これまでの手描きパース講座の解説が難しいとの意見を学生の方から頂いたので、改めて最初からパース作図について初心者のかたにもわるように解説してみようと思います。以前の投稿も参考になると思いますので機会があれば読んでいただければと思います。何回かにわけて基本的なパース作図の約束事を順次解説していきます。パースは色々な約束事を合わせてパース作図に取入れ描き進めていきます。一つ一つの事柄はとても簡単でシンプルです。わかりやすく解説していきます。一つ一つを理解しパース作図に応用しましょう。応用することが理解へとつながります。

この夏をめどの何回かにわけて解説していきます。

 

パースの約束事を理解する意味。

まずは一つの約束事をしっかりと理解します。約束事は単にその約束事に留まらず、新たな約束事の入り口です。そして応用の始まりです。パースは同じもの繰り返し作図することはなく、常に新しい対象(図面)と出会い、そこから新しい作図が始まります。約束事をどのように当てはめていくかは描き手の応用にかかっています。約束事をどう使い分けるかです。では最も基本の約束事を解説します。

 

基本の基本は水平線です

「水平線は必ず目線の先にあります。」水平線の見える場所に立て見れば一目瞭然。決して遥か目の上にとか眼下に水平線はありません。当たり前のように目線の先に水平線はあります。この約束事をりかいすることで他の約束事へと広がります。とても重要な約束事です。

 山の上に登っても目線の先には水平線、ビルの屋上に上がっても目線の先日は水平線と言うことになります。砂浜に立っても、高さ20m岬に立っても、高さ50mの展望台に立っても目線の先は水平線です。水平線の高さて幾つと疑問がわきます。立つ高さによって上下するのでしょうか?。

 水平線についてもう少し考えてみましょう。フラットでかなり広いデッキに立ったと想像してみましょう。目線の先には水平線があります。デッキの先端に立とうが手前に立とうが水平線の位置は動きません。(図1)この当たり前のことがパース表現でとても重要な事柄になります。何も気にせず見過ごしてきたことにとても重要なことが見え隠れしていたのです。一つの約束事しっかりと理解し最大限に活用することでパースの表現の手段はひろがります。水平線の理解まだまだあります。

 

 先ほどの疑問の水平線の高さについて考えてみましょう

 フラットの床のどの位置に立っても目先の先の水平線の位置は動きません。この事から次の様なことを導き出すことが出来ます。床から目の高さまでを1,5mとすればどこに立っても目の高さは同じ1.5mです。目線の高さ、すなわち水平線までの高さは1.5mです。そのことから床のどの位置でも水平線までの高さは1.5mになります。水平な線を一本引きそれを水平線とし、その水平線の目線高を1.5mにすれはそこには寸法の取れる空間(パース空間)が表れます。寸法のある絵を描くベースが出来たということです。ではそこに寸法のある形を描いてみましょう。まずは3m棒を立てみましょう。立てる場所から水平線の位置まで垂線を引きます。ここまでは1.5mです。ですからこれと同じ長さを上に重ねれば3mということになります。4.5mだったら二つ重ねます。しっかりと寸法のある形が描けたということになります。任意の高さについてはあらためて解説します。水平線を学ぶことで高さを導きだすことができました。

 

水平線を描けば寸法が読める空間が表れます