フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記 -68ページ目

今回の金融危機がベンチャーにもたらす影響

金融危機がすごいです。
株価が半分、海外ではそれ以上に下落しています。

さて、この金融危機がベンチャーにどのような試練をもたらしているかというと、

「生き延びよ」

この一言に尽きます。

さまざまな金融資産の価値が下落
 ↓
各金融機関は、自己資本を手厚くするために、貸出をしぶり、貸しているお金を回収しようとする
 ↓
いま、金融市場でお金がまったく出回らなくなっている
(なので、各中央銀行は利率を下げたりマネーを供給したりしている)
 ↓
当然、ベンチャーキャピタルやその他の資金の出し手にも、お金が回ってきずらくなる
 ↓
当然、ベンチャーは出資を受けにくくなる
 ↓
ベンチャーは、売上・シェアを拡大するための増資、という方策がとりづらくなる


前にも書いたとおり、ベンチャーは売上を100倍・1000倍にしていくために設計された組織です。
なので、基本は積極的にガンガン成長志向、という話になるわけですが、この金融不安で、それも厳しくなっていきます。

成長のための増資ができないので、基本は自己資金で成長していくしかないです。
というよりも、多くのベンチャーは、キャッシュフローがマイナスなので、
つまり現金残高がどんどん減っていく環境にあるので、
成長はおろか、「生き延びよ」 が至上命題になります。

米国の有名なベンチャーキャピタルが投資先に出した文書には、次のようにあるそうです。
・Cash is King
・資金調達できそうなら、すぐしろ。会社を売れそうなら、すぐ売れ。
・売れる製品を持て
・きちんと回るビジネスモデルを持て
・不採算のマーケティング案件は閉じよ
・人員を削減しておけ
・以上の打ち手はすぐ実行しろ。すぐ実行できた企業ほど、生き延びる確率が高まる

この文書は次のように締められています。

GET REAL OR GO HOME

ベンチャーに成長を促すベンチャーキャピタルが、
・シェアを取りに行くな
・資本を節約しろ
ということを訴えているのは、非常に驚きです。


さて、振り返って我が身ですが、もちろん、生き延びるつもりです。
基本は対消費者のビジネスですので、対企業のビジネスに比べ、影響は小さいはずですし、
日銭がきちんと入ってくるビジネスでもあります。
また、半年前に資本調達をしておいたことがプラスに生きてくると思います。

よって、僕たちにとっては、マクロの環境がどうなるかよりも、
少しでもいいレッスン・いいサービスを提供できるように努力し、
レアジョブをお使いいただく生徒様をつなぎとめ・増やしていくことが、
これまで以上に問われているのだと思います。

明日からまたフィリピンに行ってまいります。
きちんと会社としての内部体制を固め、
いいレッスン・いいサービスのための仕組みを組織として構築してこようと思います。

渡辺千賀さんのセミナー 「生き生きとした職場とは?」

渡辺千賀さん のセミナーに参加してきました!

「海外よりダイバーシティ戦略などさまざまなことを導入」とあるので、
うちみたいな企業にぴったし! だと思っていたのですが、どちらかというと純ドメな日本企業向けのお話でした。
(というか、来ている人もそういう人たちなはずなので、そうせざるを得ないはず)

 

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【生き生きした職場とは?】
★「生き生きしていない」の逆は「疲れている」
★労働時間が短いか(=大企業)と、やりがいがあるか(=スタートアップ)の2軸
★その両方、やりがいがあって労働時間が短い、というのはなかなかない
★やりがいがなく労働時間が長い、というのは日本では普通?

【現場をいきいきさせる方法】
★労働時間を減らす (効率化、フレキシブル、サバティカル)
★やりがいを増やす (ギークならではのリワード提供、現場での採用権付与、業績をあげる)

