フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -69ページ目

自発的な創意工夫や相互補完で臨機応変に目的を達成していく力

いま、教材作成を日本側でお願いしている方がいて、
普段はスカイプなどで連絡を取り合って自宅作業、
月に1回くらい出社、という形態をとっていらっしゃる。
(年上の方なので敬語)

で、月曜日はその出社日だった。

普段自宅でやるのとは違う、オフィスでしかできないお仕事をお願いする必要があるので、
「今日は何をやっていただこうかなぁー」 と考えていた。

で、会社についてみると、その方からメールが来ていた。

本日の出社の目的としてお伝えしたいことを以下まとめてみましたので事前にお送りしておきます。
 ・・・ 

こちらから何も指示なくても、要望を自分から出してくださっていた。
内容も筋が通っていて、とても助かる。

産業再生機構の冨山 和彦さんによれば、組織の強さの根源とは、
動機づけられた現場人材たちが、こまごまとした職務規定や指示命令なしに、自発的な創意工夫や相互補完で臨機応変に目的を達成していく力
だという。

本当にそうだなーと思う。

だから、僕の役割は、組織作りにおいては、下記4つになる。
・よい現場人材を雇うこと
・動機づけること
・自発的な創意工夫や相互補完をうながすこと
・目的を達成するってことが見えなくなっていないか、チェックし続けること

教材の面では、やっとここができてきた。
僕自身が教材づくりに手を出さないように我慢して、上記のことをコツコツやってきた。
その結果時間はかかってしまったけれど、その人たちの手による初心者用教材が、間もなく大幅改定・UPできるめどがついた。

今から楽しみである。

バッドマン

映画「ダークナイト」を見てきた。

darkknight  「ダークナイト」っていうか、写真のとおり要はバットマン。 この前見てきたのは「ポニョ」 なので、自分の映画セレクションが小学生レベルになった気がしないでもない

 んでも、ポニョはけっこう奥が深い
 ・崖の上のポニョが神過ぎた件
 
 そしてこのバッドマンも、非常にかっこいい。
 (この前作のベギンズもかっこよかった)
 
 だってさ、バッドマンだよ、日本で言えば仮面ライダーとかウルトラマンで、このかっこよさ・世界観を出せるかって思うと、いやーすごいねーってつくづく思う。
 

ポニョにしろ、バッドマンにしろ、単純なお話をこうやって上手に調理されると単純にすごいなーって思う。

プレゼンと笑顔

昨日また100人の方の前でプレゼンする機会 があった。

公社の講演会や、高校の経営者OB会など、
ここのところそういう機会が多い。

で、昨日のプレゼン、あまりうまくいかなかった。

インパクトのある話はできたのではと思うが、
理性には訴えかけられても、感情面ではNGだなぁと思った。

理由は、下記の3つかなと思う。
1)練習不足
2)感情のコントロール不足
3)会全体の意図の理解不足

1)練習不足ってのはちょっと意外で、
前回2回のときとそれほど変わらないスライドを用意していったので、
練習しなくても大丈夫だと思っていた。

でも2週間も空いていたので、
当日スライドを見てみると、
「ここ、言いたいことちょっと変わってきたなぁ」 とかいうところがいっぱいあって、
2週間前はすんなり頭に入っていて言いやすかったのが言いにくくなっていた。
結果、時間配分がうまくいかず、あせり、語調に説得力をもたせられなかった。

2)の感情のコントロール不足 ってのは、
プライベートで嫌なことがあり、
その影響が今日もろに出てしまったという状況。
気持ちが切り替えられていないってのは情けない。
あの場にマイナスオーラが伝わっていなければいいが・・・

3)会全体の意図の理解不足ってのは、
会に来られている方のテンション・意図をじゅうぶん理解していなかったので、
どういうふうに話を切り出すのが最も良いのか、よくわかっていなかった。
たとえば、公社の講演のときは、
「聞いて頂く方の起業に役立つ情報」
という明快な目的があったので、
会に来る方のテンション・意図がよくわかったので、
それに合わせた話の切り出し方ができた。

