顔の役割:目・耳・鼻などの重要な感覚器を司る | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

今回から、ティール組織で重要になる「役割」について記載していきたい。「役割」については以前から記載しているように、10もしくは12の役割という、数字にこだわった方が良い。つまり、6や7の役割だけに留めても生命体が動かないのである。逆に、15、16などのように多すぎても今度は組織として上手く機能しなくなるという事で、当研究会では、10もしくは12の役割にすることを推奨しているが、基本は12の役割としている。

 

・12の役割の場合

・腎臓の役割② 役割①

・両足の役割③ 役割② 役割①

・脊髄の役割② 役割①

・脳の役割④ 役割③ 役割② 役割①

・顔の役割② 役割①

・口の役割② 役割①

・両手の役割② 役割①

・心臓の役割①

・膵臓の役割② 役割①

・腸の役割② 役割①

 

それでは、これらの役割を1つずつ体験するという意味で、見てみたい。今回は、”顔”の役割について、1つずつ項目を確認していくことにする。

”顔”の役割

・目・耳・鼻などの重要な感覚器を司る。

・感覚器により状況・情報の把握をする。

・感情を表現する。

・体調の良し悪しを現わす。

・コミュニケーションを司る。

・交友関係を司る。

・その人の象徴となる。

・第6チャクラを開く

 

これほどたくさんの役割項目があり、全てを完璧にこなしていると、”顔”の役割1級となれるのだが、1/3にも満たない項目しかこなせないようでは、”顔”の役割5級となる。役割等級制度にて、等級が運用されていくのであるが、各項目について、難易度は異なるので、1つずつ見ていきたい。

 

・目・耳・鼻などの重要な感覚器を司る。

私達ヒトの体には、様々な受容器が備わっている。 視覚・嗅覚・味覚といった感覚は、末梢神経のうち脳神経によって支配されている。 脳神経は脳から直接、伸びている。 一方、手や足などの触・圧・痛・温・冷覚は、末梢神経のうち脊髄神経によって支配されている。 脊髄神経は脊髄を経由して、脊髄の所々から伸びています。 前者の支配する感覚器が脳に近い”顔”に集まっている事は、この様に説明出来うる。

 

仮に私達が手先や足裏に目を持つような動物であった場合、今日の様な手先の器用さや二本足歩行は困難であっただろう。 若しくは、このような重要な感覚器が、生涯の途中で怪我などによって損傷される危険がぐっと高まっていたであろう。 感覚器そのものが損傷されずとも、感覚器と脳の間が遠ければ遠いほど、その間を繋ぐ感覚神経が分断されてしまう危険が高まる。 今日のような形での文明を築く事は出来なかったかも知れないし、長い生物の歴史の中でとっくに淘汰されていたかも知れない。 私達ヒトが今日のような一定の繁栄を勝ち得たという結果から考えて、重要な感覚器が一箇所に集中している事が、私達ヒトの生存に有利であったからであるとも、説明出来うる。以下、こちらより抜粋。

 

感覚器とは、身体の内や外で起こる変化を刺激として受容し、中枢神経系に伝える器官と言える。分かりやすい言葉で説明をすると、「感覚器」というセンサーによって、身体の内側や外側で起こる変化を感じ取り、その刺激を「知覚神経」という求心性の神経を介して、「脊髄」や「脳」などの「中枢」に伝えていく。

なお、末梢から中枢に向かう神経を「求心性神経」といい「知覚神経」は求心性、中枢から抹消に向かう神経を「遠心性神経」といい「運動神経」は遠心性、という。

 

日頃から私達は、身体中のセンサーが働いて、様々な感覚情報を脳に送っており、大量の感覚情報を通じて、身体の内外の変化を感じ取ることで、「これから何が起こるのか?」といったことを「予測」し、生存の確率を高めようとしているということが考えられる。そして、こうした「感覚器」というセンサーによって得られる感覚にはどういったものがあるか?というと、先ずは以下の2つに分かれる。

  • 一般感覚(体性感覚、内臓感覚)
  • 特殊感覚

更に掘り下げてみていくと、「一般感覚」は「体性感覚」と「内臓感覚」の2つに分けられ、更には、「体性感覚」は「表在感覚」と「深部感覚(固有感覚)」に分けられる。ここまでをまとめてみると以下の様になる。