【どうやって働く時間を減らすか?】
★日本人に一番大切なのは、時短。どうやったら効率化などで働く時間を減らすのか。
★日本人はコミュニケーションの時間を異常にかける。
★なぜなら、権限委譲がなされていないから。
★「ほう・れん・そう」は大事だが、過剰ではないか? 
★新入社員にはほうれんそうは大事だが、25歳過ぎてもそれをやっているのは、ルータですらなくリピータ (この比喩はどれだけの人が理解したのだろうか)
★権限委譲はどうやればいい? → トップが権限委譲を決めるだけ。やれば動く。心配なら、外部コンサルタントを入れる、など。
★アメリカでは上司が部下を首にする権限を持っている。そのため、上司の決めたことは部下が(例えどんなに間違っていそうなことでも)実行する
(そのため、上司にこびへつらう率がアメリカは他の国よりも統計的に有意に高いらしい)
★電話会議は論理的に話す必要があるので、時短に有効。緊張感があるので、だらだらせずにすむ。

【フレキシブルに働く】
★時短の亜流
★コアタイムのないフレックスタイム、在宅勤務奨励、サテライトオフィス設置、出張に休暇合体・家族同行を奨励
★テクノロジーに限ると、このせいで生産性が落ちたということは聞かない
★「出張に休暇合体・家族同行」はアメリカではごく普通。会社から見ると何のデメリットもないから。出張の交通時間の半分が、オフィシャルからプライベートなものにかわる

【サバティカルを導入】
★アメリカだと、5年以上とかいると、6-8週間などの有給休暇を別途でもらえる(IBMだと、無給だが3-5年間もらえ、福利厚生が継続)

【やりがいを増やす】
★どちらかを増やす必要がある
  ・自分がやったことが形になるか(=ベンチャー)
  ・自分がやったことに対するタイムリーなご褒美があるか。
★人材のタイプにより「ご褒美」を変える必要がある
  ・管理職への昇進(これが日本では普通だがギークには苦痛)
  ・自由に使える時間(例:Google)
  ・参加するプロジェクトの選択権(例:Appleのフェロー)
  ・優秀な仲間と働ける権利(例: )
★現場に採用権を与えるのも役立つ。
  ・部下を自分で選べるので、上司は納得感
  ・仕事内容で選べるので、部下も納得感
★シリコンバレーだと、ポジションが空くと、社内外に求人を出して双方を面接する
★業績が向上していると、すべての問題の緩衝材となる (なので、成熟期にある市場・企業はM&Aするしかない)

【M&Aで人材を獲得する】
★シリコンバレーは、M&Aで人材を買う、という発想が強い
★これで新しい血を導入し続ける 「Under new management」

【その他】
★国際間での人材移動は今後ますます進む
★純血の日本人は減ってきている。日本で生まれた赤ん坊のうち、30人に一人がハーフまたは外国人。
★何もしなくても、日本国内における国際化・人種のダイバーシティは進んでいる

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現場に採用権を与えるとやりがいが増す、という話はとても参考になりました。
今まではなぁなぁで進んできたので、明確化し、さっそく導入しようと思います。

失敗する確率が高いこと = リスク ではない

渡辺千賀さんという方がシリコンバレーにいて、
その人のブログ をよく読む。

この前に書かれたエントリでこのようにあった。

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今、日本からシリコンバレーツアー中の鹿児島大学の学生さん向けパネルディスカッションから帰ってきた。「どうやったら日本人もリスクをとるようになるのか」という質問があって、これ、よく日本の人が言いますね。最近。
「意味のないリスクをとる人は頭がおかしい人。シリコンバレーはリスクをとればリターンも大きいからリスクをとる。日本ではリスクをとってもリターンが少ないことが多いからリスクをとらない。人は合理的」というようなことを言ったつもりなのだが、口ではうまく説明できなかったかも。

日本は

大企業=ローリスクハイリターン
ベンチャー=ハイリスクローリターン
よほど、「自分だけは違う」という強い信念がある人以外大企業(とか役所)に行きたくて当たり前。

一方、シリコンバレーのベンチャーは、まぁギャンブル性は高いがそれなりに当たりがコンスタントに出続ける。一方で、大企業でもばんばんレイオフするので、大企業でもリスクがある。というわけで、大企業は日本よりリスキーで、ベンチャーは日本よりハイリターンと。

大企業=ミドルリスク・ミドルリターン
ベンチャー=ハイリスク・ハイリターン
という感じでしょうか。こういう経済性が本質にあるから人がリスクをとる。

もちろん、同じリスク・リターンの条件(プロファイル)であっても、日本人の方がリスクをとらない傾向というのはあると思う。が、しかし、上記のリスクリターンの配分がそもそも違う、ということに比べたら小さいことなんじゃないでしょうか。

http://www.chikawatanabe.com/blog/2008/09/post-5
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これを読んで次の疑問をもった。

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日本について、
大企業=ローリスク・ハイリターン
ベンチャー=ハイリスク
というところまではわかるのですが、
ベンチャー=      ローリターン
というのはなぜですか?