でも、昨日はそれができず、
こっちが話したいことを話したという格好・・・

というわけで、反省点がいっぱい。

またこのようなプレゼンの機会をどこかで頂けるとしたら、
きちんと修正していきたいと思う。

さて、昨日は自分のプレゼンのほか、
他の方のプレゼンを聞く機会があった。

いろいろな方がプレゼンしていたが、
いちばん強い印象をうけたのは、
社会起業家、オフィスマッサージ「手がたり」 の田辺代表の姿だった。

・盲ろう者(目と耳が不自由)の雇用創出
・盲ろう者が企業のオフィスに訪問して、マッサージを提供

プレゼン自体は、話としては、
「10年前、大前研一さんの一新塾にいたとき、
 こういう話をよく聞いたなぁ」
くらいで、強い印象は抱かなかった。

けれど、そのあとの懇親会で、
実際に従業員の方のマッサージのデモがあった。

そのとき社長が、非常に素敵な笑顔で従業員の姿を見守っているのを見て、
「あぁ、この人は男だなぁ」と思った。

僕はフィリピンに雇用を創出しているつもりだが、
この方はそれよりもさらに何倍も難しいことに挑戦されている。

そして、従業員の方に「~してやる」という態度ではなく、
あたたかさとその従業員の方を誇りに思っている気持が伝わってきて、
本当にかっこいい笑顔を見させてもらった。

僕にそういう人徳はないし、今はあの笑顔ができるとは思えない。
正直、今そういうことをしていられる段階でも役回りでもない。
でも、何年かあとに、ああいう笑顔ができるようになれたらいいなぁと思う。

社長! 社長!

日本では 「加藤」 「加藤さん」 と呼ばれていて、
フィリピンでは 「Kato」 「Kato-san」 と呼ばれている。

だから、「社長」と呼ばれ慣れしてなくて、
公式の場とかに出て
「社長、よろしくお願いいたします」 とか
「社長、こちらへ」
って言われると、
どうしても飲み屋でおだてられているような気がするのは
どっか僕がおかしいんだろうか。

インターン2名、フィリピン滞在中 その3 (フィリピン人のいいところ)

インターンの二人が、無事日本に到着したとのこと。こんなメールを彼らからもらった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貴重な機会を頂き本当にありがとうございました。
講師に楽しんでもらった以上に自分が楽しんだ感が否めません。
一緒に楽しく過ごした時間を通して信頼関係が少しでもできていれば幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そこで、こういう風に返事した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無事到着のようでなによりです。
ところで、ブログに載せたいので、向こうで経験したことの中でいちばん面白かったことを手短に教えてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そうしたら、こういうメールをくれた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
僕はカメラの前で笑うのがとても苦手だ。
何というか表情が硬くなってしまう。
昔からずっとそうである。
それが講師たちとの昼食会の後で露呈した。
日本では、写真を一緒に撮る時には誰もそのことをいわないし
何もしないが、彼(女)らは違った。
写真を撮るとき、僕の顔をよくみている。
硬くなった僕の表情を崩そうと、あの手この手を尽くしてくる。
写真を撮ることよりも、写真に映る僕の表情が
彼(女)らにとっては気になるようだ。
おかげで、僕や彼(女)らのカメラの中にはおもいっきり
笑った僕の顔がどっさり含まれている。
何気ないこの時間が僕にとってはたまらなく面白かった。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを読んで、 「なぜ、自分の笑顔が、向こうで経験したことの中でいちばんおもしろかったんだ?」 と思うかもしれない。

でも僕は、そうなんだよ、そうなんだよと思った。
おそらく、この文章は、フィリピン人のいいところを最も的確に表している。

僕の思うフィリピン人のいいところ、それは、
・相手が喜んでいるかをすごく気にしていて
・相手を喜ばせることが自分の喜び
ってとこだ。

フィリピン人はEQ能力が高い国民 っていう話があり、
本当にこの通りだと思う。

そしてレアジョブのレッスンが満足いただいているとしたら、
この国民性に頼る部分が非常に大きいと思う。

他の国と比べてってことだから、もちろん例外の人はいるけれど、
全体の傾向を語るとしたら、
あきらかにフィリピン人は他人が喜んでいることを喜ぶ、そういう傾向が強い。

相手が喜んでいるかどうかをすごく気にしていて、
相手を喜ばせることが自分の喜びっていう人たちに囲まれてきた。
だから、彼は、カメラの前で自然に笑顔になれたんだろう。

で、彼から掲載許可が出たので、具体的にどうなったか、彼の笑顔の写真を載せます。

[Before Philippines] → → → [After Philippines]

