講義を終えての感想

3月2日・3日と集中講義は無事に終了しました。各受講生の反応は凡そやはり難しいとのことでした。でもとても面白い講義内容でしたと感想をのべた方もいました。これら感想を踏まえてわかりやすい指導を模索していきたいと思います。

 

パースについて何を学ぶのか、まったく想像できていないと思います。外苑キャンパス校では何を学ぶのかを大まかに解説します。
 パースとは遠近法を用いた絵の表現法です。手前が大きく奥に行くにしたがって小さくなる表現です。例えば壁を斜めから見れば図Ⅰ、奥に向かって壁が何枚か建っていれば図Ⅱのような表現です。これが遠近法を用いたパース画です。ではパースについて基本的なことを解説しす。

 パースは簡単に言うと意図的に奥行きを見せる図法です。消失点が見える絵、奥行きを感じ取れる絵です。スケッチは感覚的なもので枚数を重ねることにより奥行きが感じ取れる絵が描けるようになります。(透視図法を踏まえた絵です)下図A図、B図の違いです。消失点がとても重要にかかわってきます。そこで消失点とは何かなど透視図法を簡単に学びます。

下図は四角い箱を描いた場合の平行線と消失点の関係を表しています。平行する線は必ず水平線上の消失点に集まります。傾いた線などは別です。

次に的確に奥行きを分割します。例えば家の窓の並びを図面通りに配置するようなときに必要です。つまり奥行きを図面通りに割り付けることです。そのためには様々な分割法を学びます。例えば対角線による分割です。四角を分割し増幅します(図A)。縦の分割を対角線により横に移行します(図B)。

次に作図のプロセスを学びます。感覚としては大工さんが家を建てるように描き始めます。基礎から柱を立ち上げる(図A)、またはパネル工法で壁を立ち上げる(図B)。そのような感覚です。

次に寸法通りの表現。パースには必ず寸法が付いてきます。物の形には大きさがあり、その大きさを的確に表現するわけですから寸法は避けて通れません。そこで水平線を学びます。水平線と寸法についてほんの少し解説します。水平線は目の高さにいつでもあります。このことは寸法を導き出すとても大事な要素です。見る位置を視点と言います。見る高さも踏まえた位置です。その高さの位置に水平線がきます。目線の先には水平線と言うことになります。

 

 1. 地面に立って遠くを見る。視点の高さは1.5M。地面と視点の高さはどこまで行っても1.5M。

 2. 地面のどこからでも水平線までの高さは1.5M。

 3. 3Mの脚立の上に立って遠くを見る。地面と視点の高さはどこまで行っても4.5M。

 4. 地面のここからでも水平線までの高さは1.5M。

 5. 紙面に水平線を引く(H.L)けば線から下はどこでも1.5M。※視点高1.5Mの場合

 6. 地面から水平線までの高さを上に重ねれば、2倍で3M、3倍で4.5Mとなります。

 7. 地面から建てた柱4.5Mを引く。上下の端点を水平線まで引く(平行な線なので消失点は共有)引かれた上下の線の高さはどこまで行って4.5M。

他に高さを導く手法は他にもたくさんあります。細かい寸法まで導く方法なども。学べばパースの手法は沢山あります。パース学習の続は外苑キャンパスで。