米国ではハイリターンと書かれているので、
何か本質的な違いがあってそうおっしゃっているのだと思いますが・・・
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で、その旨ブログのコメント欄で質問したところ、お返事をいただいた (♪)


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>ベンチャー=      ローリターン
というのはなぜですか?

「もしあたったら」という時のことだけ考えたら日本のベンチャーのリターンも大きいですが、当たる確率が小さいので。
(リスクリターンの定義については、もしかしたら「数式で見たほうがわかる」という方もいると思いますが、そういう方は
http://cbdd.wsu.edu/kewlcontent/cdoutput/tr505r/page36.htm
をちょっとスクロールダウンした「measurement of risk and return」をご覧ください。)

また、他の方がコメントしているように、ベンチャーがダメだったときの再就職の容易さという面もある・・・かも。でもこれについては、私の周りを見ている限り、日本でベンチャーを辞めて次の職がない人って見た事ありませんが。職もあるけど人もたくさん流動しているシリコンバレーに比べると日本の人材不足は甚大だと思います。
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なるほど、と思った。

リターン=リターンの期待値
     =当たった時のリターンの平均値×当たる確率、
リスク=当たらなかった際の損失×当たらない確率

になるので、
当たる確率そのものはリターンに含まれ、
リスクには含まれないから、ということのよう。


んで、当たる確率は、いい人材が採用できるかってところにかなり大きく影響されるので、
米国よりも日本の方がどうしても当たる確率が下がってきてしまう・・・

ということのようです。

(言葉はしょられすぎなので、けっこう推測)

いや、日本でいい人材は本当に中途市場に流れていない模様です。
なので、うちはフィリピンで人材層を手厚くする方向に出ています。

しかし、失敗する確率が高い = リスク ではない ってのは収穫でした。
失敗する確率×失敗時の損失額が高いこと = リスク 
なのですね。

(つまり、株式が銀行預金にくらべてリスク商品なのは、
元本を割る確率が高いからではない。
元本を割る確率×割った際の損失額が大きいために、
リスク商品と呼ばれている)


失敗する確率を下げる努力とともに、失敗時の損失額を下げる努力が必要なようです。
これについてはまたいずれ。

講師向けブログ

このブログだけではなく、講師向けにもブログをたまに書いている。

(人数が増えてくると、こういう形でのコミュニケーションにどうしてもなっていかざるを得ない)
(あ、グーグルなどで検索可能なところで書いていませんので、念のため。)

最近、レアジョブの立ち上げに至るまでの経緯を、4年以上前から半年刻みで書いていった。

このブログが始まる前からの話は始まっており、、
メキシコ → 日本 → 韓国 → 中国 → 日本 → フィリピン
といった具合に、場所もどんどん変わっていくよう見せ方を工夫して、
これがけっこう講師たちに好評だった。

"the other side of kato san"

"I admire your braveness...
I really admire you for your courage.
little bit reckless"

"inspiring story! ;)
wow very inspiring Tomo-san.. more stories please!!!
as the story unravels, the making of rarejob becomes more and more inspiring. we look forward to learning the rest of the story. ^_^ "

とても好評だったので、機会があったらこちらのブログでも発表したい。

面白かったのが、

"I'm really glad to know that I work for a company with a "story"."

