様々な角度から正六面体のスケッチを試みてみましょう。約束事は必ず左右に消失点があり、共に同じ水平線上にあるということだけです。次にどの面も正方形に見える形であること。これだけです。

 描き始めについて解説します。平行線は必ず交差します。各辺は交差するまで伸ばしましょう。そのためには六面体の辺の位置のみで線を止めないで上下の辺の線が交わるまで伸ばしましょう。その交点が水平線の位置になります。その位置から左の交点をさぐるべく水平線を伸ばします。左の辺も水平線にむけて線を延長すれば、先ほどの水平線と交差します。そこが左の仮の消失点の位置です。(図1)何度か位置関係をさくりながら消失点の位置を決定します。あくまでも正六面体に見えるための操作です。

 奥行きの幅Aは正方形に見える形で決定します。正円がそれらしくおさまっていれば正方形に見えます。左の正方形も同じ操作で決めていきます。位置の決定は描き手の感覚のみです。他の人がみて正方形に見えれば正解です。

 様々なアングルから正六面体をスケッチしてみましょう。辺は必ず水平線まで伸ばして、左右の消失点が同じ水平線上にあることを確認。(図2)数をこなせば必ず描けるようになります。Aのスケッチのみが中心に向かう消失点が一つのみで、横の線は水平線に平行な線で交わりません。これは1点透視図法と言われています。(後に解説します)

次回は正六面体の分割、すなわち奥行きの分割になります。