・特殊感覚

・体性感覚―表在感覚

       ―深部感覚(固有感覚)

・内臓感覚

 

特殊感覚とは

「特殊感覚」について説明をすると、「特殊感覚」とは、いわゆる「五感」のことを指す。

「五感」とは、以下の5つの感覚のことを指すが、触覚以外は、「目」や「耳」などの様に、それぞれの感覚に対応する「特殊な感覚器」を有している為「特殊感覚」と言われている。

  • 視覚
  • 聴覚
  • 嗅覚
  • 味覚
  • 触覚

そして、この「特殊感覚」に対応する感覚器のほとんどが、”顔”に集まっている!その為、スマートフォンやパソコンを長時間使用する生活が続き、頭が前に突き出たいわゆる「フォワードヘッド姿勢」の場合、こうした感覚器も影響を受けることが考えられる。

 

内臓感覚とは

内臓感覚とは、お腹が空いた~といった「空腹感」や「喉の渇き」、「便意」、「尿意」にはじまり、吐き気や胃が痛いなどといった「内臓の痛み」などの内臓から得られる感覚を指す。

ちなみに内臓は迷走神経などが支配をしているが、迷走神経は副神経と繋がりがあり、内臓-体性反射といって、内臓に問題があると副神経が支配をする、僧帽筋や胸鎖乳突筋などにも影響が出ることが考えられる。

 

体性感覚とは

最後に、体性感覚とは、皮膚などの身体の表面にセンサーである「感覚器」が存在する「表在感覚(皮膚感覚)」と、筋肉や腱、関節などの身体の深部にセンサーである「感覚器」が存在する「深部感覚(固有感覚)」とが存在する。

もう少し具体的に見ていくと、以下の様になる。

表在感覚 触圧覚、振動覚、冷覚、温覚、侵害受容刺激など
深部感覚 位置覚、運動覚、重量覚、筋の伸長、張力、侵害受容刺激など

 

例えば、目を閉じた状態でも肌に何かが触れれば、何か当たっている事を感じ取ることが出来るだろう。これはいわゆる触圧覚などによるものである。更には、目を閉じた状態で「肩関節 外転 80度の位置まで腕を上げてください」と言われたとしても、80度の位置まで上げられるのは、位置覚などによるものである。この様に、私達は視覚に頼らなくても、表在感覚や深部感覚(固有感覚)によって、身体の状態を把握する事が出来るのだ。そして、感覚器から得られる情報をもとに、自然と最適な姿勢や動きを脳が選択をしているので、キレイな姿勢を創ろうと思ったら、先ずはこうしたインプットが適切に行われていることが重要である!

 

組織でも同様で、顔の担当者は、脳の担当者にほど近い位置で仕事をする。何かあった場合の危機に備えてすぐに対応できるよう、感覚器である目、耳、鼻、を効かせてすぐに対応するため、脳と逐次情報を共有している。これが、脳の担当者と離れているような組織の場合、すぐに脳の担当者からの判断がこず、連絡を待っている間に、危機に襲われるということも起こり得る。それゆえ、顔の担当者は、常に脳の担当者の側にいることが望ましい。なぜなら、極めて重要な感覚器とよばれる、目、耳、鼻は脳神経と直接つながっているのだから。

 

・事例

例えば、脳の担当者が事業部長で、口の担当者が営業担当者で、顔の担当者が課長であったとしよう。課長は管理職として、様々な情報を取得する。そして危機的な状況も事前に察知し、先手を打つことも重要な役割となる。

 

ある営業担当者から、新規顧客との取引の相談を受けたとしよう。その顧客をまずは帝国データなどで調べ、取引して良いかの確認なども行う。帝国データに与信がなかったり、十分に調べたい情報がなかったような場合は、別の方法で顧客をしらべにいく。

 

そのような顧客を調べるという対応をしている最中にも、別の営業から連絡が入る。すみません、事故を起こしました!と突然の連絡が入る。緊急事態だ。まずは、症状は?人身事故か、物損事故か?人身事故ならば、相手の状態はどうか?などの情報を瞬時に確認せねばならない。いったん、顧客をしらべるということを後回しにし、まずは脳の担当者である事業部長に急ぎで報告をするため、情報を収集するのが最優先だ。

 