というコメント。

会社に物語性があるってのは、従業員のモチベーションを少し高める効果があるのかな、と思った。

英語力が日本企業の戦略を束縛している

この間ある企業の人事の方とお話していて、
日本企業ってのは、全社員に英語教育を提供するインセンティブがあまりないのだなぁ、
ということに気づいた。

なんでかというと、海外関連部署は全社の中の一部なので、
例えば従業員の2-3割だけが英語をマスターしていればいいからだ。

だから、従業員の人全員に英語教育を、と言っても、人事の人には響かないことが多い。

一方、従業員の人ひとりひとりを見ると、英語を勉強するインセンティブは明らかにある。
自分の将来の可能性が、ビジネス面・プライベート面の両方で広がる。
海外プロジェクトに関われたりとか、外人の友達ができたりとか、人生をもっと楽しめる。

つまり、英語教育においては、マクロとミクロでニーズが一致していないってことで、
この現象は非常に興味深かった。
(つまり、少なくとも英語については、会社に頼りっきりだと、自分にとってよくないということが言える)

ただ、マクロでみたとしても、企業は従業員全員の英語力を伸ばさなくて果たしてよいのか?
従業員全体の英語レベルが、みえにくい形で日本企業の戦略を束縛しているってことはないのか?
ということはずっと疑問で、考え続けていた。

で、今日面白い文章を見つけた。

日本企業がグローバル化で悩むのが本社機能です。せっかく現地の人を育ててマネージャーにしても、日本の本社に来ると周りはすべて日本語の環境の中で、 キャリアパスがどうしても狭まってしまう。そのため日本企業は海外における採用のブランド力が低いのが実態です。これは、ただキャリアパスを開けばいいと いう問題ではなく、本社の日本的な仕事のやり方やものの考え方は大きく変えられないことを前提に、グローバル化することを考えなければならないため、とて も難しい課題です。
http://www.nikkei.co.jp/ps/ibm/leadersinsight/

なるほどー、ここに問題が来るのか、と思った。

簡単にいえば、たとえばITにおいてはインド人の力を使うのが最適で、
中国人向け製品の開発・マーケティングには中国人が最適だとする (というか最適だと思うし)

だから日本企業や欧米企業が、中国やインドでいい人材をめぐって争っているんだけれど、
どうしても日本企業は分が悪い。
なぜなら、日本の本社では日本語が使われているので、
中国やインドのいい人材は日本企業の本社で出世できると思えないからだ。

そうなると当然、いい人材は集まりにくくなり、定着しにくくなる。
いい人材がいないと、当然、いい製品・サービスを提供できず、競争力が落ちてしまう。

つまり、何が起こっているかというと、「社内の公用語は英語です」と日本企業が言い切れないがために、
海外での人材獲得がすすまず、競争力が落ちてしまう、という現状である。

ひとことでいうと、英語力が日本企業の戦略を束縛している。

「世界中から最強の人材をそろえて、世界での競争を勝ち抜きたい」
「だから、○年以内に社内の公用語を英語にする」
「だから、従業員全員に英語を学ばせようと思う」

これはある意味ガチンコ戦略。

おそらく、
・大企業よりも中小企業の方がこの戦略はとりやすく、したがって、中小企業が大企業を逆転する際のキーポイントのひとつになる
・英語の社内公用語化は、数年という期間では無理ですが、20-30年という期間で考えると、今後避けて通れない潮流になる

僕は、英会話を安くすることには、日本社会への社会的意義があると信じています。

人を育てられる人を育てる

今から1年前に書いた記事で・・・

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人を育てることができる人を育てることだとA社長。

人間一人がマネジメントできるのはせいぜい十人くらいだから、

組織をそれよりも大きくしようと思ったら、

人を育てるだけでなく、

人を育てられる人を育てなければならないという。


http://ameblo.jp/netpipeline/entry-10018741684.html
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人を育てることができる人を育てる・・・

って、理屈としてはわかるものの、
一体どうやれば??? とずっと思っていた。

で、昨日、この本を読んでその謎が氷解した

P&G式 世界が欲しがる人材の育て方

amazonpg

ブランドマネジャーになると、ブランドの運営以外にも大きな責任が求められます。それが部下の育成です。P&Gでは、マネジャー職以上の評価において、部下のトレーニングとビジネスの結果が同じ割合で評価されます。つまり、担当ブランドがどんなに伸びて売上をもたらしていても、自分の部下が全く成長していなければ、50%分の評価しか与えられないのです。
人材育成にここまでの比重を置くことは、なかなか難しいかもしれませんが、ここがP&GのP&Gたるゆえんだと思います。

なるほどねぇ と納得。

よくよく考えてみれば、自分のいたコンサルでも、
人を育てるってのは上司の評価項目の中で
大きな比重を占めていたなぁと思った (さすがに50%もなかったように思うが)

