前回は、部屋の温度分布などについて書きました。

作業効率も極端に低下するとも。

これには「脳」が関係しています。

つい最近までは、脳の温度上昇については

あまり知られていませんでした。

実は、人体の中で、温度上昇をもっとも嫌うのは「脳」です。

脳を構成している神経細胞自身、それほど熱に強くないのです。

とくに子供の脳は熱に弱いので、熱病になると障害が残ることが

あるわけです。

さて、

28度という温度ですが、

人間にとって28度という温度は、皮膚表面からの熱放出だけでは

脳内の温度を下げることが出来ません。

必ず、汗をかいて温度を下げる必要があります。

これが非常に問題です。

ずっと汗をかいていることが出来ればいいのですが

水分補給が足りなければ汗をかけず、すぐに脳内の温度は上昇します。

ましてや、小さい頃からエアコンの部屋で育った現代人は

汗腺の量が少ない人が多いのです。

こういうかたは、必要量の汗がかけません。

また、自律神経の機能異常をおこしているかたも、汗をかけません。

と言うことは、非常に熱中症のリスクが高い。

熱中症とまでは行かなくても、体調は非常に悪くなるでしょう。

当然、仕事の効率も低下の一途をたどります。

しかも、脳内温度の上昇は自律神経の機能を強烈に低下させます。

そもそも、それで体温コントロールが出来なくなり

熱中症で、死亡することもあります。

さらに、もともと自律神経の機能異常を起こしている方は

そもそも、汗がかけない方がいますから、

さらに自律神経の機能が低下し、あらゆる症状が発症し

大変なことになります。

なんでも、28度にすれば良いというものではありません。

今年の夏は、熱中症のオンパレードになるでしょう。

もうすでに始まっています。

今の時点で、熱中症で医療機関に運ばれた方は、

前年度比で、4倍にもなっています。