人身事故だという。しかも、事故を起こしたのではなく起こされた方であった。信号待ちで赤信号で待っていたところ、後ろから追突されて、相当な衝撃で首をやられましたという。いま、大通りの交差点の脇に車を停めて、警察を待っているところだと。急ぎで、場所を確認し、救急車に乗る程度なのか、それとも事故処理が終わったら、車で帰ってこれるレベルなのかも確認する。幸いにも、少しバンパーが凹んだ程度と本人は言うので、事故処理後、自分で帰ってくるという。

 

災害速報なども記録せねばならいので、写真撮影も指示し、相手の連絡先なども確認し、いったんは電話を切る。急ぎで脳の担当者に報告をする。すると、脳の担当者である事業部長から、新たな指示が来る。誰か他の社員を現場に応援に行かせろ!という。首が痛いであろうし、第三者の目線も必要なので、急ぎで警察の処理が終わる前に、現場に行かせろ!という。

 

大慌てで、営業担当リーダーを現場に向かわせる。現場で、相手との交渉の状況、車の破損状況、首の痛さなどを確認して、課長に連絡が入る。課長は取り纏めて、事業部長に報告する。このようなやりとりを、瞬時に行うことで、緊急の交通事故に何とか対応していくのだ。これが、脳の担当者である事業部長が離れたところに居た場合、指示が遅れ、現場に第三者を向かわせるという判断が遅れ、もう間に合わずに事故処理が終わってしまった後ならば、何も確認ができないところであった。事業部長が近くに居たので、ギリギリで現場に営業担当リーダーが到着し、状況確認することができた次第だ。

 

事故を起こされた本人は、大丈夫です!と電話では言っていたが、営業担当リーダーが駆け付けたところ、結局は車もレッカー車で運ばれることとなり、事故を起こされた本人も病院へ行かねばならないので、営業担当リーダーの車で病院へ向かった次第だ。もし、営業担当リーダーが現場に行ってなければ、事故を起こされた本人は、歩いて帰ってくるつもりだったようだ。病院も後でいいや!と思っていたようだ。このような判断が、後々の後遺症につながったなら、取り返しがつかないことになるところであった。事業部長の指示で、このような危機を回避できた次第だ。

 

・オンボーディング・プロセス

顔には、目や耳や鼻といった重要な感覚器が集まっており、人間の象徴的な部位として君臨している。これは組織でも同じで、目から、耳から、鼻から、情報を取得し、危機に対応していく最前線の役割をになっている。この危機への対応が、ほんの数秒遅れただけでも、命とりになることもあるので、顔の役割の担当者は、恐ろしいほど緊張感を持って、日々の業務に取り組まねばならないのである。

 

オンボーディング・プロセスでは、同時に2つ、3つの出来事が重なる体験をしてもらう。5人が1つのチームとなり、脳の担当者、顔の担当者、両足の担当者、右手の担当者、のような5人のチームを組んでもらう。そこに、緊急の電話が1つ入り、その直後に、もう1つの緊急の電話が入るという設定で、実際にどのような判断を下していくのか、体験してもらう。

 

具体的には、1つ目の電話が、メンバーが事故を起こした!という電話であったとしよう。もう一つの電話が、クレームです!という電話だとしよう。この2つをどのように対応し、どのように脳の担当者に報告し、どのようにさらに指示をだしていくのか、を体験してもらう。

 

・メンバーが起こした事故:人身事故であり、相手にぶつけてしまった!という内容

・クレームの電話:今すぐ責任者を出せと怒っているという内容

 

このような2つの内容に、各チームはどのように対応していくのか、他のチームが評価していく。事故の内容、クレームの内容は、それぞれ別な設定でオリジナルで作成してもらえれば良い。各チームごとに、体験してもらうことで、ものすごい緊張感と臨場感をもって、対応していかねばならないことが理解できるだろう。

 

そのような緊張感と臨場感の中で、顔の担当者は常に仕事をしているということだ。これが理解できれば、オンボーディング・プロセスは成功であろう。

 

 

いかがであろうか。今回は、目・耳・鼻などの重要な感覚器を司る、について記載した。顔の役割の担当者のは、組織の顔として、相当な緊張感を持って日々仕事をしている。感覚器から得られる情報を、逐次、脳の担当者と共有しながら、危機を事前に察知していくのである。相当、疲れる仕事であることは、容易に理解ができるだろう。大変な役割なのだ。