今回は手描きパース講座16で描いた図より少し複雑の形の家です。寄棟と言う形の家です。図面は下記の通りです。イメージ画も加えてあります。

簡易図法用三面図 寄棟

今回も正六面体をもとに描き進めますので、どのような大きさの正六面体かを意識しながら図面を読み取っていきましょう。建屋の幅は4Mと2Mです。高さは3Mですが、4Mの正六面体を左右に半分に分けた一方に収まることができます。4Mの正六面体でラフ画の作図を始めます。※奥行きは対角線を使い分割していきます。(4分割で1Mになります)

図2-1は4Mの正六面体を半分に割った図です。この中に建屋は収まります。この時点で描きたい方向のアングルなど正六面体のスケッチで検討します。今回はこのアングルで作図を進めていきます。図2-2は対角線による上下の分割で4M×2Mの建屋の屋根以外の部分が見えてきました。図2-3は屋根を立ち上げた図です。床に屋根の平面図を描きそこから3M立ち上げて図2-2の辺の端点をつなげば屋根の線形になります。ラフ画ですが正確に建屋を描くことができました。図2

次にアイレベルでの作画例を解説します

パースと水平線

視点高1.5Mからのパースを描くことにします。まずは水平線を描きます。一本の線にすぎませんが実は大きな空間を構成していきます。描き進むことで空間が見えてきます。図3は視点高1.5Mの水平線を引いた図です。図3-1は一本の線にすぎませんがその水平線は1.5Mの目線高さにあります。図3-2はその空間を表現した図です。地面から目線高まで手前も奥もどこでも地面から水平線まで1.5Mと言うことになります。図3

 

図3に4Mの正六面体描き加えていきます。作画の流れを見ていきましょう。

簡易図法の作図過程

どの面も正方形に見えるように作図を進めます。あくまでも奥行きは自分の判断で決めていきます。経験を重ねることに正方形に見える奥行きを判断し、的確な正六面体が描けるようになります。では作図を続けます。水平線までの高さが1.5Mを基準に三角スケールをあてて4Mの高さを見つけ出し、左右の消失点を確定します。奥行きは各自の判断に任せます。空間に4Mの正六面体が描ければ後は寸法に合わせて分割していくだけです。図4

簡易図法の作図過程

アイレベルぱーすも対角線で奥行きを分割していきます。ラフ画とは違い正確に端点を結び、形を分割していきます。建屋の本体を分割により描き進めます。側面を二分割し建屋の幅2Mに合わせます。上下を二分割し屋根までの高さ2Mをもとめます。図5

パースの作図過程5

屋根部の作図に進みます。寄棟は切妻と違い屋根の端部は少し中に入った部分になります。平面図を見ると共に両サイドから1M入ったところになります。そこで床に建屋の中心線C,Dを引き屋根の端点A,Bを見つけます(C,Dを四分割すればA,Bは導き出せます)。床面からA,Bを3Mの位置まで立ち上げます。(左右の消失点と補助線を使い高さを求めます)。図6

パースの作図過程6

屋根部の端点A,Bと建屋の2M部の四隅を線でつなげば屋根の形となります。図7

手描きパース作画過程8

最後に作図の上にトレッシングペーパーのせて建屋の線形を写し取ります。影を付ければ立体的に見えます。図8

今回はドアとか窓がありませんので次にそれらを描き加えた絵を描いてみます。