NEXTの病因論
このブログでは、各疾病(病気)について書いてきましたが私の研究所での治療に関して、あまり触れていませんでしたのでその成立までの簡単な経過と概論を書いてみます。私の研究所では、NEXT-Applied Neurology という治療法を研究、実践しています。これは自律神経をメインとした新しいアプローチです。臨床検査学会では、理学検査(MRI,CT,X-Ray、血液検査など)によって原因を確認できるのは、病気全体の30%であるとしています。この30%というのは、主に外傷(怪我による骨折など)、感染症、腫瘍、など画像で確認できるか、血液検査の数値に引っかかるものです。では、そのほかの70%というのは、何でしょう?例に挙げると、、血管障害でない頭痛、本態性高血圧、突発性難聴、めまい、腰痛、肩こりにはじまり、発症してからしか分からない脳血管障害、癌、などの本当の原因などは分かりません。つまり西洋医学では、この70%の症状は原因不明と言うことです。なんと、今の病気の70%は原因不明なのです。しかし、希望がないわけではありません。同じ西洋医学ですが、免疫学によって人間の根本的な病気の原因というものに関する研究が進んできているのです。これらの研究成果は、投薬中心の現代医療に疑問を投げかけています。これら免疫学での貴重な発見が、自律神経と免疫の関係です。しかも、先ほど書きました西洋医学における原因不明とされる70%の病気はこの免疫学と自律神経の関係で説明できます。ただし、この基本原理だけでは具体的な治療の方法は、分かりません。しかも、薬を使えません。自律神経系に悪影響を与えることを、証明してしまったからです。新潟大学の阿保教授を中心とした阿保免疫学を基本として治療を行うグループも結局、東洋医学と鍼灸の針治療を取り入れて試行錯誤の最中です。免疫学は西洋医学ですが、いざ治療となると東洋医学の「気血の巡り」などの概念になってしまうところが、気になるところではあります。しかし、神経系の治療に関して116年もの間、治療と研究を重ねてきた治療法があります。それがアメリカで生まれたカイロプラクティックです。時々、東洋医学と間違っている方もいますが、間違いなく西洋医学です。その116年前の古典的な病因論は、いまでは医学的に容認できないものでしたが神経系に目を向けていたことは注目に値します。そして、その病因論も研究が重ねられて新しい概念に改変されてきました。ゆえに、自律神経にと言うわけではありませんが、神経系にアプローチするという点では、現代医学的方法論として正しいかどうかは別にして116年のアドバンテージを持っている事になります。次回は、このテーマについて書いていきます。