左右に奥行きのある通常の見慣れたアングルです。左右の奥行きを足線にて見た目の幅を見つけ出し、それが奥行きの位置となります。理屈が解ればそれにのっとりコツコツと作図を進めるだけです。では模式図で解説していきます。(図1)

 画面に接している立体は、画面にこれから描こうとする正六面体のイメージです。正式に平面図がそこに置きかわります。一点透視の時は視線と六面体の辺の方向が同じなので視線と水平線がぶつかったところが消失点でしたが、今回は右に伸びる辺と左に伸びる辺、二つの方向線画あります。左右に消失点ができるということになり、2点透視図法になります。今回は画面に接しているA点のみが測れます。左に立面図を並べA点の辺の高さをもとめることが出来ます。奥のBの位置は足線により画面まで持ち出された位置にB'として確定します。右のCについても同じでC'として確定します。次に左右の消失点の決め方です。

 図2が左右の消失点を求める模式図です。視点に立ちAの方向を見る、水平線上にあたる位置がAの方向の消失点になります。辺BについてBの方向と同じ視線で水平線にあたる位置がBの方向の消失点になります。この関係を上から見た図に表すと視点からAの方向と同じ平行線を視点から引き画面にあたった位置が消失点になります。Bについても同じです。

 図3が足線法での正六面体の作図です。上から見た図と画面上での作図を重ねて作図しています。視点の位置から足線を引き、奥行きの幅を求めます。高さは立面図を左に置きそこから求めます。消失点は左右の辺と同じ平行線を視点から引き画面まで伸ばし、パース上の水平線まで下ろします。左右の消失点が決定すれば左右の辺はそれぞれその消失点に向かいます。奥行きの幅に合わせて垂線を引けば六面体の作図は完成です。

図4は作図に解説を描き入れました。作図の内容を確認してみてください。

 今回はとてもシンプルな六面体の作図でしたが、丁寧に作図していけば建屋まで作図することが出来ます。図5は参考事例ですが、これよりもっともっと複雑な建屋も作図可能です。次回はもう少し複雑な作図を解説してみます。