Smile Before   → Smile After

左の写真はフィリピンに行く前に日本で撮った写真。
右はフィリピンに行ったときの写真。
フィリピンの方の写真は、こんなにも変わるのかってくらい、いい笑顔です。

いい笑顔ってのは、人生を生きる上でとても大切だと思います。
こうまで表情を変えさせてしまうフィリピン人ってのは、すごいなぁと思います。

感情管理能力

面白いブログ記事を読んだ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
グローバルなオペレーションを管理するリーダーの中で) 際立った実績をあげたリーダーとそうではないリーダーの間で差異を生み出していた理由の90%までが、“感情管理能力”(Emotional Intelligence)にあることが分かってきた。 ・・・ グローバルに活躍するリーダーに求められる能力が、感情面の管理能力であることは、既に明らかなのである。

ではその“感情管理能力“とは何なのか? 心理学者のダニエルゴールドウィンは、次の5つの個人的、社会的能力を上げている。 すなわち、自らに気づく能力、自らを律する能力、動機付ける能力、共感力、そして関係構築力である。 ・・・

リーダーに通常求められるのは、戦略性や先見性、あるいは統率力といったものという了解が僕達にはある。 アドラーは同じリーダーでもグローバルな動きの中で成功する例とそうでない例の差異を生み出している要素を探究し、それが”Emotional Intelligence”であることを突き止めた。 その他の要素を否定してはいないが、差異を生み出していた要素を抽出したわけである。

彼女が強調しているのは、文化の問題が常に感情の問題と深くつながっているという事と、感情の問題が企業の業績に大きな影響を与えている、ということである。 卓越したリーダーは、感情の問題をマイナスに働かせれば、とんでもなく生産性が下がるばかりか、新たな損失すら生まれてしまう事を知っている。 そして逆に、感情を一旦プラスの方向に振らせると、単一文化のグループでは成しえない様な強さを発揮する事も弁えている。

日常の彼(女)らは、盛んに文化を超えた創造の営みを勧め、そこから得られた成果を称賛し、貢献した部下らを褒めちぎる。 文化を創造の種にしながら、関係づくりの肥やしにもしてしまう。 と思うと、具合の悪い出来事やパフォーマンスが下がった時は、文化が違うのだから失敗はつきもので気にしなくていい、と責任を文化におっ被せるのも得意である。 

優れたグローバルリーダーとは、文化を梃にして感情のマネジメントが出来る人、という言い方ができるのかもしれない。

http://ameblo.jp/wonderkid1/entry-10140481874.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

いやぁ、本当にそうですよ、と心から納得。

どうやって、日本人・フィリピン人の集合体の企業を動かしていこうかと真剣に考えている けれど、
日本人だけじゃなくって、異文化の会社ほど、感情のコントロールが重要になるってのは、
まさにその通りだと思う。

だって、自分の所属する文化の判断基準で、相手を判断しちゃいけない のに、
怒りとか喜びみたいな感情は、どうしたって自分の所属する文化の判断基準からうまれるものだから。

だから、国際的なビジネスになればなるほど、感情をコントロールして、
「今、自分はカチってきているけれど、これ、相手に悪意ないよね?」 って冷静に考える必要が出てくる。

ひるがえって自分。

最近、怒りを爆発させる機会が多いなと反省・・・
半年前の自分の方が、よっぽど冷静だっただろうなと思う。

もう少し冷静になろうと思う。

インターン2名、フィリピン滞在中 その2

インターン2名、フィリピン滞在中ですが、写真を何枚かもらったので載せます。

講師たちとのLunch Gatheringです。

これはスタッフたちとカラオケに行った写真みたいです
080908_PhlVisit3

この写真は別の場所でのLunch Gatheringです。
080908_PhlVisit1

いやぁ、本当に楽しそうです。

080908_PhlVisit2

(本人たちから掲載許可もらってないから後で怒られるんだろうけれど・・・まぁいっか)


写真だけ見ると、向こう行って遊んでしかいないように見えるけれども、きちんとやるべきことは果たしているはずです。
彼らには、下のように言い渡してあります。

レアジョブは日本の会社、つまりフィリピン人からすると外資にあたり、講師・スタッフからの信頼度を高めていく必要がある。従って、現地ではLunch gatheringで一緒に御飯を食べたり、Barで一緒に飲んだりもする。ただし、仕事であって遊びでないということに注意。どんな楽しい思いをしてきたかよりも、講師やスタッフにどれだけ楽しい思いをさせ、日本側への信頼感を増してきたか、という点が問われる。

ひとことで言えば、「接待してこい」 ってなわけです。

インターナショナルな会社といいつつ、社内での国境の壁が高い会社はいっぱいあります。(日本人は日本人社員同士固まる、というアレです。 日本にいる外資系はほとんどそうなんじゃないか、という気がします )
レアジョブはそうはしたくないので、こういう「仲良くなる」イベントは、ものすごく重要だったりします。
写真だけ見た感じでは、やっぱりインターン、連れて行って大成功みたいです。

