるかによって作図法は各自の判断で進めます。『5回目 対角線を利用した正六面体の分割,対角線を使ったパース作図』 対角線は平面上でもパース上でも全く操作は同じです。各辺の端点を交互に結べば完結します。正方形に限らず長方形にも同じ操作ができます。(図1のA図)また対角線の…ameblo.jp④対角線による分割で上部のラインを引く 牛乳パックの上部傾斜面に均等なラインが引かれています。この描写については対角線を利用した等間隔に分割を用います。傾斜面の上辺と下辺をそれぞれ5分割してそこを結べはラインを引くことが出来ます。辺の端点から五分割の垂線を引き、そこから上辺・下辺と平行な線を引きます。(パースでは平行な線の消失点は一つです)辺の端点どうしを対角線で結び交差した点から垂線を下辺まで下ろし分割します。5分割の垂線を引くのには三角スケールを用いれば簡単です。⑤画像の位置関係は対角線同士の整合性を測りながら描き進める 文字の位置やイラスの各所の位置などは寸法などで細かく表示できないので、対角線を利用したグリットに頼ります。高さ関係の位置については③にて説明している立面図から直接導き出す方法でも目分量の割り付けでも構いません。対角線とイラストや文字の位置関係をしっかり見ながら写し取ります。これで全体の形、そしてイラスト・文字がパース画面に描きこまれました。⑥最終的には上からトレぺを当てトレース、色や影をつけて終了 パースを作図した絵はガイドラインや補助線、分割線、パースラインなど様々な線画が描き残っています。これはこれとして残しておく必要があります。消してしまってはデーターは何も残りません。残しておけば間違いなどの検証や寸法の変更などに対応できます。作図の流れもしっかりと残っています。作図した紙の上にトレぺをのせて必要な箇所だけ描き写します。色付けや影をなどを描き足せば完成です。