ところで、

カイロプラクティックは、1895年に生まれました。

この自然療法は、現代、欧米では大学教育になっています。

国によって違いますが、教育時間数も一般の医学部と同等かそれ以上あります。
(教育システムについて詳しくは→こちら。)

ちなみに、日本では現在、正規の学位をもったカイロプラクターは、約600名です。

看板を上げているのは、今から10年以上前でも2万軒以上あるそうで・・・。

もちろん、学位のある約600名以外は正規のカイロプラクティックというわけではありません。

カイロプラクティックと言う言葉を、看板にあげることは規制がないので

内容が、マッサージのようなものだったり、整体であったりと色々あり

玉石混合となっています。
(整体との違いは→こちら

カイロプラクティックの創生期にあった病因論は、神経圧迫でした。

神経の伝達が、椎骨のズレによって阻害される事によって病気が発生するという理論です。

これをサブラクセ-ション理論と言います。

これが116年前に考えられた古典的なカイロプラクティックの病因論です。

しかし、今では研究が進みこれらの病因論は新しい概念に進化してきました。

カイロプラクティックの世界的団体であるWFC(World federation of Chiropractic)は、

今ではWHO(世界保健機構)のNGO(非政府組織)として 一員となっています。→WFCホームページ

WFCによる現代のカイロプラクティックの定義(Definition of Chiropractic)は、

「カイロプラクティックとは、筋骨格系の機能・構造的な障害と、それが及ぼす神経系の機能異常、
 
 ひいては健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職である。

 脊柱マニュピレーション(アジャストメント)を主とした徒手治療を特徴とする。」


 (1999年 ニュージーランド総会で採択)

そしてその立場(Position of Chiropractic)は、

「カイロプラクティックは、薬物・外科を使わず、自然治癒力を重視したヘルスケアである。」
(2001年 パリ総会で採択)

とされています。

今では、神経圧迫という古典的病因論は、定義の中から消えています。

116年前の初期の頃から、神経系の働きに注目していたことは注目に値します。

このように、神経系の働きという要因に注目しているのはよいのですが

カイロプラクティックにとって、脊柱マニピュレーションを行うと

何故、いろんな病気が改善するのか、その機序は、曖昧でした。

独自の哲学をもっているのですが、もちろん、それが明確な医学的説明とはなっていません。

この古典的な神経系の概念をさらに進化させたのが、

Dr,Carrickが、提唱したカイロプラクティック臨床神経学です。

つづく。