ひょんな偶然

前職の戦略コンサルのときに、日米合同のプロジェクトをやっていて、
米国チームに現地採用の日本人がいた。

お互いに下っ端だから、そうは直接会って話す機会がなかったのだが、
「日本生まれなのに単身米国に渡って、英語で不利な中でコンサルやるってのはすごいなぁ」 と思っていた。

で、時は流れ、僕は起業。
ある日、高校時代の部活の友達からメールが入った。

「米国で働いているxxxさんと、おんなじ会社いたんだって?」
「実は、xxxさん、僕のいとこなんだよ」

おおお

世間ってのは狭いです

前職のコンサル、規模としてはそう大きくはないのに、
中高で親しかった友達の実はいとことおんなじプロジェクトで働いていた・・・

さっそくFacebookでメールを送ったところ、
向こうも驚いていた。

ひょんな偶然。

xxxさんが帰国したらお会いする予定。

インターン2名、フィリピン滞在中

ただ今創業パートナー(日本人の)がフィリピンに行っている。

で、せっかくなんで、学生は夏休みということで、
インターンの二人にもついて行ってもらっている
(3人のうち一人は残念ながら都合でいけなかった)

まぁいろいろとやるべきことは言い渡したけれど、
・どういう事業をやっているのかを向こうのサイドから理解する
・日本とフィリピンのスタッフ・講師と交流を深め、仲よくする
ということが目的かなと思っている

で、さっきちょっと話したが、
インターンたちは「楽しいです」と言っていて、本当に楽しい模様。

講師やスタッフたちも大騒ぎで、
「Kato-san、インターンの方がKato-sanよりもハンサムですよ」 だとか、 
「Kato-san、男性の魅力は外見じゃないから安心してください」 だとか、
「あーでもやっぱ若い人の方がいいかも」 だとか、好き勝手なことを言っている
余計な御世話だ!

今日お昼に講師たちやこちらのスタッフとの集会イベントがあったのだが、
あるスタッフの誕生日がたまたま今日で、
すごく多くの人たちから
「誕生日おめでとう」
「誕生日おめでとう」
と言ってもらえて、非常にうれしかった模様。

で、そのあと、二人のインターンに、
「このスタッフは今日が誕生日だから、ご飯誘っておいてあげてね」 とアドバイスした。
で、それもやっぱり嬉しかった模様。

I am glad that I've met RareJob
I really learned a lot.
When I leave, I think I'm going to miss my job.

このスタッフは、今はTemporary staffとして働いてもらっているが、
非常に優秀なのでぜひFulltimeで働いてもらいたい。
でも大学院進学を考えているので、Fulltimeの同意はもらえていない・・・

まぁこういう状況だけれど、今日のような、
一人ひとりの従業員たちが幸せな状況ってのをコツコツつくりだしていくこうと思う。
このコツコツを続ければ、ぜひ一緒に働きたいひとたちを、
全員ではなくとも何人かには振り向いてもらうことができるんだろうなと考えている。

まぁあとは、インターンの二人が心配だな。
仕事がうまく向こうでできなくたっていいから、事故・病気・犯罪に会わず、ただ無事で帰ってきてほしい。
まるでお母さんの気持ちみたいだと思う。
遠足は家に帰るまでが遠足。

そんなことを日本にいながら考えている。

問題の発生を予測し対処する

こっちのミスが原因で、講師に迷惑をかけてしまった。

こっちのミスが原因というか、雨が降ると道路が洪水状態になるのが原因というか・・・

いずれにせよ、経営者としてなっていないなと思い、非常に凹んだ。

少なくとも雨が降ると道路が洪水になることは予測がつくはずだから、それに対応したフローぐらい考えておかなきゃいけない。

自分自身がその業務をやるとしたら予測できていて、
それに対応したフローを考えるってのは(おそらく)できていたはず。
だが、今回の件は、チームとして動いているのを、僕が監督するって立場だった。

自分自身がプレーヤーじゃなくて、部下がプレーヤーとして動くのを見る立場において、
問題の発生を予測しと対処するってところが自分にはまだ不十分。

つくづく、自分が甘いなと思った。 (だから凹んだ)
今回の件は責任は僕にある。

とりあえず講師全員にはメールを出して謝った。

今回の反省を生かし、プロセス改善に手をつけたいと思う。