対角線は平面上でもパース上でも全く操作は同じです。各辺の端点を交互に結べば完結します。正方形に限らず長方形にも同じ操作ができます。(図1のA図)また対角線の中心起点に垂直線、水平線を引けば均等に4分割できます(図1のB図)

 対角線は分割するだけではなく対角線を介して縦辺の分割を横辺に移動できます。垂線ABCの分画比率をC点から伸ばす対角線のにより横の辺すなわちA´B´Cに移行します

 均等な分割だけではなく任意な分割でも垂線での分割をCから延びる対角線を介し横の線に移行することが出来ます。このことはパース空間上で奥行きを割り付ける場合この垂線での割り付けを利用できるということになります。垂線は測れますので、すなわち奥行きも測れるということになります。(図3)

 この対角線の活用については手描きパース講座13 対角線を使った奥行きの分割にて解説していますので参照してください。

ではパースの中で実際に分割してみましょう。正六面体を描きそれぞれ分割してみましょう(図3)

 垂直の辺ABの分割の比率を対角線を介して奥行きを分割した正六面体の作図です。A図は縦の辺を二等分に、B図は三等分に、C図は任意に分割しました。分割の端点を消失点まで結びます(平行線を引く)。B点から対角線を引けば、対角線との交差位置が奥行き分割の起点になります。今回は左右の面同じ割り付けでした。作図は基本の応用です。辺ABを二つのパターンで割り付ければ左右違った割り付けになります。パースでの作図に利用が可能です。左右の立面図があれば作図は可能です。

 対角線のみでも立面図があればパースは描けます。下記の作図は対角線により奥行きを導きだしたパースの例です(図4)立面図の左右の面のレイアウトを直接作図に取り入れます。基本的なこと(水平線、消失点、正六面体が描ける)は必要です。図面は正六面体ですのでまずはそれに合わせて正六面体を描きます。次に左右の面を図面の配置通りに窓やドアを描き足します。ドアや窓の高さは立面図から直接ひろい、上下ラインの延長線上で高さの幅が合う位置を見つけ、それぞれの高さの位置から消失点まで線を引き高さの位置を確定します(作図A)。奥行きの位置関係は対角線を使います。少し手間になるのが奥行きのレイアウトを垂線に置き換え手順です。これも辺の上下の延長戦上で奥行きの幅が合うところ見つけ消失点まで線を引きます。それぞれの線は対角線との交点から垂直に線を下ろします(作図B)。作図Aと作図Bの位置関係を合わせることでそれぞれのドアや窓を決定し、パース作図は完成です。

 今回の作図については、対角線だけでもパースは描けるということを実践しました。よく使う例としては、奥行きの幅の間に柱を何本か立てるとか、間を簡単に6分割する場合とかに使います。パース作図は応用です。一つの約束事から様々な応用を見つけましょう。