だから、やることは非常にクリアだなと思う。

・まずは僕自身が教えることにうまくなる
・その次に、どうやって教えるかを、上の方のメンバーに教える
・最後に、教えた人を評価するしくみを整える

起業して1年

起業してから1年が経ちました。

1年前のちょうどこの日の前の晩は、起業が怖くて怖くて悪夢にうなされていました。そのことを思い返すと、思ったよりもずっと順調にやってこれたと思います。いろいろと助けていただいた皆様方、本当にありがとうございます。

さて、レアジョブとは何かということをもう一度初心にかえって考えてみたいと思います。

レアジョブとは?
レアジョブとは、コストパフォーマンスが最も高い人たちが活躍するための仕事のプラットフォームである。

「コストパフォーマンスが最も高い人たち」 とは?
フィリピン大生ならびにその卒業生。
非常に優秀な能力を持っていながら、フィリピンの経済事情のために、フィリピン国内向けの仕事では好待遇が期待できない。
だが、日本をはじめとする世界に向けて仕事をすれば、よりよい待遇が期待できる。
レアジョブはそのような人たちのための活躍の場所。

「活躍する」 とは?
社会の問題を解決すること。
具体的には、日本人が英語ができないゆえに海外で活躍できない・交流できない・情報発信できないという問題点を解決するということ。

なぜ日本人は英語ができない?
学校の英語の勉強だけでは足りないから。
学校英語のカリキュラム自体は間違っていないが、学習時間数が絶対的に不足しており、英語が話せるようになるには学校以外で学ぶ必要がある。
しかし、学校以外の場となると、既存のリアルの英会話学校や、留学など、数百万円単位のお金がかかる。
そのような費用を払えないとすると、帰国子女に生まれる・海外赴任のチャンスがくるなどの幸運に恵まれる必要がある。(=日本在住で独学でできるようになる人は例外的なので)
したがって、ほとんどの日本人は、英語をしゃべれるようになるチャンスをそもそも持っていないといえる。
逆に言うと、英会話を学ぶ費用を安くすれば、英語をしゃべれるようになるチャンスにつながる。
つまり、英会話の価格破壊が、日本人の英語能力向上という、社会問題解決につながる。


僕は、ベンチャーは、社会のなんらかの問題点を解決してこそ、大きくなれる・成長できると信じています。
レアジョブは、最高の仕事のプラットフォームを設計し、英会話の価格破壊を通じて、日本人の世界での活躍を応援したいと考えています。

今後もご支援のほど、よろしくお願いいたします。

戦略コンサルで学んだことが事業でどう役立っているのか

戦略コンサルで学んだことが事業でどう役立っているのか、
ということを、起業した者の立場からよく考える。

実用性という意味で考えると、
(特にベンチャーにおける実用性)

・常にイシューが何かってことを意識しながら作業を進める

ということと、

・モレのないリスト作りをする

ということは非常に重要。
これがズレると、意味のない作業を延々としてしまう。
ただでさえ人が足りない中で事業を進めるので、これは致命的。


一方、

・ロジカルシンキング

とか

・きれいなスライドをつくること

とかは、こけおどしというか、
人を説得するときには重要かな、という程度だと思う。

たとえば、初対面の人に事業を説明するときとか、
部下に何かを納得させるときとかには、
魔法みたいに効くこともあるんだけれど(=こけおどし)、
事業運営に絶対必要かというと、そんなことはない。


(本当にハラに落ちてもらうためには、やっぱりまともに事業を運営できているかって方がよっぽど重要)
(戦略コンサルは人を説得するのがメインの仕事なので、戦略コンサルには絶対必要だが。)

(もうちょっと詳しく説明すると、
 ロジカルシンキングで出てきた結論というのは、
 当初から漠然と思っていた結論とほとんど変わらない、というケースが8-9割を占める。
 一方、ロジカルシンキングで出てきた結論が正しい確率は、明らかに8-9割を切る。
 従って、ロジカルシンキングを精緻にこなすことよりも、
 PDCAサイクルを一周より速く回すことに専念した方が事業運営には効果的。
 ただし、PDCAサイクルを自身で回すことの出来ないコンサルにとっては、
 ロジカルシンキングの精緻さは不可欠 )

