突然ですが切妻と寄棟どう違うかお判りでしょうか。家のパースを描いていると必ず出てくる形です。もう一つ陸屋根があります。これは平らな屋根です。屋根は概ねこの三種類で屋根の基本形です。

通常この基本形に家の間取りなどから様々な形状がくわり戸建ての家の屋根は作られています。家のパースを描く基本形にもなるので丁度良いテーマなので対角線を交えて解説します。

切妻を描くにあたりパースの基本的な流れ

 図1は切妻の家を立ち上げたパースです。パースの基本は平面図です。パース上にまずは平面図を描き込みます。切妻はシンプルな建屋ですので平面図は長方形です。当然ですが左右に消失点がありそこからのばした線に地面に長方形を描かきます。屋根の一番高い棟の位置は長方形の丁度中心を通ります。対角線で中心を見つけ、中心を通る線を引きます。これは平面図に落とし込まれた棟の位置です。四隅と棟の位置からそれぞれの高さを立ち上げます。(A)

それぞれの端点をつなぎ合わせれば切妻の家が描きあがります。(B)

パースは平面図を描くことでそれぞれの位置関係が明確になります。その後は線を立ち上げつなぎ合わせればそれぞれの形が描きあがります。基礎の位置から柱を立ち上げる。まさしく家を建てるのと同じです。

対角線を利用しての寄棟の描き方

図2は寄棟の作図の流れです。立面図からは軒先から棟の位置まではAとB全く同じ距離です。この関係をパースに反映しなければなりません。片方Aは任意で決められますがBの位置はAと同じ距離にしなければなりません。①

そこで対角線を利用します。Aの位置から対角線に向かい接した位置から次の対角線、そして中心線(棟のある位置)まで伸ばしBを決定します。Aと等距離の位置をもとめることが出来ました。②

後は棟の位置まで垂線を伸ばし辺の隅とつなぎ合わせれば寄棟の作図が出来上がります。③

 対角線はとてもシンプルな作図です。その対角線を描くことにより様々な事柄を導き出すことが出来ます。シンプルな作図ゆえに定規を使わなくてもだいたい描けます。フリーハンドのラフスケッチにても作図が可能です。分割や位置関係の把握など多種多様です。大いに作図に利用しましょう。これで対角線についてのお話は終了です。