というわけで、

戦略コンサルをしながら「将来起業したいなぁ」という方は、
(いるのか? このブログを読んでいるのか?)
・ロジカルシンキング
・きれいなスライドをつくること
とかのために、時間を費やしても、
起業という目的を果たすために、効果的はあまりないと思う。

むしろ、気をつけるべきなのは、
・常にイシューが何かってことを意識しながら作業を進める
・モレのないリスト作りをする
ということについて、きちんと癖をつけておくということだと思う。
一朝一夕にはなかなかできることではないから。

なんでそんなことを考えているのかというと、
従業員にどういうスキル移転・座学のトレーニングを行っていこうか、
考えているためなのです。

仮パスワード

メールシステムを移管中で、まぁいろいろ複雑な経緯があり、
仮パスワードをスタッフ毎に発行し、配る必要がでてきた。

仮パスワードなんで、適当に「5r3x7b」とか乱数っぽいのを発行してもいいんだけれど、
それじゃぁ面白くないし、間違えやすくてこっちに問い合わせが来るので面倒なぁと思い、
各人ごとに一風変わった仮パスワードをつけることにした。

「仮パスワードを発行するんで、勝手にメールを見ることになるから、
 見られちゃまずいものは処分しておいてね」 と伝えたところ、
「ラブレターのメールが多くて処分しきれない」 と冗談を言ってきたスタッフがいたので、
そのスタッフの仮パスワードは、
no_love_letter_at_all
にしておいた。

「今日はきちんとしたところで食事をしながら話そう。どこかいいとこある?」 と聞いたのに、
現地の格安ファーストフード「Jolibee」に僕を連れて行ったスタッフには、
i_love_Jolibee
というパスワードにしてあげた。

ミスユニバースで優勝した森理世が好きだと言っていたスタッフには、
riyo_loves_(スタッフ名)
にしてた。
(こういうミスコン系の芸能人は、フィリピン人はなぜかよく知っている)

まぁあまり頭を使わず、笑えるもの中心に適当につけていたのだが、
けっこうこれが大うけ、大好評なようだった。

日本人の外部スタッフからも、

パスワードありがとうございます。思わず笑ってしまいました。
いえいえ、むしろ覚えていてもらって嬉しいです!
そんなふうに他のスタッフとコミュニケーションをとられているのですね、素敵です!

と言って頂けた。 (少し言い過ぎでは?)

冗談半分にやってみたことではあるが、
やっぱり、自分の何かを覚えてもらっているってことが大事なんだろうなと思った。

ゴキブリホイホイの力

1階にあった工場が移転したせいか、さいきん、家にゴキブリが出没するようになった。
僕はホウ酸ダンゴ派なのでホウ酸ダンゴをスーパーで探してみたが、あいにく見つからなかった。
なので残念ながらゴキブリホイホイを買って帰ったが・・・最新のゴキブリホイホイ、こいつがすごかった。

1) 最近のゴキブリホイホイには足ふきマットがある
2) 最近のゴキブリホイホイのエサは本当においしそうだ


1)だが、これには驚いた。
確かに、あのテラテラしているやつらの体を考えると、そのままだと粘着シートにくっつきにくい。
なので足ふきマットで足をふくってことか。

2)だが、これにも驚いた。
カップラーメンで言う「かやく」みたいに、ゴキブリホイホイの餌がアルミ包装されている。
このアルミ包装を開けたとたんに、ぷーんといいにおいが漂い、思わず食欲をそそられている自分を発見する。


で、とうとうあのテラテラした黒い奴が登場した。
この新型ホイホイの威力を試したくなり、今までのように新聞紙でたたきに行くのをやめた。
テラテラした黒いやつの横で、無心にホイホイを組み立てる僕。
そして組みあがったホイホイを、そっと奴のそばに置く。

(10分後)

カサカサ・・ と音がするので見に行くと、奴がホイホイの中でもがいている。

「あの匂いじゃ、ひっかかるのも無理ないよな」 と同情しながら、
でも逃げられると困るので、ホイホイをビニール袋に入れて厳重に縛って、ゴミ箱に捨てる。


ここ数日で、こうやって3匹を退治しました。
最新のホイホイはすごいです。

もうゴキブリをたたきに行く時代じゃなくなったってことのようです!
hoihoi